夜を着る

  • 文藝春秋 (2008年2月18日発売)
3.14
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163267500

みんなの感想まとめ

旅をテーマにした8つの短編が収められた本作は、筆者の独特な視点を通じて、旅先が持つ一時的な美しさと切なさを描き出しています。収録された物語は、いずれも登場人物たちの心の奥に潜む曖昧な感情を巧みに表現し...

感想・レビュー・書評

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  • 旅や移動にまつわる八編の短編。
    付き合っている彼女に二度目の中絶をさせたあと、ドライブする話や、大学卒業旅行中に友人が付き合っていた教授が事故死したことを知る話など、ため息をついてしまうようなストーリーばかりだった。
    個人的な嗜好を言わせてもらうと、ため息をついてしまうような話がとても好きだ。

    妻子がいるのに教え子に恋をしたものの、教え子に逃げられた哀れな大学教員の話。『終電は一時七分』について書く。

    (簡単なあらすじ)
    殺した女を自宅敷地内に埋めて、七年間過ごして捕まった男の家を見に来た五郎。恋仲だった教え子の紹子には逃げられ、もちろん妻子には拒絶され、ボロボロの状態のはずが、五郎はまだ演技をしているようだった。死体が埋められていた家の前で出会った女が五郎を誰かと間違えたとき、五郎はその男になりすました。なんとなく新聞記者のフリもしてみる。

    (簡単な感想)
    いまの自分は本当の自分じゃない、みたいな態度だから教え子にも笑いものにされて、奥さんお子さんとの関係もめちゃくちゃになってしまったんじゃないかな。日常的に演技ばかりしてると、演技している自分が普通の状態になってしまったりするのかもしれない。そんなふうに思う。

  • 旅にまつわる8つの話が収録された短編集。
    筆者にとって旅先は「いずれは立ち去らなければならない場所」「もう二度と来れない場所」だった、という背景を知ると、8つの物語から感じていた逃避感の理由がわかった気がした。
    あとがきを読むのが一番楽しかったかも。

    <収録作品>
    アナーキー/映画的な子供/ヒッチハイク/終電は一時七分/I島の思い出/夜を着る/三日前の死/よそのひとの夏

  • 井上荒野さんは自分でもわからないような曖昧な感情の描き方が本当に上手いと思う。
    登場人物と一緒に心のありかを探っているうちに荒野ワールドに入り込む。
    そして唐突に物語は終わり、夢から覚めたように私一人がそこに立ち尽くしている。
    えもいわれぬ読書体験をさせてもらえる幸せ。

  • 旦那の尻尾を掴んでやろうぜ――スイミングスクールで知り合った美穂と秋郎は東北へと向かう。
    (アマゾンより引用)

    この旦那嫌なヤツだったな

  • よくまぁ、これだけのシチュエーションの男と女の話があるもんだ。
    世の中の人たちって、こんなにたくさんの経験があるのかしら……と錯覚してしまう。
    小説家ってすごいなぁ……

  • 旅にまつわる短編集。人が旅に出るのには理由がある。それが小旅行であろうと、あてのない流浪の旅であろうと。晴れていようと、曇っていようと。孤独であろうとも、そうでなくっとも。人生と同じように、すすむ。でも、何かを見つめ直すのにはいい機会だなぁ、と改めて思った。

  • なんとも摩訶不思議なタイトル... と同じく何気ない日常の一コマなのになんだこの非日常的な感じw

  • 短編8つ。
    二度目の堕胎帰りのカップル、不倫相手からすすめられた島に母と一緒に旅行した思い出、浮気相手の死を恋人たちとの旅行中に知った女など。
    どの話も陰鬱な印象だった。
    相手とわかりあえない苛立ちから突飛な行動をとってしまったり、それでも思い切り良く突き進めずにうやむやにしてしまったりするかんじがリアル。

  • 井上荒野さんの作品を読むのは初めて。短編集。名前は荒野(こうや)と読むのだとずっと思っていたけど、(あれの)さんだったのね。
    自分としては、小説でもあまり男女の恋愛モノが好きではない。中でも不倫とか浮気とかを美談にしたドロドロ劇場は読んでいて不快感しかないから嫌い。この作品は純粋に恋愛モノってわけではないだろうし、テーマはもっと違うところにあるのだろうけど、節々に垣間見える男女の関係が自分としては苦手分野にあって幸先不安を感じた。でも、じっくり読んでみると、その恋愛模様も含め意外と気持ちよく読めた。現実的で決してハッピーエンドで終わらないところも良かった。装丁もなんとなくクラシカルな感じがあってイイネ!

  • 一度読みたいな、と思っていた作家さんで図書館で見つけたので借りてみました。
    読んでいてすごく感じたのが、主人公が不幸な女性ばかり。
    他の方がレビューで書いていたとおり、「曇り空」な作品。
    私は嫌いではないです。
    文章も読みやすく、きちんとした文体で書かれていて、他の作品も読んでみたいと思う

    「アナーキー」「映画的な子供」「ヒッチハイク」「終電は一時七分」「I島に思い出」「夜を着る」「三日前の死」「よそのひとの夏」8編からなる短編。
    どの話の女性も少し不幸で、男性はデリカシーがなく最低。
    後ろから3作は改題をしているみたいだけど、改題後の方がいいタイトルになったと思う。
    「映画的な子供」「夜を着る」「三日前の死」が好き。

  • あとがきが気に入ったから手元におきたい

  • 旅にまつわる8短編。

    2度目の堕胎をした彼女とのさびれた街での喧嘩

    自由な校風のわりには細かい規則が設けられた高校に入学したしぐれ

    母の葬式の帰りにヒッチハイクをしていた青年と出会って
    自分も似たようなことをしてみた治子

    殺人事件の現場の街で、妻にも交際していたと思っていた学生にも捨てられた夜

    母と行った沖縄での思い出

    隣人の夫と、自分の夫の不倫を確かめようと行った先で。

    卒業旅行でのパリでの出来事

    父の葬式に来ていた、かつて父と関係があったであろう女の人の影

    読みやすい)^o^(

  • 20120509

  • めずらしく夫の光二が十二時前に帰ってきた夜、深夜に呼び鈴な鳴りはじめた。

  • 旅をテーマにした短編集。旅と言えば楽しい、と思いがちですが・・・。タイトル、装丁の雰囲気からして、そんな感じではなく。とつとつとした、静かでひんやりした内容ばかりが目立つかな、と。

  • 続けて読んだので、あまり印象に残らず。
    短編だから余計かも。
    面白くないわけではないけど、相変わらず曇り空のようなストーリー。

  • タイトルどおりの雰囲気、暗い!この人「改題」が多くておもしろい。

  • あとがきで旅、と見て、ああそうなのかと意外にも。
    やや食傷。このひとらしい独特の表現で昇華してあれど二番煎じ感は正直いなめない。

  • 男になぜか雑に扱われる女性たちの短編。
    どれも登場人物たちが情けない感じだけれど、嫌いではなかった。
    「映画的な子供」って話が結構好きだった。
    繰り返しまた読むかってところが自分の本への評価なんだけれど
    これはもう開かないかも。なので☆は3つ。

  • 旅にまつわる短編集。
    「映画的な子供」古い遊園地のある街の雰囲気がよかった。
    「終電は一時七分」袋小路。何やってんの大学教授。ヒヤヒヤしながら読んだ。
    「夜を着る」曲名。悲しい夫婦たちだった。結婚して3年でめちゃくちゃて。
    「よそのひとの夏」父親の愛人美羽子が別荘で所在なくいるのが気持ち悪かった。
    母親が呼んだんじゃないだろうか。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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