植物診断室

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 148
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163256306

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の寛樹は中堅の商事会社につとめる四十代独身、親族や職場からの圧力もあり独身であることに引け目を感じている。彼は催眠療法のような「植物診断室」のセラピーに通い、本当の自分を取り戻そうとしている。そんな寛樹は離婚したばかりの幹子から子供の遊び相手になって欲しいという依頼を受け、母子との関わりを通して寛樹は・・・というお話です。

    男性の生涯未婚率は上昇の一途をたどっています。そんな中、わたしたちは独身という生き方をどう捉えるのか、この作品を通して問いかけられているように感じました。
    都議会議員が「結婚したらどうか」というヤジを飛ばした問題が少し前に話題になりましたが、世間には未だ「独身」という生き方について無自覚な偏見があります。
    本作は2007年に芥川賞候補となりました。7年を経た現在でもこの作品の声は生きていて訴えつづけているのだ思います。

  • 私には合わなかった。
    よくわかんなかった。

  • シンプルに光と水と土があれば育っていける草花のように人間は強くはない。
    ただ人それぞれはっきりした形は決まっていなくても、人として生きるために必要なものがあって、それを自分の力で見つけていくことが成長なのかな。
    人生の散歩…いろんな発見をしていく小さな旅。
    なんとなく哲学的なお話に思えました。

  • 男性がうだうだしている話だった。

  • 俺俺が面白かったので、手を出してみました。純文学って苦手意識強いんだけど、この人の作品なら読めるんだよなー。筆致というか筆運びというか、行間の情報量が非常に心地よい。植物の描写は梨木香歩さんのが数段上。温もりという一点に絞ればだけど。独身男の孤独を癒すシングルマザーの存在。それよりも大きな存在がその子供2人である。男の子の強い独占欲や嫉妬心、自立心が二人の大人を動かしていく。読みながら、植物や歩くこと、ジャングリングに意味を見出そうとしている自分に気が付いたが、物語は既に後半。しっかりと読めなかった感が否めないので、再読しようかなーとか思ったけど、積読本が多かったため、とりあえず流す。もう一度しっかりと読みたいなー。

  • 市図書館にて、『文芸誤報』より。

    好きな語り手人格であった。この話の短さが適度である。結論は要らない気もした。

  • シングルマザーと独身貴族のお話。

    スギノコの描写が…想像するだけで気持ち悪い。

    エヴァの量産型みたいなイメージ。

  • 人間社会全般に置き換えたとしたら、確かに既存の固定観念を壊し新しい役割を模索する必然は理解できる。しかし肌に合わないというか気色悪い。人物像が特に受け入れ難い。

  • タイトルと表紙に惹かれて読んだけど、それが物語の中心ではなかった。
    『植物診断室』の話が読みたかったですごめんなさい。

  • 「男」や「母」であると周りから自然に求められる既存の役割というものがあって、もし比較的容易くそれに同化できる素地が自分にあったとすれば、それはラッキーなことだと思う。でもその役割をどうしても演じられないとしたら?或いは新たな役割を模索することになったら?それはきっと相当に骨の折れる作業になるのではないだろうか。
    主人公の水鳥寛樹は独身。水鳥がなぜか子供にだけは好かれることを知る義弟が、「離婚した夫以外の男性に子供を触れさせたい」と希望する女性を紹介し、そこから水鳥の「父」としての役割の模索が始まる。
    最後の靖国神社の描写が、水鳥の模索する父親像との対比を成しているようで印象的。恐らく靖国は、変わらぬ役割の象徴であり、水鳥の進もうとしている方向とは真逆だ。真逆だからこそ試行錯誤だが、それでも水鳥のしていることはこれから多様化がますます進む(と思われる)時代に必要な姿勢なのではないだろうか。

  • 「夫でもなく、父親でもない“大人の男性”の役割とは――
     散歩が生き甲斐の独身男・寛樹は、ある女性に「夫でもなく、父親でもな
     い役割」を求められた。家族や婚姻制度に一石を投じる問題作。 」
     ・・・らしいのだが、私にはさっぱりわからなかった。
     芥川賞候補作品となった作品だから、たぶん私には合わないだろうとは
     思って読み始めたが、主人公の寛樹が受けている植物セラピーの部分
     は読んでるだけでも不思議に癒されて気持ちが良かった。
     地球誕生から始まって、生物が生まれ、種が枝分かれしてゆき、
     そしてあなたは今植物の一つになって根を張って空に向かって伸び続け
     るのです・・・・・って感じ(笑)。
     ほかの人の書評であの部分の「テープがほしい」って書いてあったけど
     同感♪
     全体の雰囲気もなかなか良いのだが、私はどうしてものか「何が言いた
     のか?」って考えてしまうのでこういう本はダメです^^;

  • そこに恋愛色があるのかと言われればまったく無いのだろうと思いました。

    植物診断は面白そうですがもし自分が受けたら戻って来られるかしらと少々怖く思ったりもします。

    面白かったですが取り留めはない話。
    植物園のベランダは素敵だと思いますが、きっともう少ししたらご近所から苦情きますね多分。

  • 話の筋は、あんまり好きじゃないんですが。
    言葉にできない謎の満足感(作中の言葉を使うならエクスタシーか)を得られる作品ではある。
    忘我するために読書するならオススメ。

  • おもしろかった。ただおもしろかった。歩くこと。

  • 身体を侵食されていく心地がする。
    本当にこんな診断室があったら行ってみたいかも。

  • 植物診断は自分じゃない何かになれる快感が
    病み付きになるのでしょうね。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-167.html

