植物診断室

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 147
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163256306

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の寛樹は中堅の商事会社につとめる四十代独身、親族や職場からの圧力もあり独身であることに引け目を感じている。彼は催眠療法のような「植物診断室」のセラピーに通い、本当の自分を取り戻そうとしている。そんな寛樹は離婚したばかりの幹子から子供の遊び相手になって欲しいという依頼を受け、母子との関わりを通して寛樹は・・・というお話です。

    男性の生涯未婚率は上昇の一途をたどっています。そんな中、わたしたちは独身という生き方をどう捉えるのか、この作品を通して問いかけられているように感じました。
    都議会議員が「結婚したらどうか」というヤジを飛ばした問題が少し前に話題になりましたが、世間には未だ「独身」という生き方について無自覚な偏見があります。
    本作は2007年に芥川賞候補となりました。7年を経た現在でもこの作品の声は生きていて訴えつづけているのだ思います。

  • シンプルに光と水と土があれば育っていける草花のように人間は強くはない。
    ただ人それぞれはっきりした形は決まっていなくても、人として生きるために必要なものがあって、それを自分の力で見つけていくことが成長なのかな。
    人生の散歩…いろんな発見をしていく小さな旅。
    なんとなく哲学的なお話に思えました。

  • 男性がうだうだしている話だった。

  • 俺俺が面白かったので、手を出してみました。純文学って苦手意識強いんだけど、この人の作品なら読めるんだよなー。筆致というか筆運びというか、行間の情報量が非常に心地よい。植物の描写は梨木香歩さんのが数段上。温もりという一点に絞ればだけど。独身男の孤独を癒すシングルマザーの存在。それよりも大きな存在がその子供2人である。男の子の強い独占欲や嫉妬心、自立心が二人の大人を動かしていく。読みながら、植物や歩くこと、ジャングリングに意味を見出そうとしている自分に気が付いたが、物語は既に後半。しっかりと読めなかった感が否めないので、再読しようかなーとか思ったけど、積読本が多かったため、とりあえず流す。もう一度しっかりと読みたいなー。

  • 市図書館にて、『文芸誤報』より。

    好きな語り手人格であった。この話の短さが適度である。結論は要らない気もした。

  • シングルマザーと独身貴族のお話。

    スギノコの描写が…想像するだけで気持ち悪い。

    エヴァの量産型みたいなイメージ。

  • 人間社会全般に置き換えたとしたら、確かに既存の固定観念を壊し新しい役割を模索する必然は理解できる。しかし肌に合わないというか気色悪い。人物像が特に受け入れ難い。

  • タイトルと表紙に惹かれて読んだけど、それが物語の中心ではなかった。
    『植物診断室』の話が読みたかったですごめんなさい。

  • 「男」や「母」であると周りから自然に求められる既存の役割というものがあって、もし比較的容易くそれに同化できる素地が自分にあったとすれば、それはラッキーなことだと思う。でもその役割をどうしても演じられないとしたら?或いは新たな役割を模索することになったら?それはきっと相当に骨の折れる作業になるのではないだろうか。
    主人公の水鳥寛樹は独身。水鳥がなぜか子供にだけは好かれることを知る義弟が、「離婚した夫以外の男性に子供を触れさせたい」と希望する女性を紹介し、そこから水鳥の「父」としての役割の模索が始まる。
    最後の靖国神社の描写が、水鳥の模索する父親像との対比を成しているようで印象的。恐らく靖国は、変わらぬ役割の象徴であり、水鳥の進もうとしている方向とは真逆だ。真逆だからこそ試行錯誤だが、それでも水鳥のしていることはこれから多様化がますます進む(と思われる)時代に必要な姿勢なのではないだろうか。

  • 「夫でもなく、父親でもない“大人の男性”の役割とは――
     散歩が生き甲斐の独身男・寛樹は、ある女性に「夫でもなく、父親でもな
     い役割」を求められた。家族や婚姻制度に一石を投じる問題作。 」
     ・・・らしいのだが、私にはさっぱりわからなかった。
     芥川賞候補作品となった作品だから、たぶん私には合わないだろうとは
     思って読み始めたが、主人公の寛樹が受けている植物セラピーの部分
     は読んでるだけでも不思議に癒されて気持ちが良かった。
     地球誕生から始まって、生物が生まれ、種が枝分かれしてゆき、
     そしてあなたは今植物の一つになって根を張って空に向かって伸び続け
     るのです・・・・・って感じ(笑)。
     ほかの人の書評であの部分の「テープがほしい」って書いてあったけど
     同感♪
     全体の雰囲気もなかなか良いのだが、私はどうしてものか「何が言いた
     のか?」って考えてしまうのでこういう本はダメです^^;

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著者プロフィール

星野智幸(ほしの ともゆき)
1965年ロサンゼルス生まれ。東京都立戸山高等学校、早稲田大学第一文学部文芸専修をそれぞれ卒業後、産経新聞社記者に。1991年産経新聞社を退職、1991年から1992年、1994年から1995年の間、メキシコに留学。1996年から2000年まで、字幕翻訳を手がけていた。
1997年「最後の吐息」で文藝賞を受賞しデビュー。『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、『俺俺』で大江健三郎賞、『夜は終わらない』で読売文学賞、『焰』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞している。

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