スノウブラインド

  • 文藝春秋 (2008年6月27日発売)
3.09
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163271101

みんなの感想まとめ

物語は、最初は複雑に感じられる展開が続きますが、後半に向けて一気に盛り上がりを見せます。最初の印象とは裏腹に、後半の超展開や予想外のトリックが読者を引き込み、最後には納得のいく結末が待っています。特に...

感想・レビュー・書評

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  • 孤立した洋館、完全な密室、あー定番のそういう感じね……と見せかけての!
    仕掛け自体は変な話「アンチミステリにまあまあありがちなやつ」って印象ではあったのですが、幻想的・悪魔的なモチーフの活かし方がすごく上手くて読み手のこちらまで物語世界に捕らわれてしまいそうな雰囲気が素敵でした。

    なんていうか、見え見えのトリックで目を眩ませて本当のトリックを隠してる部分がさすがだなーと思った部分があって(いくらネタバレフィルタかけてるとはいえあんま大っぴらにしたくない)
    騙されながら読む読書体験が好きな人はとても楽しめると思います

  • スノウブラインド

  •  倉野憲比古『スノウブラインド 』読了。
     不気味な伝承の残る土地に血塗られた歴史のある館。ドイツ現代史の権威ホーエンハイム教授の邸宅、蝙蝠館に招待されたゼミ生達は、吹雪で外に出られない状況で、殺人事件に巻き込まれる。
     三大奇書に通じる衒学趣味と酩酊感は、その筋の愛好家には大好物だろう。作中でも夢野久作の『ドグラ・マグラ』や小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』に触れており、明確に三大奇書を意識している。特に初期乱歩や夢野久作へのオマージュ感は重厚な演出として舞台を作り上げている。
     フロイトの精神分析が物語の非常に大きなポイントとして扱われている点も好きな点だった。しかもそれがナチスや魔女裁判にまで関連するとは面白い。魔女についての知識や今や古文書と言っていい『魔女に与える鉄槌』なんかにも言及する主人公がなかなかいい。古典心理学も魔女も興味があって初歩的な知識は持っていたので非常に楽しめた。
     ホラー映画を時々紹介してくる登場人物も魅力的だ。なかなかいい趣味だなとニヤリとする。
     物語の前半は吹雪の館と奇妙な住人、そして起こる殺人事件、とオーソドックスな古典ミステリの体裁を取る。しかし次第に歪み始める世界観は読者を「浮遊」させる。読者の違和感はなかなか正体を掴ませない。結末は一見地味ではあるものの、物語全体に施された技巧と構成美は、切り捨て難い引っかかりとなって読後も心を騒つかせる。良い読書だった。

    詳細レビューはブログにて
    https://x0raki.hatenablog.com/entry/kuranonorihiko%EF%BC%BFmatome

  • 最初の方がゴチャゴチャしてて難しい本だった。
    最後は面白かった。

    バラバラに

    解体して




    …。

  • 葉桜やイニラブを引き合いにした帯に惹かれて手に取ったのだけど、正直期待外れだったかな。とは言え、後半の超展開やその意気込みが魅力的で、嫌いにはなれない不思議な作品。

  • 「お約束」のあのトリックの匂いがぷんぷんしていたので身構えていましたが、「え、そっち!?」と思ってしまった私はたぶん罠にはまってしまったのでしょう……。後半の超展開を受けてのラストは、ある意味落ちるべきところに落ちたという感じでむしろ納得。

  • 後半いまいち

  • 雪に閉ざされた館、当然のように起こる殺人、精神論、魔女学、そして悪魔憑き……なんてまあ私好みの要素が揃っていることか! 静まりかえった冬の夜中にとっくりと読みふけりたい一冊です。
    途中でこれはいったいどういう物語になっちゃうのか危惧しましたが。読み終わってみると、文句はなしにミステリでした。示唆的な要素の数々も、それと分かって初めて驚愕。ありがちなあのトリックにも、予想したのと違う方向から引っかけられたような。そしてタイトルの意味にも納得。いわゆる王道の謎解きミステリとはやや違うけど、こういうの好きだなー。

