てれんぱれん

  • 文藝春秋 (2007年11月13日発売)
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  • 本 ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264707

感想・レビュー・書評

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  • テレンパレンとは長崎地方でちゃらんぽらんの意味の方言との事。主人公の父親が見たという不思議なもの、父親はそれらを見る事で災いの源を見つけ時にそれを取り除き人を助けたという。父親は長崎の原爆の中での生き残りで、その結果その不思議な能力を手に入れたらしい。そんなテレンパランといわれる父とお店を仕切る肝っ玉かあさんとの思い出の物語に心なごみます。

  • 物静かに主人公が語る物語。
    現在と回想が交互に出ますが混乱することも無く読みやすかったです。
    幼い頃に父と見た原爆で亡くなった子供が『神さま』になった『てれんぱれん』を40年後に再び見たことから始まる悲しいけれど優しく、再生を感じられる物語でした。

  • てれんぱれんだった父親。被曝経験者だった父親。子供の神様が見えた幼い頃。加藤さんと40年振りに出会い、父の思いを知ったよっちゃん。よかった。

  • 978-4-16-326470-7 157p 2007.11.10 1刷

  • ぶらぶらしてなまけている人を非難する時に使うてれんぱれん。
    そして主人公は白抜きの不思議な存在をてれんぱれんさんと呼ぶように…

  • てれんぱれん。
    ずっと意味を勘違いしてた。

    語り口調は初めは読みにくかったけど、読み進めるに連れ、本を読んでいるというより話を聞いている感じに。
    聞こえないけど声を感じ、臭わないけど香りを感じ、見えないけど気配を感じる、そんなあたたかい文章。

    お話の内容も暖かく、優しい気持ちに。
    題名に惹かれて読んだけど、誤解も溶けたし良かった良かった( ´ ▽ ` )ノ

  • てれんぱれん、
    なんとなくぶらぶらと過ごして、なまけている人を非難するときに使う言葉。

    父は働き者の母に、よくそう言われていた。
    父の背中は大きくてやさしく、そして不思議な力をもっていた。
    やがてわたしにも、父と同じように亡くなった人の姿が白くぼんやりと見えるようになった。

    あれから時が経ち、今はもう亡き父と
    再び見えるようになった、白い人の形をした、てれんぱれんさんと呼んでいたものを目の当たりにした困惑のなかで
    よみがえる記憶に、父を、微かに強く思った。

    チヂミ食べたくなる話(何

    てれんぱれんって今で言うニートとかだよね。
    ほんのりと切なくなる話。
    てれんぱれんさんは所謂霊なんですけどね、
    見えたらこわい)^o^(

  • 「てれんぱれん」は長崎の言葉でぶらぶらしているような人、の意。原爆、生活、死んだあとのこと、遺された人のことなどが静かなタッチで描かれる。個人的に、この話をレイハラカミが亡くなった日に読んでいたことは忘れられない。てれんぱれんさんとレイハラカミ、長崎と広島がリンクしているようで。

  • 「てれんぱれん」ってなんだろう?って思って手に取った本。
    だらだらしている…とかいう方言だそう。
    あっさりと、さくっと読める作品で、結構好きでした。

  • 何よりも、この静かで穏やかでひんやりとした文章が好きだ。
    心にすっと入り込んで、消えない。
    きっと、行き場のない感情を、怒りを、苦しさを、
    ぜんぶ飲み込んでいる微笑みだ。

    てれんぱれんとしていた父の、大きな背中。
    ただ受け止めて、生きていた。決して声を荒げたりせずに。

    ストーリーよりも、全体に流れるこの空気が好きだ。
    悲しくて、優しくて、芯があって。

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