院長の恋

著者 :
  • 文藝春秋
3.19
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本棚登録 : 78
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163272900

作品紹介・あらすじ

よく見ておきなさい、あれが恋という病気よ。佐藤愛子85歳、これが最後の作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 純文学的な小説を狙っているのかもしれませんが結末がなく面白くないでしたね。

  • エッセイは読んだことがあったが小説は初めてかもしれない。歯切れよく楽しい。ほんに男はしょうがない生き物って気になる。思い残すことあって彷徨う霊にも同情したくなる。

  • 短編集。

    タイトル作の「院長の恋」では、精神科の二代目病院長が、中年を過ぎて色香に惑わされる話。

    何故かこの院長、同じ病院で働く若い女の子にだけ色々と不倫の内容を話し、口裏を合わせさせたりする。この女の子の視点を借りなくても「どう考えてんもその女の人おかしいでしょ」という印象を持つのだけれど、院長は恋に迷っていて冷静な判断が出来ない。

    元々評判の良かった院長だけに、不倫に嵌ると仕事がおろそかになってくる。最終的には「奥さんと別れる」とまで言い出す始末。

    最終的に浮気相手の女の人が妊娠して別の男性と結婚することで院長の惑いも解けるわけですが、真面目一辺倒でやって来た人ほどのめり込むと見境がなくなるのかな。ちょっと怖い。

  • 2016.1.18-5
    表作他、離れの人、地蔵の眉毛、ケヤグの秋、沢村校長の晩年。
    今ひとつ溜飲の下がらない結末が多く・・・

  • 驚いた。
    著者の佐藤愛子さんが80歳を超えているということに…
    感覚が若いというか、タッチが現代風なのに軽々しくない。
    もっともっと作品を書き続けて欲しい。

  • 人というのは愚かでも愛しいものだなと思った。
    愚かだからこそ愛しいというか。

  • 久しぶりに佐藤愛子を読んだけど
    やっぱ面白いよね
    「アイコ節」さく裂しています
    人間への深い愛に裏打ちされてる
    軽快でペーソスとユーモアたっぷり♪

  • 大正12年生まれとは思えない
    瑞々しい文章。素晴らしいです。

  • 昔から佐藤愛子さんは好きで、今回も期待して借りてきました。
    うーん…血脈で全てを出し切り、本作品は楽しんで書かれたのでしょうか?
    先日NHKの番組に出演されていて、この作品が紹介されていました。観られなかったことが今更ながら残念。

    短編集。読みやすかったけど、物足りなかったな~。
    でも今もパワフルな内容に感服。

  • 院長の恋:秘書は実は院長に自分の父親像を重ねていたことが最後の涙につながったのでは?離れの人:出征して行った人が彼女との約束を守って死後戻って着たのだが、彼女の記憶から彼の存在が消されていた。ただ彼が座布団に座っているのだけが彼女には見える。地蔵の眉:良かれとして参吉はしたことだったのだろうが、勝手に地蔵を動かしたことによって家族に罰が当たった。ケヤング:死んだ後も義兵に遠慮していたサンブがあわれな結末。沢村校長:光江が作るマウイ料理を犬のゴンタに食べさせるところは最高に傑作。彼の光江に対する心のうち描写は愉快そのもの、一人笑い転げた

  • 佐藤愛子好きです。エッセイしか読んだことなかったけど、院長の恋愛・・・そうそう盲目、という気持ちでよく分かりました。奥ゆかしい日本語も思い出した。w また使っていこう。はんなりした文体に心ときめきましたわん。

  • 5つの短編集が収められている。
    主人公は、中年〜老年なんだけれども、どの主人公もアジがあって、可愛げある。
    最後の「沢村校長の老後」は、読みながらも思わず吹き出しちゃう。
    面白かった〜☆

  • 2009/07/05

  • 2009-5-60

  • なかなか無駄のない短篇集でした。佐藤愛子さんも楽しんで書いてるのが伝わってきます。作中の『男たち』が滑稽で愛すべき存在として描かれています。

  • 人間の脆いところをついてくる作品です。表題作『院長の恋』が一番面白かったです。

  • エンターテイメント作家、佐藤愛子先生のアイロニーたっぷり、楽しめる短編集。

    津軽弁の不思議な会話リズムが楽しめる「ケヤグの秋」。

    ケヤグって津軽では心を許した親友のことらしいが、女にだらしない男と酒にだらしない男の親友同士の話。


    表題作は何不自由ない二代目院長がタチの悪い女にだまされていくのを観てる秘書の視点で「恋につける薬はないよ」とばかりに、愛子先生の筆は、切りまくる。

    電車の中で読むのに適当でした。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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