ピアニシモ・ピアニシモ

  • 文藝春秋 (2007年4月16日発売)
3.07
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本棚登録 : 136
感想 : 18
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  • 本 ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163258102

感想・レビュー・書評

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  • 「ピアニシモ」の新ヴァージョン。
    空想の世界が大きくて、現実との区別がつかない。
    恋愛は奇跡だ。愛を信じる者は救われる。
    そしてトオルは成長してゆく。

  •  青少年の微妙な心の揺らぎを捉えていた、、、だけではない気がする。
     第一部は苦痛だった。トオルの世界観になじめずすこし嫌気がさした時に第2章が来てよかった。
     トオルは性の成長に心が追い付いていないのだろう。そして身近な環境や社会に対する不条理さを感じもがいていたのだろう。対してシラトとヒカルがいい味出してた。
     もう少し読み込みたい作品。

  • 出口を求めて

     中一のウジイエトオルは自分だけしか見えないヒカルという友達がいる。学校は感情を喰う灰色の悪意の中にある。
     3年前、1年の女子が誘拐、殺害された。その幽霊が学校の中に現れ、新たに男子が一人行方不明になる。そして、その悪意はトオルのもとにやってきた。
     からだは女で、心は男というシラトは、そうした自分と世界に対して抗議する意味で常にスカートをはいている。
     ヒカルはシラトに恋をし、殺されたシラトを救いに新たな戦いを始める。
     読み始めてすぐ、松本大洋の『モンスター』に似ているな、と思った。箱男とシラトの存在もよく似ている。
     ただ、ヒカルというトオルの分身であるような存在は独特で、彼の動きをもう少し細かく見ていくと面白いのかもしれないが、そこまで出来なかった。

     さて、物語は冒険物風なのだが、かなり読みづらい。両親をオスガオー、メスガオーと呼んで拒否していることも上手くつかめないし、ヒカルの型にはまったような言動も時々うっとおしくなってくる。
     しかし、閉塞感を感じ、そこからどう脱出していくのか、ということの興味が、先へ読ませていく。
     ところが、最後にトオルがどうやってそこから抜け出したのか、世界がどう変わったのかが、曖昧で、もやもやっとしたものが残った。

    2008-01-06

  • ホラー要素が強くて始めは怖かった。終盤でネクロフィリア入りそうな気配がして焦ったけどそんなことはなかった。
    家庭環境の溝や不安感がどの作品にも出てきているが著者自身の体験なのだろう。また「自分君」はクラウディに出てくるスナフキンと類似している。この二人のような人物には強く憧れるし惹かれる。
    前作と比べてトオルはほとんど変わりなかったがヒカルが大分変化していたように思う。別人のように感じた。
    個人的には前作の方が好みだった。

  • 「灰色」がカンジョウを食べるっていう喩えは、詩的なのに凄く生々しい。

  • 自分には合わなく、あまり理解できなかった。

  • 辻さんの本を読んだことがなかったし、ちょっと入手できたので読んでみました。好きかどうかと聞かれると、あんまり好きじゃない。ワタシがジュブナイル小説がイマイチだからかも。間違いなく希望や愛は必要、それは正しい。でも直球でそう言われちゃうとちょっとナナメに視線を落としてしまいたくなるのですA^-^;

  • 2002/5/2読了

  • 途中までは結構ハラハラしながら読んでたんですが、
    読み終わってみたら何も残ってない感じ。
    …単に忘れただけかも知れないけど^^;

  • トオルいつまでも希望を忘れないで!

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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