踊る陰陽師: 山科卿醒笑譚

著者 :
  • 文藝春秋
3.22
  • (1)
  • (6)
  • (14)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 47
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163268200

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戦国時代。足利義輝から織田信長の登場あたり。
    山科言継とその青侍。市井の苦労を面白おかしく。

  • 読み終えました。
    ほとんどの作品の後味があまり良くない、放りっぱなしな印象を受けてしまった。天下無敵のだんまり侍は良かった。私と同じこと悩んでなさる。人の悩みは意外と時代問わず共通なのかもしれない。
    室町時代後半とのことで、あの時代は目立つ人がいなくて、歴史に埋もれた民衆を描くのはすごい、と思います。
    日本一の女曲舞が読みたくて借りたのですが、曲舞が終わったあと観客が拍手してたのが気になって気になって仕方がなかった。演劇、演奏の後の拍手って、明治期ごろに入った文化ですよね?文庫では直ってるのかな。曲舞はわからないけど能とかだと拍手はマナー違反と唱える方もいらっしゃるので。幽玄の世界が邪魔される、と。
    もちろん「現実世界ではありえないファンタジー」をあえて書くこともあるけど、それとはなんか違うような気もしたので。

  • 岩井さん得意の室町時代後期の楽しいお話。昔の人も大変だったのだなあとしみじみ感心。

  • 面白い

    けど、不満がないこともない。

    題名が『~陰陽師』なので、彼が主人公で活躍するのかと勘違いしたこと(副題山科卿醒笑譚や帯の文句を見た時に、題名との違和感は感じてはいたケド)。

    もひとつは、完全なサブキャラだった、山科家の下女で『白地の小袖に柿色の前垂れをつけていて、よく見るとふくよかな若い女である。小袖は裾短で、ちらちら見えるふくらはぎがなかなか色っぽい』常夏の出番と活躍をもっと読みたい!

  • うはー、おもしろかった! この著者の本を読むのは初めてでした。新聞の新刊広告を見ておもしろそうだと思い読んでみたんですが、大当たりです。

    短編集だというのは読むまで知らなくて、このタイトルから勝手に、山科卿っていう陰陽師が主人公なのかと思っていたんですが、そうではなかった(よく考えてみれば「卿」とある時点で違うんだけど)。主人公は短編ごとに違っていて、いろんな立場の人々の視点から書かれています。つまり本書のタイトルはひとつの短編のタイトル。この表題作のほか、「日本一の女曲舞」、「雑色小五郎の逆襲」、「鞠を高く蹴りあげよ」、「天下無敵のだんまり侍」の全5編が収録されています。

    そしてこれらの話に必ず登場するのが、山科卿(山科言継という貧乏公家)と、その家来の大沢掃部助なのです。この掃部助がね、良いヤツなんですよー。登場シーンからしてクスクス笑っちゃいました。良いヤツなんだけど抜けてるっていうか天然っていうか、でも最後にはすべて丸く治めてしまうという、不思議に魅力的な人物。山科卿がまた飄々としていて、スキあらば香薷散という<気を爽やかになし、霍乱や脚気にもよろし>薬を売ろうとするのが笑える。まさしく帯にあるとおり<傑作ユーモア時代小説>であります。

    あたしも掃部助とお友達になっときたいわあ。薬はいらないけど。

    これホントおもしろかったので、この著者の他の作品も読みたいと思ってます。

    読了日:2008年5月17日(土)

  • なかなか・・面白い〜戦国時代の公家・山科卿も武士の勢力に圧されて貧乏を強いられているが,荘園を取り仕切るための青侍を抱えている。その一人,大沢掃部助は勘定下手だが,他人に手を貸し,小遣いを稼いでいる。仕事のない陰陽師に河原で踊りながら病気平癒の祈祷を持ちかけたり,女曲舞に帝のお墨付きを貰うのに御所での競い合いを企画したり,潰れそうな百姓家の婿に雑色をあてがい,御所の塀を直す費用を出した織田への礼を言う遣いを蹴鞠で決めたり,領地を失った鉄砲名人に他の生業を世話しようとしたり〜公家の暮らしや戦国時代の風俗を巧く書いていて面白い。公家や公家の家人,陰陽師,曲舞,蹴鞠,鉄砲・・・鉄砲遣いだけは世話にならずに身を立てる道を発見したが

  • タイトルで選んだので、ちょっと肩透かしを食らった感があるけど、まずまず。話の終わり方の後味はこの人の持ち味なんでしょうか。他のも読んでみようかなと。

  • 陰陽師中心の短編集かと思いきや違った。
    オススメの新刊でピックアップしたけどボチボチでした。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩井三四二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×