暗号名サラマンダー

  • 文藝春秋 (2007年3月26日発売)
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本 ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784163257808

感想・レビュー・書評

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  • スパイものとしての展開に、もう少し拡がりがほしかった。序盤から面白く読めたので、過剰に期待してしまった自分が悪いのだろうが、本作品の“重い部分”の比重が多くなるにつれ、徐々にスピードダウンしてしまった気がする。陰謀の全体像が見えないうちは、どうしてもその首謀者の解明に意識がいってしまう。作者の文章は読みやすく、描写も腹八分目で気に入ってはいたのだが、個々の複雑な部分に迫るタイミングが早かったと思えてならない。首謀者探しは小休止し、犠牲者となる人物の背景が語られるのだが、この辺りから作者と私の間で少しずつ温度差が広がっていった。その間にも小さな謎が出現したりと、吸引力は相当なので飽きることはなかったが、その謎のほとんどが謎の状態で終わったことにも拍子抜けしてしまった。よくできた作品だとは思うが、“傑作”という評判には納得しかねる。そう思う適正が私にはなかったのだろう。

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