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Amazon.co.jp ・本 (136ページ) / ISBN・EAN: 9784163270104
みんなの感想まとめ
女性の身体や生きる重圧をテーマにした短い物語が描かれています。大阪から東京に遊びに来た姉とその子供の出来事を通じて、壊れそうな母と受け入れられない娘の葛藤が浮き彫りになり、苦しさや後悔、変わりたいとい...
感想・レビュー・書評
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なんのことやわからんのやけど、なんか胸に引っ掛かってくる話。
芥川賞受賞作は、何を言うてるのかわからんことある。
火花はおもろい。又吉は大したもん。
と書いてみると、大阪弁のように聞こえてくるのかな。
本の帯には、「最適な量の大阪弁を交えた口語調の文体が巧みで、読むものの頭の中によく響く。」とあります。
読みやすいかどうかはともかく確かに大阪の女性を想像しました。
大阪から姉と姉の子が、東京に遊びに来る。そして帰る。出来事はそれだけ。短い物語ですが、壊れてしまいそうな母とそれを受け容れられない娘のやりとりを通じて、[女性]の身体をもって生きる重圧が描かれているように読めます。
どうにもできなかった苦しさや後悔、今を変えたいと願う焦り、人を傷つけてしまう怖さと、後ろめたい自分への怒り。
冷蔵庫の食べきれない卵が作品のテーマを表しているようでした。
共感は難しいのですが、『ほんまのことなんて、なんにもないこともあるんよ』という言葉に、地に足をつけて生きる難しさを感じました。 -
Audibleで聴きましたが、テンポよく流暢な大阪弁のナレーションが本当に素晴らしかった!
I listened on Audible, and the well-paced, fluent narration in Osaka dialect was absolutely fantastic‼ -
『ヘヴン』以来2作目の川上未映子さん作品。
純文学はやっぱり難しいですが、『ヘヴン』より読みやすかった気がします。
女性ならではのあれこれがテーマになっていて、「なんかわかるこの感覚!」みたいなのが色々な角度から押し寄せてきました。
表題作「乳と卵」で、生理についてすごく色々考える緑子という子供が出てきます。
自分が持つ違和感をとことん突き詰めていて、かといって答えは出ず沼にハマっているような、この感覚が純文学らしさなのでしょうか… -
2つの短編。「乳と卵」は、自分は一生卵子を使うことがないのかもと悩む主人公と、胸にコンプレックスがあって豊胸手術を受けたい巻子、生理のことで悩む巻子の娘の緑子で形成される。
タイトル通りだが、思春期の緑子のいろいろ考えているのにうまく言葉で言い表せないぐるぐるした思いや、3人の関係がもどかしいやら、続きが気になるやら…。そしてなんの解決もなかったが、人生の1ページなのだなという感じだった。
次は関係あるのかと思ったが、「あなたたちの恋愛は瀕死」というタイトルで前作とは関係なく。
びっくりするくらい悲惨な話だった。
瀕死というか悲惨と思った。 -
勢いよく流れ込んで来る言葉と文章たち。
女性が抱えている運命に対して、何かを訴えかける。
心の中で思っていることを全て文章に起こすのは本当に難しく、それができたらどんなにすっきりすることか。
でもそれを彼女はいとも簡単にしてしまう。
感情の波の洪水が流れ、押し負かされそうになるような圧倒的な作品。 -
「夏物語」の前にこの作品を読まなくてはと思って読み始めました。が…とにかく読みにくいので、内容が入ってこず…結局どんな内容だったのかよくわからないまま読了しました…。豊胸手術…あまり考えてもみなかったことだからかもしれないけれど(汗)。芥川賞受賞作って独特な作品が多いのか…漠然とそんなことを感じました!
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自分が異性ということもあるのでしょうが、表題作「乳と卵」は面白かったです。
母娘の上京というシチュエーションの中で、母の豊胸手術への高揚感と、初潮前の娘が感じている卵子というものが繰り返す、存在していることへの虚無感がうまくミックスされて、その大阪弁の思考言葉?の語り口表現がよく活きていたのではないかと思います。
母・巻子はどん底に近い生活の中で娘を育てながら豊胸手術に熱中している。娘・緑子は口を利かずノートでの筆談でしか会話をしなくて、日記に自らの不思議な思いを綴るのみ。そして、上京先の母の妹=叔母は、そんな2人を眺めている。
銭湯?での乳房品評のシーンや月経のシーン、そしてジェンダー論もどきなど、これでもかという具合に女性の身体を題材に様々な角度から、時には滑稽に、時には細部にわたるリアリティさで描写する様はとても面白かった。緑子の日記での思考でシーンを区切る趣向も良かったですが、思考が駆け巡る一文の長さや、体言止めの文など作者の文章表現の変幻自在さも魅力的でした。
最後の卵割りの場面で何もかもが融合していく様は、何が何だかわからない一方で(笑)、妙にのめり込ませるシーンでもありました。それまで鬱屈していた女性たちの感情のほとばしりが楽しかったのかな?(笑)
併録は「あなたたちの恋愛は瀕死」で、もてない女性の抑圧された思いが、道でテッシュを配る男性を接点に、行きづりの交際の魅力で解放される物語。化粧をした自らの姿を視るという女性ならでは(?)の心の動きが楽しめた。 -
以前読んだ記憶があります。本屋の店頭に並んでいたので再読。何年か前には読みづらさが気になり、漠然とした印象でしたが、時間をあけての再読は文体も含めて主人公、姉、姪の少女の思いが同時に渦巻いて読み手の私に押し寄せてくる感覚があり、なんというか今更ながら新鮮な読書体験でした。三人の割り切れない気持ちが溢れてて「そうかー」と冷めた私がこちらから見てる感じ。
