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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163262802
感想・レビュー・書評
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互いの感情や状況を、夫婦間で交わされた手紙のみで表した作品。
故に普通の手紙では書かないような説明が多く、登場人物に理屈っぽさが加わり、なんだか面倒臭い人達だなという印象をもちました。
祖父母の手紙は、戦時中を生きた重く大切な二人の歩みを象徴しているようで、こちらも貴重なものを読ませてもらった感がありました。
妻奈美子に関しては、ただの子供で我が儘としか思えず、残念ながら久々に嫌悪を感じる人物象でした。
なので、孫夫婦の話を入れず、祖父母の手紙、いや人生を描いたものを見てみたかったなと思いました。
祖父の愚直なまでの真っ直ぐさは、素晴らしいと心から思うけれど、色んな意味で弱い人間にとっては側にいる事さえどれ程の苦行かと祖母の心情を思うと切なくなりました。
『正しすぎてはいけない』とは、きっとこうゆう事を言うんでしょうね。
実は私にも手紙を書かなければいけない人がいます。
書きたい事は山程あるけれど、それこそ何枚になるのやら…
本音を書こうか書くまいか、悩んでる内に一年近くたってしまい、出すタイミングすら逃した感があるのですが、この祖父母の手紙を見てやっぱり返信しなくちゃいけないなと思いました。 -
全て手紙で語られる。狭い世界の話で、含みを持たせたハッキリしない感じが私には合いません。言い訳なのか申し訳なく思っているのか、のらりくらりと。
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奈美子と悟という夫婦が日本・ギリシャ間での手紙のやり取りで始まりますが、奈美子の祖母春子と祖父誠治の2人の手紙の交換へと、中心が展開していきます。そのため、途中からは春子に主人公が移ったように感じるのですが、最後に奈美子に戻り、祖母の人生をコピーしたかのような奈美子の人生に再度焦点が合わされていきます。それにしても春子の劇的な人生の印象があまりにも強烈であり、構成は面白いものの、それで十分ではあり、孫のコピーまでが必要だったのか?とは思いました。しかし、春子の存在感から一気に読むことができました。
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少々期待はずれ。男女の情念、夫婦の絆を扱ったもので、個人的にあまり興味がないので低評価です。
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手紙のやり取りだけで構成された小説。
こうした形式ってちょっと退屈になりがちというか、読んでいくと大抵話の流れのオチが見えてくるんですよね…。
それが悪いとはいいませんが、少々物足りない感じがする内容でした。
というか、これは女が悪いでしょう…という気持ちになりました。
私が女でもこんな女はありえないというか、男の度量がひろすぎだろ!というか、そんな印象を受けました。 -
ギリシャに単身赴任した山上悟の妻・奈美子が夫へ宛てた手紙で物語は始まる。離婚届が同封してあった。以降、状況と心情を手紙だけで少しずつ明らかにしてゆく。夫婦のこと、父母、祖父母のことをいかに知らないままに生きてきたか。その人たちの心を無視してきたか。事態が明らかになるにつれて、真摯に生きようとする家族の姿が現れてくる。後半、祖父母に関するミステリーがクローズアップしてくると、目が離せなくなる。
著者プロフィール
真保裕一の作品





