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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163265100
みんなの感想まとめ
命の輝きと癒しをテーマにしたこの作品は、鬱病に苦しむ主人公とその家族を支える猫の物語です。医師としての経験を生かし、病や死と向き合う中で感じる深い業の葛藤が描かれています。主人公が抱える苦悩の中で、子...
感想・レビュー・書評
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一緒に過ごす猫や犬に、確かに救われた瞬間がある、と
しみじみ思える人には、ぜひ手に取ってもらいたい本です。
待合室にあふれる患者を思うと、他の医者のように悠然と診察してなどいられなくて
せかされるように、ひとりでも多く、と根をつめて診察を続け
見学していた医学生に「こんな生活しとったら、長く生きられませんよ」
と真顔で言われた南木さん。
「人が病んで死んでゆく過程に付き合う仕事で生活の糧を得、
そのあまりの業の深さを世間に開示せずには生きてゆけそうもなかったから
小説を書き始めた」と綴る南木さん。
その生真面目さが呼び寄せてしまったかのような鬱病のせいで
奥さんの留守に、ついに包丁に手を伸ばし、死への衝動に身を任せそうになったとき
命の輝きをそのままかたちにしたように
ふすまを突き破って、ぽんと飛び出すのです、子猫たちが。
いつもはうるさく鳴かないのに、その日に限ってにゃーにゃー鳴いて餌をねだり
お皿に顔を突っ込んで、むせながらガツガツ食べるトラの旺盛な食欲が
南木さんの身に起こした小さな奇跡に、心が震えました。
死への衝動になんとか抗おうとする南木さんにじゃれついては繋ぎ止め
夫から目を離せない奥さんに寄り添って慰め
母をまるまる父に取られてしまう形となった子供たちの遊び相手になって
南木一家のいちばん苦しい時期を支えたトラの気配が
登場しない頁にまで感じられるような一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書中。とりあえず表現という表現があまりに丁寧で、無駄がないのに優しくて、驚嘆しながら読む。
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久々に南木さんの作品を読んだ。前に読んだ作品とかぶる設定が多い。半自伝的小説なんだろうな。
今回は鬱を患う主人公とそっとその家族に寄りそうトラのお話。
この話を読んでてふと我が家の猫も人生(?)折り返したんだな~と感慨深くなった。
南木さんは佐久総合病院の医師でもあり、作品の舞台も東信が多い。私も以前まさに佐久病院のそばに住んでいた事もあり、千曲川や浅間山の描写などを読むと郷愁を誘われる。懐かしい! -
読んでて鬱々とするけど
読み終わって何か違うもんが見えるような・・・
感情が入っていきやすい話。 -
自伝小説ならではのリアリティは感じた
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ネコがでてくるのでとりあえず読んでみた。
うーーーん、イマイチ。
「ノラや」もまだ途中なんだよね。
子猫を川に捨てるなんてことが日常なのは、都市部以外の現状なのかな。悲しいことだ。
完全室内飼いが進めばいいな。小説の題材にはしにくくなるけど。 -
200ページにも満たない本作品。
けれども、15年に渡るトラとの生活を通じて、人間の成長と老いと死を考えさせる作品。日常を率直に綴った言葉が、逆に凄く心に沁みます。 -
猫と暮らす。
楽しく、
悲しく、
おもしろく、
つまらない。
猫と暮らすそんな日々。 -
うつ病に苦しむ著者と、その影響から重苦しい空気が漂う家庭を救ったのは、家の軒下に住み着いたノラ猫だった。
ときに自殺を思い止まらせ、ときに介護に疲れはてた家族を救い、やがて子が巣立ち二人きりになった夫婦の仲を取り持った猫との生活を綴った随筆。 -
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再読です。
南木さんの小説・エッセイは芥川賞をとられた時から、ほぼコンプリート。現役の医師ならではのお話、そして、職業ゆえの(とご本人は言っておられます)鬱病患者としてのあれこれを関心を持って読ませてもらってました。
「トラや」は、もちろん、「ノラや」のもじりで、南木さんが病院住宅に住んでいたころのノラ猫たちが家猫になり、鬱病の治療を続けながら勤務する彼や彼の家族との日々のお話です。
