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本 ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784163272405
感想・レビュー・書評
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#読了。地下鉄サリン事件で妻子を失った救命救急士の織田は、現場で遭遇した見ず知らずの戸籍のない少年少女を助けることを決意。尊敬されていた救命士の立場を捨て、犯罪に手を染めながらも、少年たちととった行動とは。9・11とタイトルに持ってきていることからの関連性が早くから見えてしまうのが残念だが、スピード感があり一気に読めた。
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「自分に限界をつけるのは自分だ」とか耳障りの良いキャッチコピーをぶっ壊す馳星周。実は好きな作家の一人です。分相応とか分不相応とか「本当は眼を背けたい日本語」みたいな本を作れば、もっと売れるのに(もう売れる必要は無いか)。
とにかく堕ちまくる。目的は非常に崇高なものであるけれども、手段が無い。手段があっても選べる環境じゃない。選べた手段を最適にしても、結局は3のワンペアが続く。それが人生というテーブルの周りに、あるものは選び取り、あるものは選べずに、あるものは強制的に座らされる。何が正しいとか悪いとかじゃなく、そしていつでも椅子から離れることはできるのに、皆そのテーブルに離れるどころか突っ伏していく。その世界を無慈悲にスピード感を持って作り上げる著者の筆力はやはり素晴らしいと思う。
なんでもありのボーダレスな世界は、やはり赤と黒が似合う。 -
最高!
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馳星周の作品にしては登場人物はまともだった。
最後までだれずに読み終えた。 -
2015_02_05読
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トモが出てくるあたりからどんどん読むスピードがあがっていった。
日本で生まれ育ったのに、戸籍ももらえず
闇の世界でしか生きていけない子供たちが切なかった。 -
なかなかヘビーだた(´・_・`)
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宿歌舞伎町に住む在日中国人(大人)が本国へ強制送還させられたために、日本に残されたその子どもたちはラブホテルの清掃、風俗嬢などをしながら、なんとか生きのびようと身を寄せ合って暮らしている。
そこへ、ある出来事をきっかけに彼らと知り合った一人の救命士・織田が彼らを救いたいと願う。
救いたいと願い、決断すればするほど、展開は悪化していく。
終いには、社会的立場の喪失のみならず、存亡の危機にまで陥る。
新宿は、私の家から電車で5分です。
歌舞伎町の病院と言えば大久保病院。路地の場面では、あそこかしらと想像し。
フィクションですが、なんとなく自分のリアルに繋げられるので、ゾクゾクしました。
中国マフィアの話では、昔一度だけお会いしたことのある歌舞伎町案内人の李小牧さん(http://www.leexiaomu.com/)を思い出しました。李さんはとても気さくな印象の方なのですが、鬼気迫るオーラがあったので。
あと、救命士・織田と韓国映画「オールド・ボーイ」の主人公を何となく重ね合わせて読んでいました。「オールド・ボーイ」は本当に背筋が凍る映画です。
アジアのもつ冷徹さや鋭さ、生々しさとかって、心臓が縮みあがりますよね。
著者プロフィール
馳星周の作品





