- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163268200
感想・レビュー・書評
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岩井さん得意の室町時代後期の楽しいお話。昔の人も大変だったのだなあとしみじみ感心。
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面白い
けど、不満がないこともない。
題名が『~陰陽師』なので、彼が主人公で活躍するのかと勘違いしたこと(副題山科卿醒笑譚や帯の文句を見た時に、題名との違和感は感じてはいたケド)。
もひとつは、完全なサブキャラだった、山科家の下女で『白地の小袖に柿色の前垂れをつけていて、よく見るとふくよかな若い女である。小袖は裾短で、ちらちら見えるふくらはぎがなかなか色っぽい』常夏の出番と活躍をもっと読みたい! -
うはー、おもしろかった! この著者の本を読むのは初めてでした。新聞の新刊広告を見ておもしろそうだと思い読んでみたんですが、大当たりです。
短編集だというのは読むまで知らなくて、このタイトルから勝手に、山科卿っていう陰陽師が主人公なのかと思っていたんですが、そうではなかった(よく考えてみれば「卿」とある時点で違うんだけど)。主人公は短編ごとに違っていて、いろんな立場の人々の視点から書かれています。つまり本書のタイトルはひとつの短編のタイトル。この表題作のほか、「日本一の女曲舞」、「雑色小五郎の逆襲」、「鞠を高く蹴りあげよ」、「天下無敵のだんまり侍」の全5編が収録されています。
そしてこれらの話に必ず登場するのが、山科卿(山科言継という貧乏公家)と、その家来の大沢掃部助なのです。この掃部助がね、良いヤツなんですよー。登場シーンからしてクスクス笑っちゃいました。良いヤツなんだけど抜けてるっていうか天然っていうか、でも最後にはすべて丸く治めてしまうという、不思議に魅力的な人物。山科卿がまた飄々としていて、スキあらば香薷散という<気を爽やかになし、霍乱や脚気にもよろし>薬を売ろうとするのが笑える。まさしく帯にあるとおり<傑作ユーモア時代小説>であります。
あたしも掃部助とお友達になっときたいわあ。薬はいらないけど。
これホントおもしろかったので、この著者の他の作品も読みたいと思ってます。
読了日:2008年5月17日(土) -
なかなか・・面白い〜戦国時代の公家・山科卿も武士の勢力に圧されて貧乏を強いられているが,荘園を取り仕切るための青侍を抱えている。その一人,大沢掃部助は勘定下手だが,他人に手を貸し,小遣いを稼いでいる。仕事のない陰陽師に河原で踊りながら病気平癒の祈祷を持ちかけたり,女曲舞に帝のお墨付きを貰うのに御所での競い合いを企画したり,潰れそうな百姓家の婿に雑色をあてがい,御所の塀を直す費用を出した織田への礼を言う遣いを蹴鞠で決めたり,領地を失った鉄砲名人に他の生業を世話しようとしたり〜公家の暮らしや戦国時代の風俗を巧く書いていて面白い。公家や公家の家人,陰陽師,曲舞,蹴鞠,鉄砲・・・鉄砲遣いだけは世話にならずに身を立てる道を発見したが
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タイトルで選んだので、ちょっと肩透かしを食らった感があるけど、まずまず。話の終わり方の後味はこの人の持ち味なんでしょうか。他のも読んでみようかなと。
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陰陽師中心の短編集かと思いきや違った。
オススメの新刊でピックアップしたけどボチボチでした。
著者プロフィール
岩井三四二の作品





