- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163273105
感想・レビュー・書評
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カズオ・イシグロなどを読む人であれば、時系列の行き来などは気にならず、読みにくい作品ではないと思う。分かりやすく衝撃的な作品ではなく、物語全体を一貫して流れる、しっとりとした不気味な空気感と、そのなかに見出される、人の或いは愛の美しさが印象的だった。最後の数行の美しさは全て読んだ人にしか分からない宝だと思う。ただ、感情移入が難しい瞬間も少なくなかった。
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再読。
長編だけど、大作ではない。
回想シーンがあまりに多く、また、凝った構成になっているため、理解するのに一苦労。
もっと単純でストレートな話の方が好きだなあ。 -
愛おしさで結ばれた最高の2人の物語
だからこそ、今はもう既に2人じゃないことが本当に悲しい -
最後の最後、スコットが、体の調子を取り戻そうと、何度もブーヤムーンへ行くのだけれども、そこへ至る道にはロングボーイが横たわっていて・・・読んでいて、こっちも「まじかよ・・・」。一緒に絶望したのはいい思い出。
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薄気味悪くなんだか得体の知れないものがにょろにょろ、、ずるずる?
文章のポツンとされたところも気持ち悪かった。
居心地の悪いところに置き去りにされたようで。
原文もあんな感じなのでしょうか?
キング恐るべし。 -
別世界の様子とか作家の少年時代とか、少しつながってきた。
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キングらしい、キーワードが何度も出てきたり散りばめられたり、血が出るシーンは本当に気持ち悪いし、キレイじゃない言葉もたくさんだったり。
でもラストは美しい。ここにいたるまでの道のりは、私にはもう少し短くていいかな。 -
二段組み上下巻の作品。とにかく長かったー。人間の闇の部分を描くために、ファンタジー的な要素が必要なのは理解できるのだけど、この手の作品は疲れる。残念ながら、キングをもってしても。時間がもったいない。
印象的だったのは、「世の中には錨の役目をするものがあるんだ」(p.351他)というくだり。人が正気でいられること、もっと言えば、この世にいることを繋ぎ止めるものやひとが、わたしたちには必要だということ。絶望の淵に立たされたときに、しっかりと踏んばらなければならないことを思い起こさせること。これがなければ、究極に追い詰められたときに生き延びることが難しいのだと思う。逆にそれがあれば、スコットのように、生きていける。
(ただ、この錨については、p.353では、「ちょっとした魔法除け、自分の両足を大地にしっかりと繋ぎとめておくための品、うっかりわき道にそれるのを防ぐ杖として」と説明されているので、わたしが考えていることと、少し違うのかもしれないのだが)。
ま、そんなとこ。とりあえず、疲れたー。
著者プロフィール
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