- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163250403
作品紹介・あらすじ
ケッヘル番号が、わたしをこの世の果てまで連れてゆく。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない二人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。
感想・レビュー・書評
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図書館。モーツァルトの作品番号だ、どんな本だろう、と興味が湧いたので。
上下にわたる長編を、乳児と幼児の世話をしながら読めるかな、内容覚えてられるかなと思ったけれど、上巻読了現在、まだまだ読みたいと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
超大作。読み出すと止まらない。中山可穂さんってめっちゃ頭が良いんだろうなーっとひしひし伝わる作品。
LGBT要素少なめですが、記憶に残る本です。 -
2021年3月28日
私は伽椰にもなったし、鍵人にもなっていた。
同じ心理になりながら、ウィーンの街を黒島を旅していた。
伽椰や鍵人の境遇は尋常じゃない。でも心情や、物事に対する考え方、反応は私のそれときっと同じ。
上巻だけでも完結している。
この先があるとは!
音楽と偏執と同性愛と放浪と…
複数のテーマが重厚に絡んでいる! -
上・下巻なのでネタバレしないように感想。
前半の不思議な出会いから居場所を見つけるまではスルスルことが運んで「えーうまくいきすぎじゃ」と思いますが、モーツァルト狂いの両親から生まれた男の子の数奇な人生から、話がぐっと面白くなります。どんどん話が大きくなっていきますが、細かいネタが気に入りました。 -
多少、「湯けむり殺人事件」的な感じもしないではないが、音楽が題材だったのはよかった。ミステリーと音楽、両方が好きな人におススメ。
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モーツァルトの音楽をまとった小説。
きれいな文体で、一気に読んでしまった。 -
妻に「その手の本って結末わからないから面白いんじゃないの?」と半ばあきれられつつ、再読。結末がわかってても面白いものは面白いのだ。この本は、妙にはまるなぁ。
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逃亡生活を続けていた伽椰はドーバー海峡近くの町で出会った遠松に
鎌倉にある家の住込みのキャットシッターを頼まれ
3年ぶりに日本に帰ることにした。
伽椰が逃げていたのは政治家の辰巳直道、
そして彼から奪った妻の千秋からだった。
夫だった篤之の紹介で千秋に出会った伽椰は一目で惹かれ
千秋と駆け落ちをするが、次第に心中を考える千秋が恐ろしくなり
海外へ逃げ出したのだった。
遠松の紹介で伽椰はモーツァルティアンばかりを顧客とする
アマデウス旅行会社の添乗員の仕事に就き、
ウィーンの追悼ミサに行く柳井に付き添うことになる。
ママと桂子さんの2人に育てられた鍵人は
学校にもあまり行かず英才ピアノ教育をほどこされて育った。
しかし合唱団でオーケストラを指揮する実の父・鳥海武と出会ってしまい、
演奏会で彼の姿を見たママはショックで死んでしまった。
遠松グループのおじに引き取られた鍵人だったが
鳥海武に誘拐され、モーツァルトにゆかりのある番号の電車になって
全国を転々とする生活が始まった。
写真:及川哲也 装丁:大久保明子
モーツァルトづくしの情念ミステリ?です。
やっぱりこの冷たいのに熱く、どろっとしているのに美しい
文章にやられてしまう。
「このひとは体のまわりじゅうに水を湛えているかのようにしんとして凛々しく透きとおって見えるが、ほんとうは火のようにさみしいひとなんだ。マッチを擦ればたちまち骨まで燃え尽くしてしまいそうなほどの火種が体の奥に隠されていて、それを持て余しながら、おそれながら、ふるえながら、どうにかこうにかこの世界の片隅に居場所を見つけ、息をしているんだ。」
まさしくそのとおり。 -
私の好きなラジオの書評で、おもしろいと紹介されていたので借りてみました。
私はクラシックのなんたるか、とかそういうのまったくわからないので、正直登場人物たちがどうしてそんなにモーツァルトだとかケッヘル何番、だとかにこだわるのかわからなかった。
上巻では、まだそんなに「おもしろい!」とは思えませんでしたが、下巻はどうか……。