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なに、この本。
独特な文体で、引き込まれていって、そうしたらぱっと急に手を離されたように終わってしまった。
私だけが、本の世界に残されてしまったかのよう。 -
こんなに物事を深く考えたことなかったな…と川上さんの作品を読んでいると気付かされる。
なんだかおかしいな、なんでこうなんだろう?のその先へ連れて行かれるような内容で、どんどんいろんな作品を読んでみたくなる。 -
夏子の家に遠い関西から泊まりに来た巻子と緑子。母である巻子の目的は東京で豊胸手術を受けることで、思春期の娘である緑子はその旅行についてきた形。夏子は巻子の妹、緑子の叔母になる。緑子は精神的に追いつめられていてうまく喋ることができず、ノートにペンで書いて喋る。
『わたくし率イン歯ー、または世界』の小気味よいリズミカルで、むき出しといった感じの文体よりかは幾分穏やかになっているが、抑制された中にも作者の伝えたいことが乳と卵ではより鮮明に伝わってきた。登場人物がしっかりそのメッセージを伝える役割を果たしているし、ラストのカタルシスに繋がっていた。
乳房についてのコンプレックスだったり生理の話は単純に読んでいて面白かった。そういった年老いて感じる悩みや思春期の悩みを絡ませながら、生まれてくることの取り返しのつかなさを伝えようとする。それがほんとうまいバランスで結実している。
生について考え抜く著者の姿勢に、作家としての厚みを感じた。芥川賞は結構読んできたけど個人的には本作は傑作だと思った。川上未映子は面白いなとすでに大好きになってしまった。まだまだ彼女の小説は読んでないものがたくさんあるのでこれからも楽しみだ。 -
目に見える乳と、目には見えない卵。自分の「女の体」が気持ち悪く思えてきて、でも、理解のできる気持ち悪さだとは思った。
文章としては読みやすい。でも好みではなかったかな。 -
意図的に描かれる不快感。生命の象徴ともいえる卵と乳のイメージが繰り返されるが、強まるのはどろりとした生々しさ。未熟さが鼻につく思春期の少女と、見苦しく老いた母親。そして生理。嫌だな、気持ち悪いな、と思いながら、なぜ気持ち悪いと思ってしまうのだろうか?と考えさせられてしまう。女の生と死、女が産む生命というもの、その生の感じをお出しされると、なぜ人は尻込みしてしまうのか。
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女性の身体や月経について、少女の戸惑いをとおして語られる。少女は自分を産んだ母の言動や仕事から女性を取り巻く社会を見ている。女性性をプラスに受け止められる女性は多くないかも知れない。
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生々しく、痛々しく、少し血生臭い匂いがしつつも同時に瑞々しい女性性の物語。
巻子の豊胸手術、取り留めのない多弁さ、咳止め薬(ブロン?)依存、ダブルバインデッドなコミュニケーション、母子家庭、大阪。
その巻子の娘である緑子の緘黙、初潮、ナプキン、母親への同一化拒否、空虚感、見捨てられ不安・・・
これら全てが嫌な予感しかしない。
この物語に漂う血の匂いに耐えられない男性も多いかもしれない。
この嫌な予感と漂う血の匂いに臆病な男性である私はなんだか怖いような感じがしてぷるぷる震えてしまう。
思春期特有である(かどうかはわからないけども)どこか身体の成長とこころが足並みを揃えられていない感覚、特に身近な同性である親に同一化を見いだせない場合はより強く、身体という器とこころが別のように感じるのだろう。
それが、この作品の卵だったのかもしれない。
白くて丸みを帯びている様は女性性を現しているようにも見え、そして卵を有していて産めるのもまた女性だけの特権であり枷、呪いなのかもしれない。
終盤、緑子は大きな泣き声とともに、パックのたまごを自分のからだにぶつけつつ巻子を責める。
巻子も同じように卵を自分にぶつけて応える。
このシーンこそ、緑子が自分の方を破って緘黙という身体から解放されたことであって、巻子にとっては緑子をもう一度出産している感覚の追体験だったのではないか。
人は生まれた時、どろどろしている(らしい)し、大きな声で泣く。
思春期を迎えてこの母子は再び生まれて子となり、親になったのかもしれない。
この体験で母子は救われたのかもしれない・・。
こんな事を考えると涙がでそうになり、またぷるぷる震えてしまった。
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『すべて真夜中の恋人たち』『黄色い家』から流れつきました。芥川賞。テーマは興味あるけれど止まっています。
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独特の文体であるが、手を伸ばせば届きそうな、というか、目の前で繰り広げられているような、生命感がある。内面に迫ってくる。素晴らしい。
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独身の"私"と、”私”の巻子。その娘で、思春期まっただ中の緑子の3人の物語。
私自身の母と巻子が重なり、思春期の私と緑子が重なった。
♡ブログにて詳しいレビューしています♡
https://happy-books.hateblo.jp/entry/books-tititoran
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著者プロフィール
川上未映子の作品
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