水底の光

  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • 本 ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163255606

感想・レビュー・書評

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  • “光” が描かれている6つの大人の恋愛のお話。小池真理子さんのこういう短編集は、切ないけれど、安心して、まどろむように読める。若い時よりも、歳をとってから読む方が、この味わいはわかるのではないかしら?といつも思う。

    小池真理子さんの「夜の寝覚め」という短編集が大好きで、その中に出てくる『この世に永遠などない…』という一言で始まる一文は、生きている中で、しばしば思い出される言葉です。

    今回も印象的だったフレーズを少し。

    ーーーーーー

    彼女は徹底した合理主義者だ。迸るような熱い、曖昧なものよりも、ひんやりと冷たい手触りの、実態のあるものを好む。

    好きになることと、充実した恋愛をし、本物のセックスをするということはいつも私の中では、きれいなイコールで結ばれている。

    現在立っている悲しみの淵、それでも生きて呼吸しているということ、想いを残して別れたもの同士は、必ずまたどこかで会う、ということ。

    ふだん東京にいる時も、さびしさを肌にまとうようにして生きている。

    心はこんなに通い合ってる。だからもう、これでいい。逝くなら逝って。少し先に逝くだけのこと。人はみな、いずれ逝く。

  • 小池真理子らしい似たような設定の似たような話が多い。小池真理子は短篇のほうが好きなのですが、これは…。
    だいたいお金持ちの男性と孤独を抱えた綺麗な女性の話。そしてほぼ不倫。小池真理子の話って男の人は社長か会社役員、実業家、そうでなければ画家や建築家、作家などで、たとえば肉体労働者や非正規の人はほとんど出てこない。女性はだいたい美人で寂しさを抱えていて影があり男に言い寄られる。喪女はいません。久しぶりに読んだので忘れていたけど、思い出した。でもあまり深いこと考えずに読めるので病院の待ち時間や電車に乗るときに持ち歩くにはちょうどいいんですよね。

  • 感情や風景の描写は綺麗。世間的には許されない恋愛を扱っているのがほとんどだけど、年齢とともに少なくなっていく気がする愛してるだの大好きだのという感情を取り戻せる恋愛は羨ましいかも!?

  • 13/06/18 いつもながらの小池真理子。

  • 小池さんの本は、大昔に読み漁りました。
    ミステリーとかの時。

    最近はこういう大人の恋愛ものが多いんですね、
    あんまり私は恋愛小説は読まないのですが、
    やっぱり小池さんの書くものは何でも面白いです。

    切な…

  • 切ないよな~。苦しいよな~。でも人を愛することはやめられないよな~。そんな感じですかね。読後は。

  • 短篇集。光やイルミネーションを共通の隠し味にしている。

  • 読んだきがする

  • 2008/07/04読破。
    人の恋人との恋に本物があるのかわからない。それが、本当の恋でない理由もまたわからない。
    でも、私はそんな恋はしたくないと思う。

  • 小池真理子28冊目の短編集。光が共通のテーマとして描かれている(ということをあとがきを読んではじめて気付いた)。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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