還るべき場所

  • 文藝春秋 (2008年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784163271200

みんなの感想まとめ

登山をテーマにしたこの作品は、登山者たちの心の葛藤と成長を描いた感動的な人間ドラマです。過去のトラウマを抱えたクライマー、還暦を迎えた企業会長、そして山を敬遠する秘書が、それぞれの事情を抱えながらも、...

感想・レビュー・書評

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  • 4年前にK2挑戦中に恋人を失いトラウマをかかえたクライマー。還暦を迎えたカリスマ企業会長。雪崩により目の前で仲間を失って以来山を敬遠している会長秘書。それを軸に話が展開する。それぞれがさまざまの事情を抱えながらも山を通じて乗り越える。美しいい人間ドラマだ。笹本作品の中でも満足度高し。

    • hs19501112さん
      笹本さんは、最近好きになった作家のひとり。
      数冊読んだ中で“山モノ”が好きなヒトだなぁ・・・と思っていましたが、この作品でもそうでしたか(...
      笹本さんは、最近好きになった作家のひとり。
      数冊読んだ中で“山モノ”が好きなヒトだなぁ・・・と思っていましたが、この作品でもそうでしたか(笑)。

      読んでみたい一冊です。
      2012/12/18
  • 登山中の自然描写、それぞれの人物の心理描写は引き込まれるものだった。
    山に入れ込んだクライマーの魂の力強さ、気高さのようなものを感じさせてくれた気がする。

  • 何回も挑戦したけど読めなくて、やっと読めた本。外国の山より日本の山に興味があるから、なのかな。でもいったん読み始めたら、おもしろかった!特に会社の会長さんがよかった。

  • 内容は興味深く、主人公やその他キャストも魅力的。ラストは予定調和ではあるが、読後感も悪くない。でもとにかく一冊読み終えるのに疲れた。

  • 山岳事故で亡くなった恋人への想いから立ち直ることができない男とその仲間が商業登山の会社で頑張る話。うまくまとめられない(^^;;
    結構ボリュームあるけど面白かった。

  • 山岳小説の面と、再生の物語、そして少し企業小説の部分もあり、面白く読めました。

  • 笹本稜平作品、2作目です。

    最初に読んだ『春を背負って』がほんわかと
    あったかい雰囲気の山を舞台にした小説でしたので、
    この作品もそうではないかと、楽しみにして読みました。

    小さな頃から山登りに興味を持っていた矢代翔平は、
    高校生のときに知り合った山友達の3人と、
    思う存分に青春を山登りにかけていました。
    山友達の一人、栗本聖美とは、気のあった仲間から、
    人生においてもかけがえのないパートナーになっていったのです。
    そんなころ、二人で組んで登ったK2で、事故にあいます。
    聖美は厳寒の冬山に墜落し、命を絶ったと思われました。
    でも、どんなに聖美の落下地点を捜しても、
    遺留品はおろか死体すら見つかりません。
    傷心の翔平は、それからしばらくは抜け殻のようになっていました。
    そして4年後、ふとしたことがきっかけで
    翔平は再び山へ登ることになり、
    聖美の幻が呼び寄せるようにして、因縁のK2へと向かいました。
    そこで翔平は、あの事故の真実に気がつくのでした。

    ストーリー的には、
    失意の主人公がやっと自分の還るべき場所を見つけるという
    ありふれたものでしたが、
    登山と恋人たちの哀しい別れが、美しい文章で書かれていました。
    世界一危険な山かもしれない、K2への脅威もわきおこります。
    登山の技術も作品の中に十分書かれていて、
    作者の山好きがよくわかりました。
    でも、中だるみもあり、ちょっと切ない作品です。

    思いっきり、山の美しさ、人と人とのつながりの大切さを味わいたいなら、
    『春を背負って』の方が良く描かれていたと思います。

  • 世界最高峰の山を登るという話にスケールの大きさ感じた。
    登山は孤独なもののように感じるが、人との繋がりがあってこその登山なんだと思い知る。
    山、そして登山についても全く知らないことが残念だったが、それでも十分山を楽しんだ感じだった。