  • ミステリーとして読んで、読み終わって驚きました。
    ミステリーの分野でここまで心理学の要素を取り入れられているとは。
    心理学を学び始め、トラウマを勉強したために魔女裁判にも興味があったので、この本を書くのにどれだけ努力されたのかと思うと並々ならないものであったのだろうと思う。
    これがデビュー作と聞き、次への期待は大です。

  • 雪の山荘で起こる狂気の不連続殺人

    3回殺される男

  • 「葉桜の季節に君を想うということ」「イニシエーション・ラブ」の次はこれを読め!
    と帯に書いてあったので読んでみたんですが、その2作品とは全然違うと思いました。
    結末も驚天動地とまでは言いがたく…(途中から何でもアリになってしまって、もはやどんな展開も驚かなくなる)

    ただし、帯にある2作品の系統の本格ミステリとして読まなければ、結構楽しめる作品でした。それはそれ、これはこれ。
    最初あまりに登場人物が少なくてミステリとしてどうなるのかと思ったけど、なかなか意欲的な展開になって、トリックの微妙さ・世界観の薄さを勘案しても、全体的には面白く、最後まで読ませる力はあると思う。
    私のような素人からすると、合間に語られる心理学とか精神分析の話はすごく興味深く読めたし、ミステリじゃない部分の評価のほうが高いかも。

    ラストに不満があるものの、デビュー作ということも考えて、作者のやる気におまけの★4つ。(ほんとは★3.5のところ)



    「黒死館なんて、作り自体は普通の探偵小説と変わらないけど、あのブッ飛び具合は他の追随を許さない。だって名探偵法水が何を言っているのか、読んでるこっちは全然理解できないんだから。でも物語はどんどん展開し、荘厳なカーテンフォール…一体何がどうなったのか、読者はアゴを外したまま置き去りだよ。読者をあそこまで突き放しているのに、なぜだかとてつもなく面白い。なんだかわからないが凄いものを読んだって感じでゾクゾクする。
    この面白さって、難解なものを珍重するスノッブ精神のせいかとも思ったんだけど、どうもそうでもないみたいなんだ。うーん、どう言ったらいいんだろう。右も左も高く堅牢な壁に取り囲まれた、絢爛たる犯罪迷宮に、ぼんと孤独に放り出されたような、言ってみれば迷子の感覚というべきかな。『黒死館』『ドグラ・マグラ』は、この迷子の感覚が味わえるよね」

    「すべてのものは原初の形態、つまり無機物へと回帰する。探偵小説においては、解決篇というかりそめの緊張低減ではなく、本来の状態――?未解決のままの混沌とした謎?という地点まで大きく戻らなければ、ウソだと思う。この世界は、いつだってわけのわからない謎また謎に充ち満ちているんだからね」

    すべての有機体が、本来の無機的状態に回帰する基本傾向=涅槃原則

    「人間の手によって産み出された探偵小説も、ひとつの芸術的有機体としての生命を持つならば、謎から解決へと直線的に進むのではなく、さっきも言ったように、謎からまた謎へと円還していかなければならない。これが探偵小説にあるべき、究極の涅槃原則だよ。すべてが直線的に進まねばならないというのは、近代的思考の誤謬以外の何ものでもないよ」

  • 驚異の新人による超異色デビュー作!
    ホーエンハイム教授の別荘に招待されたゼミ生たちを襲う連続殺人。「雪山の山荘」の殺人劇がついに到達した驚天動地の結末とは?

  • ミステリーっていうジャンル内での外れ値的な立ち位置。
    これは良い意味で。

    心理学・魔女裁判・映画に精通している人が読むと、ぉ!っと思うような細工がいたるところにあります。

  • 2008/07/07読了

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著者プロフィール

一九七四年、福岡県大野城市生まれ。立教大学文学部卒業。公認心理師。二〇〇八年に『スノウブラインド』でデビュー。古典的探偵小説とB級ホラー映画への愛、心理学の知識が横溢する独特の作風で知られる。

「2021年 『弔い月の下にて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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