ふたつめの月

  • 文藝春秋 (2007年5月28日発売)
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感想 : 106
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163259604

感想・レビュー・書評

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  • ほんわかした話だなと思って読んでいたら続編だったことに気づく。「賢者はベンチで思索する」が前編にあり、作中の赤坂さんとはその時の知り合いだったので、また読むことにする。
    家で飼っている2匹の犬のアンとトモとのエピソードが話を和ませる。

  • 「賢者はベンチで思索する」に続く、久里子シリーズ2冊目。
    初っ端から久里子はリストラされたり鬱々している。忘れようと思っても、つい考えちゃったり、色々心配になって気持ちが落ち込むのってわかるわ~と思ったが、久里子は若いのにちょっと暗すぎるかな(笑)若い時って、将来見えなくても若いというだけでもっと強気な気がする…23歳でこれだから、もっと歳とってからの久里子が不安。と、小説の主人公の将来を勝手に不安がってみたり。。。
    結局、赤坂さんは謎のままで…このシリーズ続くのか分からないけれど、赤坂さんはいい人であって欲しいと心から思う。

  • どうやら前作があるらしい、と早い段階で気がつきはしたけれど、問題なく楽しく読めました。前作も探して読了後の今、賢者の賢者度は確実にアップしていたのだと思えます。こんな老人になりたいし、是非、近くにいて欲しい。

  • 久里子さんが危なっかしくて、ヒヤヒヤしました。

  • 個人的には1話目が結構
    強烈だったのよね。

    何気ない言葉だけれども
    この言葉が地雷を踏みぬいてしまうケースも
    ままあるということ。

    そこまでしなくてもと思うけれども
    言葉の取り方ってその人次第だから。

    そして2話目。
    これは悲しい女の子のお話。
    痛いほどこの子の気持ちはわかるんだよね。
    そして、実は久里子にも関係があることが…
    どうしようもない思いで頭が
    混乱しちゃったんだろうなぁ…
    (個人的にはもう気づいてたけど)

    最終話は…切ないな。
    全編久里子の恋愛の懊悩付き。
    まったく、シャキッとしなさいよ…

  • 読みやすい
    日常と特別の間

  • タイトルの理由が最後にわかった。
    仕事を辞めることになった理由も、彼との関係も、ちょっとふわっとしていてそんなことあるのかなという感じはあったけれど、全体の世界が好きだと思った。

  • 心と頭は一緒の様で別々に働いている。
    怒りに満ちた頭では悲劇を拡大させ、
    頭で判断する正しさは心が壊れてしまう

    日本では人を殺すより自分を殺すことがずっと多い。

    頭と心は別々であることを知ることが大事。

    赤坂さんの言葉、ごもっともと思いました。

  • サラリと読めて読後感よい佳作・・・なんだけど、これまだ完結してなくないかなぁ。続編出てないみたいなのが惜しいなぁ。

  • 目次
    ・たったひとつの後悔
    ・パレードがやってくる
    ・ふたつめの月

    読んでから気がつきましたが、これは『賢者はベンチで思索する』の続編だったのですね。
    かなり以前に読んだ本なので、薄らぼんやりとしか覚えていないのが残念。
    どこかで見つけたら再読しよう。

    主人公の久里子は、ようやく契約社員から正社員になったと思ったら、たった2ヶ月で首になる。
    彼氏とも言えない、片想いというのも微妙な間柄の男性は、現在イタリアで調理師修行中で、最低でも一年は帰ってこない。
    なんだかいろんなことが手詰まりで、辛くて、もやもやする。
    そんななか、以前バイトしていたファミレスの常連客だった老人と再会し、悩みを相談しながら日常の謎を解いていく。

    日常の謎は、割と簡単に解けるのだけど、面白いのが途中から話に加わってくる明日香だ。
    久里子の、彼とも言えない男友達が年末にイタリアから帰ってきて、近所に住む幼なじみの少女を紹介する。
    二人のおしゃべりの輪に加わることもできず打ちひしがれる久里子に、彼・譲は「明日香の悩み相談にのってやって欲しい」という。
    ちょっとないくらいな鈍感男だよ。

    明日香は久里子に挑戦的な態度をとるかと思えば、「人を殺しちゃうかも」なんてことを言い、映画館やディズニーランドに一緒に行ってくれなどと甘えてきたりもする。
    それに付き合う久里子は、別段ものすごいお人好しなわけではないんだ。

    ”明日香のことは正直好きじゃない。嫉妬する気持ちもある。でも、だからこそ、見捨てたら、久里子は自分のことが大嫌いになるだろう。”

    多分久里子は人間関係だけではなく、仕事でもなんでも、好き嫌いや損得で動く人ではないのだろう。
    だから「たったひとつの後悔」のように、大変な割を食ってしまうこともある。(あれって、犯罪にならないのか?)
    だけど久里子のそういう誠実さをわかってくれる人がいるからさ。
    賢者しかり。その他にも。

    なんだかんだ言って久里子になつく明日香が可愛いと思った。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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