  • 山岳小説。ラスト50ページの緊迫感は映画のよう。

  • 登山家と死、そして生きることを書いた小説です。
    4年前にK2でパートナーの聖美を失った翔平。
    以来魂が抜けたように生きていた。
    「誰もが山に惹かれるわけじゃない。しかし現実の山じゃなくても、誰もが心のなかに山を持っている。それは言葉では定義できないが、どんなに苦しくても、むなしい努力に思えても、人はその頂を極めたいという願望から逃れられない。」

    かつての仲間が経営する公募登山ツアーを組む会社のガイドとして誘われる。
    そのツアーの後、共にk2を登頂しないか・・・。

    死を伴うゲームと考える翔平と、生きて帰らなければ意味はないと言い切る聖美。
    生に執着していた聖美が、自分を救うために自らロープを切ったと信じられない翔平。
    聖美が最後まで生きた証を見つけるため再びk2を目指す。

    自らペースメーカを使用し、会社会長の神津はかつて仲間を雪崩で失ったという登山家の経歴をもつ秘書に抜擢した竹原とともに公募ツアーに参加し、ペースメーカーの性能を宣伝する。

    神津の人生に対する大きな味方もまたすごい。
    いい本でした。

  • ★★★★☆  K2登山中に恋人を亡くした男が、数年後に商業登山のスタッフとして再度挑戦する話。 あらすじ読んだときは、ありきたりな話やなーって思ったけど、圧倒的な筆力でグイグイ読めた。魅力的な登場人物も多いのでグっとくる。
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    恋人の命を奪ったK2。男は過去に立ち向かうため、この山へ還ってきた。魂の糧を追い求める人々感動の「山岳小説」誕生。

  • K2で最愛のパートナーを失った。4年の歳月を経て、公募登山のスタッフとして山に向かう。トラブルに仲間と共に立ち向かいながら生きる目的をみつけていく。

  • 世界最高峰の山々の登攀の厳しさが伝わってきた。現実は想像を絶する世界なのだろう。生死をさまよう極限の状態でも仲間だけでなく、不遜な態度を取った奴らまでも命を張って助けに行こうとする人々。超人的な精神力、気力と前向きな考えとあきらめない気持ちを持つ登場人物に心を打たれた。

  • 山物の小説という物語の中では結構気に入っている作品。最初の入り口が安っぽいですが、話が始まっちゃうと・・・うん、イイっすよ。

  • 残暑,表紙のどっしりとしたK2の姿につられて手にとった.このK2は因縁の山としてでてくるのだが,本書はお隣のブロードピークを舞台にした山岳小説.山で死んだ昔の恋人を忘れられない重苦しい主人公に,次から次へと困難が押し寄せる.重いなぁ,苦しいなぁと思いながらも,ついつい先を読んでしまう.結末はちょっと予定調和的な感じがしたが読後感は悪くない.でもとても疲れた.

  • 壮大な山岳小説。世界第2の高峰、ヒマラヤのK2を舞台に繰り広げられる物語。山に登ることに生きる意味を求めるそれぞれのクライマーたちの野心的な挑戦が始まる。予想がつかないストーリー展開に読み終わって初めてタイトルの深さを理解する。ツアー参加者たちのそれぞれに交錯する思惑が山での生死をかけた戦いを通して見事に一つになっていくさまはとても読み応えがある。そしてところどころ主人公たちの人生論や教訓めいた発言がちりばめられていて、ある種の教養的な読み物であるような気もする。登山経験者ならばもっとリアリティをもって物語にのめりこみ、より深い読後感を得ることができるのではないかと思いました。

  • アルゼンチンの三人組が気になってしょうがなかったが、必要なかったんじゃないかな?
    清美さんの最後のくだりもあっさりしてたんな。
    しかしながら、全体的に読みごたえのある作品。続編が読みたい。

  • 山登りの小説は時々機材や専門用語がわからなくて完全に理解しているとは言いがたいことがある。
    この小説を堪能したければそういった山登りの入門書なり、インターネットで検索しながら、なりの工夫が必要かと思う。
    ストーリーとしては単なる冬山登山での成功、というものでは全くない。むしろ栄えある失敗といおうか。
    ビジネスの胸のすくような逆転劇をおりまぜ、主人公とそのパートナーの幻影が読者に何とも言えない期待感と絶望感を与え続ける。
    山はここまで人を惹き付けるのか?

  • スケールの大きな話だった。
    それぞれのキャラクターが良かった。
    グイグイと引き込まれる話。

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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