私は理系の人は無条件で尊敬するところがあり、また、南木さんの氷の切っ先のような文章が好きだったところから、もちろん、南木さんご自身にも好感を持っていたのだけど、今回読んでみてあれ??と思ったことが。
大変失礼ながら、南木さんって、自分にも他人にも(家族も含む)完璧なものを望む、というか、こうであらねばならぬ、という結構古風な道徳観があって、そのことについて、たぶんご自身が気が付いておられないのでは?と。
自分に対して厳しいものをお持ちで、また、仕事場でもそれゆえに苦しい思いをしたり、また、言い方は悪いけど損をしたり。
そして、南木さんの奥さんは、そんな夫の自死を恐れ、気遣い、へとへとになっているのがよくわかるのだけど、(そんな中で南木さんのお父さんの介護まで!) 彼は・・?? と。 実は、身近に鬱病患者がいるのでそれがどれほど本人にとって辛い状態なのか、肉体的にもダメージが大きくて気持ちはあっても行動としては現わせないことが多い、ということがわかりながらも、いや、わかるだけに、こんな大変な時なのだから家族には、あれやこれやに完全なことを望むのはやめよう、今は一番大事なことだけをやってそれで良しとしよう、という気持ちがあってほしいなぁ、と思ってしまった・・・。
南木さんの目線は、もしかしたら、妻にも息子たちにもトラにも向いてなかったのでは??なんて言ってしまったら言い過ぎだろうか。
老いて具合が悪くなっているトラを前に、「どうするんだよ、トラが寝たきりになったら」と妻に問う南木さん。「とことん面倒を見てやりますよ。トラちゃんのおかげでどれだけ慰められたか分からないんだから」と答える妻の気持ちがとても切なく伝わってきた。
妻や息子たちに「すまない」と言っておられても、トラ亡き後に妻と2人で旅行した際、食事の後に一人でさっさと部屋に戻ってしまうなんていうささいなことが、(彼を追って廊下を走った妻が意識を失って倒れてしまう、というアクシデントがもしなかったとしても)とても気になってしまった。
こんなつもりで再読したのではなかったのだけど…。 -
なんか雰囲気がよかった。
途中でいなくなったシロがあっさり触れなくなって、ちょっと寂しかった。 -
自分の環境に重ね合わせて辛くなりつつも読むのを止められなかった。いつかくる別れを覚悟しつつ、今のにゃんことの生活を大切にしようと再確認した
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猫好きは涙なしに読めない。
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随筆かと思ったけれど、小説になっていた。私小説?筆者がお医者さんで、精神的に一時病を抱えていたのは事実らしい。淡々としているが良く考えると怖いものが。ねこ、えらい。
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うつ病に苦しむ主人公とその家族が、軒下で泣いている猫に出会い、
仕方なく家族の一員として迎えたのだが、
意外にも、その猫・トラは、自然と家族になじみ、
病気の主人公の心を癒していくのだった。
机の上の原稿用紙の上に、どさりと座り込むトラ。。。
それを、仕方ないなぁ。。。とながめる主人公。
新築の家には、猫の玄関まで作り、
帰ってこない日は大騒ぎ。。。
足を引きずって帰ってきた時は、
「脳梗塞じゃないか?」とのたまう主人公。
ほのぼのとした日々が流れ、
何気ない猫のしぐさが細かく描かれていて、
そうそう、そんなしぐさ、したっけなぁ。。。などと、
猫好きにはたまらない観察力です。
そして、別れの前日のトラの行動には、思わず涙。。。
この本を読んで、益々、猫が飼いたくなってしまいました。
私の満足度★★★★☆
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h21.01.08 内田百?の「ノラや」を思い出す。氏の文体を辿ると、往時の思いが甦る。妻が犬のジョンの死を泣きながら電話で伝え、ぽっかりと虚空の時を過ごしたこと。半年経たずして、中庭に来た生後まもない痩せ細った迷いネコを家に上げるのに何のためらいもなかったこと。爾来8年、ももは老夫婦の間にあって和やかな生活を演出してくれる。
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うつ病に苦しみ、老父の介護に疲れた「私」のもとへ現れた野良の仔猫。トラや、おまえがいたから、「私」と家族は生き延びられた!
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2008.01.14読了
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