RUN!RUN!RUN!

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 422
感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163254500

感想・レビュー・書評

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  • 基本的にスポ根ものは読まないんだけど、たまたま読む機会があったので読み始めたら読みやすくて楽しめました。
    スポ根かと思えば遺伝子操作に話が飛んで、ミステリーとしても楽しめ、東野さんのような話の展開でしたね。
    孤高の男がある男に振り回されながらも少しずつなじみ始めて最後には仲間になって・・・と王道な展開だったけど、ウォーターボーイズやタンブリングのように青春ドラマ化して欲しいと思いました。

  • 作者本を少し読んでいたので、ほんわか系のコメディタッチを想像していたが、読んでみるとシリアス系でちょっとびっくり。長距離ランナーの才能に恵まれた優は、医学部生の兄と両親と南青山で暮らし、陸上部が強い大学に進学した。優は自己中心的で自分がオリンピックに出るこごしか考えていなかった。そこで苦学生の岩本と出会う。優は兄の突然の死に直面し、自分の出生に疑問を抱く。出生に疑問を抱き、駅伝の出場を辞退して、岩本のサポートに回り、陸上への思いを見直す。最後の終わり方があっけない印象があった。

  • ランナーとしての才能をもって生まれた主人公、高校での目覚ましい活躍を経て大学の陸上部に入る、そこでも良い成績を出すが、兄が自殺し、自分の出生の秘密を知ってしまい、悩む主人公。

    スポーツ選手として生きていくことの厳しさのイメージが膨らむ。主人公とは対照的な、才能はあまり無いが、人がよく面倒見がよい知人に支えられ、支える立場になることで、人生で早く走ることより大切な事に気付く。
    スポーツ物としては、主人公は走らず、自分より劣っている物のサポートをする事で成長していくと言う変わった毛色を持つ作品。自分の信じていた道に疑問を持ったときに、また別の道を探すというのは難しい事だが、ラストも良かったな。

  •  走っている時の描写が目に見えてくるよう。
     チームメートたちによって変化していく主人公の様子はよくわかるのだけれど、結局親子に関するテーマの回収が中途半端な気がして、すっきりしない。兄のことも。

  • 図書館にて。以前読んだことがあったが最近自分も走ってるので思い出して再読。3分の1ほどで物語の結論は出る。その後はどうしよう、どうしようとひたすら迷う主人公。
    コーチ、フレンドリーすぎないか?でも出てくる人たちは基本みんないい人。箱根を走るようなランナーはすごいトレーニングをしてるんだなぁってこれ読んでからちょっと箱根を見る目が変わったかも。
    兄はなぜ遺伝子のことを知ったのか、本当にそれで自殺したのか、両親が遺伝子操作をするに至った気持ち、法には触れないのかなど、もっと丁寧に説明があると良かったが、この人の本はテンポ良く読めて好き。

  • 欲望のままに遺伝子操作されて、苦しむのは子供なんだなぁ。

  • 『風が強く吹いている』や『チーム』のような駅伝ものかと思いきや物語の主軸はそこではなかったのでビックリした。傲慢な天才ランナーが仲間の大切さに気づくというのはわかりやすい展開。だけど、兄の死を機に錯乱した母から自らの出生の秘密を知り、走ることへの意味を見失い…。といった感じで、遺伝子操作だとかなんだかちょいと小難しくて清清しいスポ根ものを期待するとガッカリ感が…。岩本くんの存在がこの物語の唯一の救い。主人公の両親はどっちもどっち。2011/615

  • 話はぐいぐい読めて面白いんだけど・・・主人公の性格がどうにも感情移入できず。
    「県庁の星」の主人公も最初やな奴だし、そういうのが変わっていくのを描くのがこの作者の持ち味なんだろうけど。
    ホントに才能あって努力してる人って、周りの人のことを見下したりはしないと思うんだよなあ。理解されない孤独はあるとしても。
    んで、岩本くんがいい奴すぎてもう。

  • 風が強く吹いている、みたいな感じかな~と思って読み始めたけど全然違う。弱いチームが頑張って優勝する、涙あり感動ありのスポ根ものかと思ったら全然違う。すごく新鮮な感じがしたし、良かったです。人間にはちゃんと良心ていうのがあって、いろんなことで胸の奥に隠れているのかもしれないけど、他人の良心に触れるとキチンと発露するもんなんだなぁと嬉しくなった。エピローグも余韻があって好きです。

  • 才能と努力によって圧倒的な能力を持つが、性格に難があって周囲のメンバーとは孤立しているランナーが、悩みを通じて徐々に変化していく話。よくある設定の青春ものかと思いきや、予想外の結末に。
    その意外性が気に入りました。

著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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