  • 導入部は最高。筆致もすきな部類。だのに余りに退屈だったんだが私が悪いのでしょうか。

    あえて独身をつらぬいているらしい孤独な中年男が哲学も信念も理由づけのために後だししては自己矛盾し続ける。すべての思考が言い訳がましく虚栄心の塊のようで無様。「社内では一匹狼と見られている」って中二病か。
    周辺人物の反応もご都合主義。両親が離婚した子どもの反応も不自然。

    が、驚いたのはこの方文学賞いくつか受賞している立派な作家さんらしいということ。やはり私の狭量さが悪いのか。読後頭を抱えるなんてはじめて。

  • 意味深なタイトルに惹かれて借りてみた小説。知らない著者だったがなかなか面白かった。
    独身を貫く、植物と散歩が好きな主人公。妹夫婦に「父親の代わりを務めてくれる男性」を探しているシングルマザーの話を聞き、彼女とその子供たちに会うことになる、という話。
    主人公の自分探しとともに、結婚と子供を持つことについても描いていて、いろいろ考えさせられた部分もあった。互いに深く知っていたほうがいいのか、合わないところを相手に合わせて付き合っていたほうがいいのか、父親は本当に子供の見本になりうるのか、安心とはいえない社会に子供を出すのはどうなのか…。何気に深い問題を扱っていると思った。
    ときどき挟まれる植物診断の描写がなんとも不思議。

  • 微妙に寂しく、絶妙に温かい、静かな物語でした。

  • 初めて読む作家。
    イメージが広がる不思議な小説。
    読後感が気持ちよかった。

  • 家族の形も自分の形も、求めるのは良いけど
    真っ向から否定して壊さなくてもいい
    もっと暖かな眼差しとか、人を否定しない気持ちが欲しかった

  • ゆらゆらゆら。
    読みやすい文章で、さくっとえぐってくる。
    気持ちいい重さと軽さ。

  • モチーフはとても興味深かったです!

  • 星野さんを読んだのは2冊目かな。
    不思議な空気感と主人公。
    私は結構好きかな。終わりとか。
    散歩が好きという主人公にとても好感を持ちました。 あっという間の読了。

  • 表紙がかわいかったのと、帯の“芥川賞候補作”というのに惹かれて読んでみました。
    が、イマイチ、よく分からなかった…という印象。
    私には難しすぎました、、

  • 「経済的に恵まれた新人類でありながら、戦争の余韻がまだ残る時代の子どもであった」「親と自分は、世代は三十年以上違っていても、かろうじて同じ時代感覚を持っていた」とある。作者は40歳。私とも年齢は違うのだが、時代感覚は近いと感じられ、読みやすかった。

    意外な若いときの恋愛経験、ふしぎな植物診断室、幹子母子とのつきあいなどエピソードは起伏に富んだものだが、静謐な印象を受けた。表紙もいい。


    作成日時 2007年02月21日 18:50

  • とても惜しい作品だと思う。話の大筋はとても興味深く面白いのに、何か物足りなく中途半端な感じがする。40歳を越え独身の男は当てもなく町を徘徊することとベランダに植えた植物が野放図に伸びていく中にいることを好む。離婚し子供に大人の男を教えて欲しいと言う女の依頼を受け子供たちの相手をするようになる。父親と言うのではない男とは何かを教えるうちに何かが変っていく。彼女が離婚した理由や赤ちゃんが生まれた経緯、その辺が曖昧だしかたくなな彼女の考え方が読んでも伝わらない。彼女の夫と義弟とこの男の考え方とかその辺も良くわからない。シチュエーションとしてはいいのになんだか残念。それに植物診断室、これではヒーリングにもならないだろうと思うし、これが何を意味してるかも良くわからなかった。

  • 夫でもなく、父親でもない“大人の男性”の役割とは――
    散歩が生き甲斐の独身男・寛樹は、ある女性に「夫でもなく、父親でもない
    役割」を求められた。家族や婚姻制度に一石を投じる問題作。

  • とりあえず読んだという覚え書き。

    「ハミザベス」同様、自分はなんなんだろう、という男の物語。独身のこの主人公は、子供の相手をするよう、その子の母親から頼まれる。だけど、それはいない父親の代わりではなく、母親の夫の代わりでもない。自分は何を求められているのか、何をしたらいいのか、そして植物診断室の先生が言う、「あなたはあなた以外の何者でもない」という言葉。それはそうかもしれないけれど、でも自分を肯定できるほどの「何か」があるわけでもなく、ただただ町を徘徊して…と、なんだかよくわからないレビューですね。あらすじかい。彼の行き着いた先がどこだったのか、結局それは「自分は自分」ということなのかもしれないけれど、他者に認められたのか、それとも自分で気づけたのか、それが植物診断室のおかげなのか母子のおかげかもう感覚として読んでしまったので特に何も残ってません。ごめんなさい。

  • 植物診断の様子がおもしろい

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著者プロフィール

星野智幸(ほしの ともゆき)
1965年ロサンゼルス生まれ。東京都立戸山高等学校、早稲田大学第一文学部文芸専修をそれぞれ卒業後、産経新聞社記者に。1991年産経新聞社を退職、1991年から1992年、1994年から1995年の間、メキシコに留学。1996年から2000年まで、字幕翻訳を手がけていた。
1997年「最後の吐息」で文藝賞を受賞しデビュー。『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、『俺俺』で大江健三郎賞、『夜は終わらない』で読売文学賞、『焰』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞している。

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