三面記事小説

  • 文藝春秋 (2007年9月28日発売)
3.37
  • (37)
  • (124)
  • (203)
  • (32)
  • (8)
本棚登録 : 743
感想 : 180
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784163263403

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • Audibleで。
    ぞわぞわ怖かった。
    どこにでも有りそうな話がどこにでもない話になる
    夕べの花火と光の川は特に身近にある
    聞き終わった後で、ノンフィクションらしいことを知りもっと怖くなる。
    改めて自分は恵まれていると思いつつ、1歩間違えたらと怖くなる

  • 実際にあった事件を元にしたフィクション短編集。
    章の初めに実際の新聞記事が載っていて、どんな事件が起きたのかが最初にわかった上で、物語が進んでいく『紙の月』パターン。
    日常からどんどん事件に近づいていく様子がハラハラして絶望的。
    登場人物には共感できる人もいれば全くできない人もいるんだけど、どの事件も日常と地続きになっている。
    少しずつの歪みがいつの間にか大きくなって、渦中にいるとその事になかなか気付けない。
    事件っていうのは自分と関係の無い所で突然降って湧いたように起きるのではなくて、少しずつ育ってしまうものなのかもしれない。
    そして自分だっていつ被害者や加害者になるかわからないということを改めて感じて、なんだか怖いような寂しいような。。

  • 三面記事をヒントに短編小説を書くとは凄い事だ。
    フィクションとうたってるが、関係者が読んだらどう思うだろうか・・・

    どの話も重い気持ちになる。事件ってそういうものなんだろう。
    最後の「光の川」は認知症の世話をする息子の話だけど、
    自分も息子を持つ身、今はいいがいずれは・・・と考えると恐ろしくなる。

    「赤い筆箱」の話が1番怖い。姉妹でも性格は違うし、
    考える事も違うだろうから、合う合わないってあるんだろうけど。

    何気ない事柄が恐ろしい。毎日を大切に生きよう。

  • おもっ!
    くらっ!

    角田さんの女性には毎回色んな意味で不安とか抱えさせられるけど、
    今回の本はそういう感じではなく。
    ただただ救いようのない小話ばかりだった。
    前向きさが一ミリもない本って・・・!

    でも、こういう本の描き方、嫌いではない。

  • フィクションだが
    実際の事件を発想の発端にしている
    『愛の巣』
    『ゆうべの花火』
    『彼方の城』
    『永遠の花園』
    『赤い筆箱』
    『光の川』
    の6つの短編集

    実際に起こってしまった事件だけあって
    犯人に対してリアルに恐ろしさを感じた
    気味が悪かったし理解し難かったが
    最後の『光の川』は
    認知症の母親の介護疲れによる殺人事件
    なので深く考えさせられた
    息子が介護離職に追い込まれる様子や
    生活保護申請の役所の対応の方が
    事件よりも恐ろしかった

  • 実際にあった事件から発想を膨らませて書かれた6つの短編。事件の起こる背景にはこんなドラマがあるのかと思わされるくらいうまい。そのうまさゆえか、読んでいて段々気分が悪くなってくる。一番最後のお話が一番辛い。この事件のことを鮮明に覚えているから余計に。2012/505

  • 以前から読みたかった本。新聞の三面記事を膨らませた犯罪短編小説集。1作目だけ犯人の親族が語り手で、後は語り手が犯罪に至る過程のお話なので、ゼロ地点に至るまでをぞくぞく楽しみにながら読めた。

  • 読み進める程に苦しい気持ちになり、途中で読むのをやめようかとも思った…。

  • 何かが欠けていたり、過大になりすぎている人達の話。過不足の原因は環境のせいだったり、未熟なせいだったり、恋で盲目になっているせいだったりする。

    登場人物たちに人間らしい欠点や偏見があるので、読んでいて辛いこともあるが、共感できる部分とできない部分のバランスが絶妙で、時折自分の人生のうまくいかなかった頃を思い出す。

  • 実際にあった三面記事から、膨らませて描いた短編集。私自身、新聞を読んだり、テレビニュースを見たりして、取り上げられてる事件などから、その背景などを想像してみたいということはあるけど、さすが角田さん‼️ どれも本当の事であったかのような錯覚に陥りそうでした。

全180件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×