W/F ダブル・ファンタジー

著者 :
制作 : 久留 幸子 
  • 文藝春秋
3.13
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本棚登録 : 1825
レビュー : 351
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163275307

感想・レビュー・書評

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  • 奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。

  • 4分の3まではぐいぐい引き込まれて読んだ。最後の7歳年下の大林との話でなぜか白けてしまった。岩井で良かったじゃん。岩井好き。なんで他の男にいくかなあ。
    でも女性の描く官能小説はイイネ!社会的地位はあって子はなく、名実共に自由な奈津が羨ましいわ。

  • 主人公の心の動きが丁寧に書かれていて面白かった。男としていろいろ勉強になった。

  • このひとつ前に読んだのが、ありふれた愛じゃない、だったので…この作品は官能小説に思えます。

  • 『人間は自由である。人間は自由そのものである。われわれは逃げ口上もなく孤独である。そのことを私は、人間は自由の刑に処せられていると表現したい』ージャン・ポール・サルトル

  •  人の顔色ばかりうかがっていた主人公が、あるきっかけを機に『自立』し、顔色ばかりうかがうのではなく、自分ひとりで生きていけるように生きていく物語。
     官能の部分が、というレビューをよく目にするけれども、そこはあくまでそういう部分が強く全面に押し出されているだけで本質ではない。と、思う。
     だったらしょっぱなからそういった文章だけで構成していけばいいだけのはなし。
     これはあくまで、(自分が自分を、もあるし、他人から自分が、ともいえるのだが)押さえつけられていただけの自分じゃなくなる、独り立ちするという物語だ。
     演劇の世界にのめりこみ、脚本家としても成功し、順風満帆な生活を送り、でもそれは自分の才能もさることながら他人に押さえつけられていたからこそ続いていたしあわせで、しあわせのかたちは一つだけではない、ということを知った、じょせいのはなし、なのである。
     おんなだけでも生きていける世の中にも、なってしまった。細胞の問題だけれども。この作品でそういった意味合いの言葉は出てきていないけれど、それだけ、女性がちからを持つ、とは、男性にとっては恐怖の対象でしかないのだろう。
     男性は、自分に属さない女性を厭うものである。
     だから、主人公が自分のちからで生きると決めたとき旦那である省吾は猛反対したし、傾倒させた志澤はにこりとほほえんだ彼女に毒気を抜かれた。離れそうになったと知ってからいそいそと愛情表現を始める岩井、なんだかんだ言いながら自分のものにならないと拗ねる大林。坊さんはスルーで←
     なんだ、オトコってこんなに軟弱だったっけ?とげんなりする奈津の姿が目に浮かぶ。
     志澤がいなければここまで独り立ちすることもなかったけれど、あんな口調の人間にトキメく奈津がよくわからない。まあ女性は得てして多少強引な自分のことを好きな人、が好きだからなあ。あくまで自分に好意を寄せていて、リードしてくれる、ということ。
     世の中のレイプとかとは違うから、それをはき違えると大変な目に合う。
     恋愛体質、なるほど言いえて妙だ。恋愛していないと枯渇してしまうのだろう、奈津は。だれかを好きでいないと、だれかから好きでいられないと、哀しくなる、寂しくなってしまうわけだ。
     誰かに共感するわけではなかったけれど、一度好きになった人でも嫌悪してしまうとふれたくなくなる、というのにはうなずけた。
     いくら好きでも、傾倒していても、ふとした瞬間からほころび始めて、嫌悪という感情が浮かんでしまうと、さわられることすら厭う。興味が失せたとか、なにも感じないとかではなく、ただ、嫌悪。
     とりあえず、旦那の省吾はモラルハラスメントが過ぎる。ほんとう、自分じゃ正しいと思っているから、たちが悪い。世の中の男性諸君、省吾とおんなじことをだいたい一回はおこなっているって、わかってますかー?w

     あ、ちなみに四百ページうんたらだったんだけれどもまあ一日で読み終えちゃったよね。

  • 1人しか愛せない自分には空想世界。

    2人愛せたら

    とも思うけど

    1人だけで、だけが良い。

  • 村山由佳さんの本を読んだのはおいしいコーヒーシリーズ以来だった。

    村山さんの作品って、面白い、面白くないに関わらず読み始めると止まらない。文章が読みやすいからかな?



    今回の作品は官能の部分が多々、大部分あるんだけどいやらしく感じない。むしろ、女性ってこう思ってるよなーって共感できる部分のほうが多かった。
    登場人物は岩井さんが個人的にはいいなと思った。
    できれば最後は岩井さんとハッピーになってほしかったけど、やっぱり奈津はそういうタイプの人間ではないんだなと感じた。大林のことがあんまり好きじゃないからかなw
    志澤さんも中途半端であまりにも女性に対して無責任だなと思った。でも女性ってこういう男性に惹かれちゃうものだよなと感じた。

  • ながーいながーい官能小説

  • この本。
    性描写がたくさん出てくるけど、読んでいてひかれた部分は全てこれ以外の部分だった。
    性描写なくしてこの本が書けなかったかなぁと少し残念に思う。

    夫に気を遣っている、本当のところ怯えている奈津。
    省吾との会話が出てくると読んでいていらついてしまった。

    女が好きなことをすると、女が好きなものを選ぶと、近くにいる男は、それが他の男だろうが、物だろうが、自分に属していないものだと激しく反応するのは、残念ながら、仕方ないのかもね。。と読みながら思った。

    女はそのはざまでうまく男をコントロールして、自分のしたいこと、手に入れたいことについてできる限りやっていって、できたら笑顔でいられたらとは思うけど、ここまでやってのけるには相当の能力が必要だと思う。

    自分がやりたいことをするっていうのは、何を選択するかによるところが多い。この事実に早く気がついて、いい面を見ていけばいいのかなと思う。

    省吾、志崎、先輩(名字忘れ)、大川(だっけ?)と選択していく中、彼女の脚本はきっと、恐ろしいほど素晴らしいものになっていってるはず。

    女の生き方的な小説としてとても楽しく読めた。

    「気をつけろ。あいつ、あれでも中身は男だから」にはまいりました・・・。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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