メフェナーボウンのつどう道

  • 文藝春秋 (2008年1月11日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784163266206

感想・レビュー・書評

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  • 実務に追われる日赤救護看護婦を手伝っていた現地のビルマ人看護婦が全員解雇された。英印軍の攻勢により、ラングーンの兵站病院に撤退命令が出されたのだ。約三〇〇キロの道を歩いていく看護婦、傷痍兵、在留邦人、そして、ビルマ人。さまざまな偽りを胸に進む、撤退道の先には―。

  • 女性が主人公だけど、主人公に据えるにはしっかり人格が無くちゃいけないわけで、その点この人の他の本よりは安心して読めた。
    けど出てくるのが白衣の天使と良妻賢母と売女ってわかりやすすぎるよ…参考文献も天使ばっかだし。
    と、思ったんだけど、一応の理解があったからまあ他の本よりはマシか。
    やっぱり古処誠二の女性の書き方(人格というより扱い方)はあんまり好きじゃない。

    そういうところを除いた感想でいうと、だから嫌なんだ戦争は。の一言でいけそう。
    あわせるとか、あわせないとか。
    あわせることの必要性はわかるけど、みんながそうしちゃったからこんなことになっちゃってるわけで。

  • 小乗仏教の温情に満ち豊かなビルマの土地と、感情を押し殺し看護婦としての誇りも捨てながら撤退しなければならない主人公達の逃避行の対比が鮮やか。そしてビルマ人にも看護婦達にも兵士達にも慰安婦達にも一面的には語れない複雑な内面がある、という当たり前だけど見過ごされがちな事実に、愚直に残酷に冷静に執拗に光が当てられていく。正邪の区別の無い多面的な描き方が見事。

    (200801)

  • 2008/01/20読了

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回「毎日出版文化賞」、翌年同作で第71回「日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞。著書に『ルール』『七月七日』『中尉』『生き残り』などがある。

「2020年 『いくさの底』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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