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本 ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784163274300
感想・レビュー・書評
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今まで読んできた賢ちゃん作品の中で、彼女に対して最も酷いことをしている気が…
でもまた他のを借りてきて読むんだろうなぁという予感がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんだかやめられない強烈な依存性を持つ「西村小説」。収録された2篇「焼却炉行き赤ん坊」も「小銭をかぞえる」も、判で押したように暴力沙汰でオチを迎えるというのがなんとも素敵。
しかもそこで繰り広げられる暴力というのは、バイオレンス小説のそれではなく、一人の惨めな男が身近な人に向かってカッとなってなされるつまらないものばかり。だけどそのつまらなさが、妙に心地よい。 -
読後感はよろしくないが、自分の中の見たくないものを見せられたからか。嫌な感じがするのだか、体の中に入ってきたものか、後からじわじわくる感じ。
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くそ男すぎて笑えてくる。でも露悪的だったり自虐的だったりする人が好きなので嫌いになれない。むしろすごく好き。…なんて年増女が言っても鼻くそ投げられそうだけど。不快じゃない気持ち悪さが一周して小気味よく感じる不思議。
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読んだ後味は良くはないが、何故かまた次の作品へと手が出ちゃうんだな。これで西村賢太作品、三作目を読了。
何故これが文学となって、多くの人の支持を得ているのか正直意味がわからん。相変わらず胸くそ悪い話だけれども、またそんな胸くそ悪さを求めて、ジャリ銭握って本屋に向かう俺も意味わからん。 -
作品世界がきちんと確立している。芯が太く、ごつごつした手触りが心地よい。
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ホントにどうしようもない男だけれども、読まされてしまう。
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もはや西村賢太氏の小説にしばらくハマリそうな予感。
最新作『寒灯』を読んでからのこの2~3日、西村氏の著作に次々手を出しており、この本の読了後も、氏の『暗渠の宿』をすでに読み始めている。
芥川賞受賞の『苦役列車』を読んだときも面白いとは思ったけど、ここまでハマる日が来るとは予想しなかった。
やはり最近、心がすさんでいて、氏の小説に妙な親近感を感じているのかしら。
相変わらずのどぎつい描写や会話文には目をそらしたくなるものが多いのだけど…。
「小銭をかぞえる」は、一人称の「私」」を主人公に、恋人である「女」とのドメスティックバイオレンスそのものの同棲生活を、自虐的に描いていて、併録の「焼却炉行き赤ん坊」(タイトル、何これ…勘弁して)も同様の私小説である。
先日読了の『寒灯』の秋恵ものと同じパターンで、主人公が一人称か三人称かの違いだけと言ってもいい。
マンネリ文学と言ってしまえばそれまでなのだが、西村氏のこれは、あたかも「サザエさん」を思わせるがごとく崇高なマンネリズム。
本読みの読者がひっかかると、もう離れられない魅力を持っている。 -
主人公はなんて嫌な男だろう!すべての男のもっている「馬鹿で子供で役にたたなくて小心で卑怯で、全く無駄に純粋」なエッセンスが凝縮されてる‥すごくムカムカしました、やってくれるじゃないか。確かに一部男性読者には熱狂的に受け入れられるかもしれない、「ファン」が付きそうな作家ですね。
だが敢えていうなら芥川賞はこういう作家にこそとって欲しい。いいじゃないですか!近頃のおセレブなお若い嬢ちゃん作家の受賞に飽き足らなかった方には溜飲が下がるんじゃないかな。
文章は古風で平明で格調高いと言ってよいと思います。こんな美文でこんなクソヤロウを描くなんて贅沢きわまりない。
著者プロフィール
西村賢太の作品





