楽園 上

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2575
感想 : 402
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163262406

作品紹介・あらすじ

「模倣犯」事件から9年が経った。事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという-。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    以前読んだのは10年ほど前だろうか。息子がこの話の中に出てくる亡くなった少年と同じ年頃だったので、ただただ、その子の母親である萩谷敏子の心象風景ばかりを想像していた気がする。
    記憶にある筋書きも、母子家庭の昭和のお母さん的なその人と、その可愛い息子が不慮の事故で亡くなってしまい、その死後から彼にあったかもしれない異能の力とある事件との関係を探るんだったかなぁ…ぐらいで。「模倣犯」との関連なんて全く記憶に残ってなかった!
    「模倣犯」も再読するかなぁ…心が冷え切って闇にのまれそうになったから、もう読めないかも。

    宮部みゆきさんは、少年と異能力の組み合わせが好きなのかなぁという気がするが、宮部さんの書く少年は本当に健気なんだよなぁ。
    主人公であるライターの前畑滋子は、前のめりな感じだが、このちょっとオバさんが入ったキャラ、嫌いではない。
    下巻も再読しよう。2019.10.5

    • やまさん
      ロニコさん、こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      ロニコさん、こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      2019/11/07
  • ある連続殺人事件でいっとき有名人になったとことのあるライター・前畑滋子の許に舞い込んだ奇妙な依頼、それはまだ小学生で交通事故で亡くなった少年が描く2種類の絵に関する母親からの調査依頼だった。
    少年はとても小学生とは思えないほど高いレベルの絵も残したが、同じ少年が書いたとは思えない未就学児が描いたような幼稚な絵も残した。幼い方の絵は、頭に浮かんだものを描いたものだという。
    その絵を見せてもらった滋子は、その中に自分がかつて扱った事件の現場となった家と、マスコミに一切出ていない情報が描かれているのをみて愕然とし、16年前の殺人事件を追う。滋子の眼前に、驚愕の真実が露になる!

  • 楽園 上 単行本 – 2007/8/6

    程良い長さです
    2012年3月15日記述

    宮部みゆきの現代を舞台とした長編小説。
    2005年途中から産経新聞で連載していたものを書籍化している。
    模倣犯で活躍した人物、前畑滋子が登場。
    かつて2004年に読んだ模倣犯の雰囲気はこうだったかなと懐かしく思えた。
    と言ってもさすがに模倣犯ほどの超長編ではなく、適度な長さであると思う。

    模倣犯の長さでは時間的にも精神的にも余裕がないと読み終えることが難しいと思う。
    その点本作品は良い。
    謎に関しても超能力に関するものが出る。
    宮部みゆきの現代小説はしばしばそういった展開がある。
    (蒲生邸事件、龍は眠る、クロスファイアなど)
    ただし、本作はその異能者が既に他界している設定であり、どのようにもつれる糸をほどいていくのか興味ふかい作りになっている。
    宮部みゆきファンの人もはじめての人も満足できるだろう。

  • フリーライター前畑滋子に一つの依頼が舞い込む。
    亡くなった息子に異能の才があったのでは---。
    控えめな依頼人に「とにかく話を聞こう」という気になった滋子。
    依頼者 萩谷敏子の差し出したスケッチブックには少し前に起こった事件の絵があった。
    親が娘を殺し16年間家の床下に埋めたまま隠し通していた。
    その事件に関するような絵は確かに不思議ではあった。
    しかし「単なる偶然」とさらにページをめくるとそこには九年前の事件に関わる絵が描かれていた。
    それはマスコミに公表されていない事柄を含んでいる。
    どうして亡くなった少年、等は、それを描き得たのか。

    そこから闇の部分が徐々に明らかになる。

  • 「模倣犯」で登場したライターが主人公。
    こんなふうに続きが始まるんですね。
    図書館で、上巻だけ借りることができたので、物語が佳境に入ろうとするところでオアズケ状態です。
    続きが早く読みたい・・・

  • 読んでいるうちに、予想外なところまで話が進む。ぐんぐんぐんぐん。
    あまり感情移入できる人がいないのが残念だけど、子育てって怖いな。いろんな意味で。

    敏子の家に、茂子が大上満の息子の義美と共に訪れる。

  • 下巻に突入すると、止まりませんでした(^^ゞ

  • 田舎者っぽくてさえない感じのはずの敏子さん、だんだん鋭くなってきた。誠子さんも、絵の先生も始めと変わってきた。事件の鍵を握っているのか?先が気になります。

  • 読み進める手が止まらない、むしろどんどん加速する、という、久しぶりの感覚に夢中になって読み進めました。
    登場人物は色々と出てくるのですが、それぞれ丁寧に描かれていて、「誰だっけ?」となることもなく。
    サイコメトラーという説明できない部分に触れながらも、現実味を失うことなく、どうなるの?どうなるの?と次へ次へと気持ちが前のめりになりました。

    手元に下巻がないのが悔しすぎる。早く続きを読みたいです。
    あと、なぜ、楽園、という題名なのかもまだ分からないので下巻本当に楽しみです。

  • 久しぶりの読書だったけどすぐに話に入り込めて読みやすかった。
    宮部みゆきの作品は初めて読んだけど、他の作品も読んでみたくなった。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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