われに千里の思いあり 快男児・前田光高 (中)

  • 文藝春秋 (2008年11月27日発売)
4.60
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163276007

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初めて読んだかもしれない!豊臣秀吉と共闘し支え続けた前田利家が作り上げた加賀百万石。加賀百万石といっても正確に言うとこの本の上巻の名脇役である2代目当主の前田利長の兄弟に分け与えた分割地を含んでのことである。

    「われに千里の思いあり」

    これは表現の仕方がわからない。負けの美学?守りの美学?それとも服従の美学?それとも生き方なのかもしれない…

    加賀藩の前田一族が関ヶ原での動向が違ったものであれば、利家が存命ならと子供の頃に色々と考えたことがある。徳川の世が安泰したのは利家の死であり、前田家の服従が一番の要因だったのだと思う。

    上巻が前田利常。中巻が前田光高。下巻が前田綱紀の前田家の3代~5代目の当主を描いた長編作です。存続という言葉が一番多く使われているような気がします。徳川の目を気にしながら生きていくのは戦いに明け暮れた時代よりも乱世であったのかもしれない…そんなふうに思ってしまう作品です。

    話の中に探りの部分が多すぎて、いい本なのだが考えさせられるシーンが多すぎる。潰したい徳川に逃げ切ろうとする前田家…そんな構図がどんどん読んでいるうちに強くなってくる。せっかくのいい政策を起こし名君と謳われても探りのシーンが来るたびになんか…でも、知らないことがたくさん頭の中に入ったいい本だァ~

  • 前田藩光高

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村彰彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×