私の男

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4623
レビュー : 984
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264301

感想・レビュー・書評

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  • 大変印象に残る本。

    読み終わった後は、結構不愉快感が残って、もうこの著者は二度と読みたくないと嫌悪したのですが、数週間経つってみるとナニゲに思い出したりして、意外と良かったのかも...とも思ったりする。不思議な本でした。

    主人公が結婚し新しい生活をスタートしたら父親が居なくなったという状況から、主人公と父親の過去を遡っていくストーリー。父親との恋愛、血のつながりなどが明かされていく。

  • 最近は定番ミステリーばかり読んでいたのですか、久しぶりに陰鬱な作品が読みたいなと思い注文してみました。


    自分から入り込むというより、この話に引きずり込まれた感じ。

    暗いくて歪んでる雰囲気が好きな私には、とてもピッタリでした。

    過去に遡っていくのも面白いなぁ。
    血の人形という言葉がずっと残ってます。

  • 気持ち悪い話なのに、どこか哀しくて純愛。

    震災によって家族全員を失った、花と、その花を25歳のときに養女として迎えた淳悟のストレートなようなな恋愛のお話。

    花の結婚から物語が始まり、そこから時代を遡っていくというスタイルも珍しい。

    最後に、淳悟がどうなかったのか書かれていなかったのがとても気になるところ。

    花が淳悟にひきとられたとき、決意したことがずっと続けばいいと思ってしまう。

  • これを読み終わって、親子ってどういうつながりなんだろうとか

    最後の終わり方が、離れてしまうことを知っているから
    さびしくなった けど、もしかしてあの終わり方で また再会することを示唆してるのかなと 思ったり思わんかったり。
    時間がたってからもう一回読むと、年齢が変わると見方も変わって また違う感想が出てきました。
    花と淳吾は親子なのかな。 親子の本質ってなんなんだろう。
    きってもきれない関係っていうところはやっぱり親子なのかな。

    あと、映画化にびっくりしました。
    桜庭さんの作品が映画化するっていうのにめっちゃうれしかったけど、どんなふうに世界観とか出てくるんだろうと 監督さんはすごいなと 来年楽しみ。

  • 話はとても面白かったのですが、記憶力の悪い私は何度か人物名が一致せずに、読み戻ったりもしました(笑)
    実父とそんな関係になるなんて…考えただけでもぞっとしますけど、この話ではそれなりにお互い思い合っていることがよく読み取れました。

  •  人の寂しさってなにもせず、なにもされずに放置すると
    こんなに深くなってしまうのだなと思った。
     生々しく、人殺しの場面もあるのに、現実感があって、
    暗いけれど重苦しさはなく、ちょっと他にない一冊。

  • 不完全な自分を埋めるかのように相手を激しく求めて、溺れていく。

  • 上手く言えないけど、この小説何か嫌!
    嫌悪感をなでくりまわされるような感覚がずっとつきまとって離れない。
    この構成じゃなかったら絶対途中で挫折してたね…。
    あー、つらかった…。

    時間にルーズな主人公花、
    二股・三股かけても何も感じてない花の結婚相手、
    実の娘を抱く父親、
    と、キャラの性格も嫌なのに、更に行動も嫌なのだ。
    花が人の話聞かないでパエリアの米粒グリグリつぶしてるシーンとか「あー、やだなー」って。
    多分狙って書いてるんだろうけど、ここまで不快感煽れるのもなかなかすごい…(涎

    物語に漂う閉塞感も二人だけの世界に閉じこもろう閉じこもろうとするねっとりした意志が働いているようで読んでいて辛い。マジで辛い。
    近親相姦、という単語使ってしまえばそれで説明がつくような繋がりではないです。
    作中に出てくる「チェインギャング」という絵画が一番しっくりくるのかも。
    離れたいのに、離れられない。

    この内容で最後まで読ませちゃう構成と、情報量の出し方はやはり見事。
    淳悟と花の出会いがラストの章にあることで閉塞感は緩和されるものの、やっぱ嫌な感じがつきまとって離れないのでこの評価にさせていただきます。つらい…。

  • 同じ表現の重複が海馬を刺激、その点においては良作。

  • 「私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。」
    この冒頭分から始まる、桜庭一樹著「私の男」。
    舞台は雨の日の銀座、並木通りで幕を開ける。

    主人公・腐野花は24歳、養父・腐野淳悟は40歳。2008年6月、花の結婚式前夜からこの小説はスタートする。

    この作品は時間軸が過去に遡っていく手法をとっている。非常に秀逸だ。
    感想を先にいう。抜群の小説作品。読み返したくなる率ナンバーワン作品だ。

    構成は全6章で花と淳悟の節目となる年ごとに語り手が変わり、遡っていく。

    第1章2008年6月、花が尾崎美郎と結婚し新婚旅行から帰ると、淳悟が消えてしまっていた。普通の小説なら、ここがクライマックスかと思われる。ここに出てくる「血の人形」、「サムシングオールドのふるびた小型カメラ」、「淳悟が捨てたあれ」が章を進むごとに明らかにされていく。場所は銀座、足立区のアパート、式場の明治記念館、新婚旅行先フィジー、目白の3LDKのマンション、足立区のアパート。

    第2章2005年11月 尾崎美郎の語り手で尾崎と花、淳悟の出会いが描かれている。「それは隠れて暮らしている」もここではまだわからない。場所は東京丸の内、そして足立区のアパート。

    第3章2000年7月 淳悟の語り手で淳悟が犯した殺人の描写から始まる。まだ淳悟がバイク便で働いている様子が描かれている。「花の肉はこの半年ほどで嘘のように、こなれた。」という表現で禁断の愛のピークタイムであることが伺える。

    第4章2000年1月 花が語り手。花16歳。北海道紋別市にいたことが判明する。しかも意外にも淳悟は紋別海上保安部勤務であったこともわかる。ここで淳悟が殺してしまった田岡がどういう関係か、小型カメラはどういうものかを知ることができる。
    花が犯してしまったこと。そして花と淳悟は紋別を出た。

    第5章1996年3月 小町が語り手。淳悟と恋人だった小町が花に対しての嫌悪感を示し、花と淳悟の狂った愛を見てしまう。そして小町の凪に風が吹く。

    第6章1993年7月 花が語り手、9歳。奥尻島の民宿を経営する父母と兄と妹。地震、そして津波。花だけが生き残り、避難先で淳悟と出会う。淳悟に引き取られ、淳悟のアパート暮らしの家から宿舎に引越しをする。


    時間が遡っているが舞台は都会→紋別→奥尻島という対比をみせる。時系列が古くなり謎がどんどん解明されていくのには、テクニカル的に非常に不思議な感じがする。

    著者桜庭一樹さん、男性だと思って読んでいたが女性とのこと。確かに生々しいシーンなどは女性的だった。

    淳悟は精神的におかしいな。やるだけやって自分も年取って、やること飽きて、嫁に出して、自分は花の呪縛から解き放たれたい欲望に駆られ、消えてしまっただけではないのかな。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

私の男のその他の作品

私の男 (文春文庫) 文庫 私の男 (文春文庫) 桜庭一樹
私の男 (文春文庫) Kindle版 私の男 (文春文庫) 桜庭一樹

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