キネマの神様

著者 :
  • 文藝春秋
4.20
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感想 : 286
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163277301

感想・レビュー・書評

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  • 言葉が透き通ってて、読みやすいし、スッと入ってくる。
    この人の本は、家族で歩く夕焼けの河原のような、懐かしさと温かさを感じられる。
    これこそが物語といえるんやろうなと感心させられる。
    失敗して、挫折して、それでも前を向いて頑張れと背中押してくれ、映画が観たくなる素敵な小説だった。

  • とても良かった。
    予定調和感がかなりあるものの、それでもやっぱり感動して泣けてくる。
    やり手として大手デベロッパーで出世したが、足を引っ張られて辞職に追い込まれた三十路後半の女性。自分の辞職と同時期に、ギャンブルと映画に身を持ち崩した父親が心臓疾患で倒れる。人生最悪の時。
    けれど、父娘で愛した映画の神様が救いの手を差し伸べてくれたかのような奇跡が、二人を救いあげてくれる。
    映画を通じてできた、絆。友情。親子や夫婦の再生…
    全体として、『ニューシネマパラダイス』へのオマージュの意味もあるのかなと思った。
    舞台や、この小説の登場人物程ではないが映画を愛する私にとっては、素直に共感し感動できる一作。
    映画が観たくなる一作だった。

  • 最後は涙が出ちゃったよ…そのぐらい、ほっこりしたな。
    主人公の歩(あゆみ)の父のゴウちゃんは、
    ギャンブルと映画が好き。
    借金してまでギャンブルしちゃう80歳だけど、
    歩は、父のギャンブル依存をなんとかしようとする。

    考えたのは、父の好きな映画。
    なんやかんやで、父が映画評論のブログを書く。
    そこに、ゴウちゃんのライバル的存在の
    ローズ・バッドが現れる。
    ゴウちゃんが正義だとすれば、ローズ・バッドは悪ー笑
    それがまたいい関係性になっていた。

    すんなり読めたし、最後は泣けるし、良かった。
    あまりにも上手く行きすぎてしまってるので、
    ☆4くらいの気持ちなんだけど、マイナスして
    ☆3にしちゃったー。

    合掌

  • ディレクターズカット版を先に読んでイマイチだなと思ったのだが、こちらは読みやすかった。映画への愛が押し付けがましくない程度だったのが良かったのかも。ニューシネマパラダイスが好きな私には、ちらっと作品が出てくるだけで好印象になってしまうというのもあるが。

  • 映画公開、ということで読んでみた。
    映画が好きな人は有名な作品名がたくさん出てきて、共感できるところも多いので良いかも。

  • 出来すぎと言えば出来すぎだが不快感なく読めるのはいい。
    出てくる映画もポピュラーなものなので入りやすいかと。軸は家族のお話。ケンカしても家族。仲直りしても家族。厄介だけどね・・・放っておけないのが家族。

  • 借金癖があり、ギャンブル依存症の主人公の父の趣味は映画。入院と、妻娘から借金の肩代わりをしない、と言われたことから、安く映画を見るためにネットカフェへ。インターネットも知らなかったが、そこで、ブログに出会う。それが娘の就職、ブログの開設、アメリカ人とのブログ上でのやり取りへと発展し、様々な人の人生が変わっていく。

    映画化されているので、原作を読んでみようと。2008年の本なのに、図書館では予約待ち。映画化で人気再燃か。
    読みやすく、あっという間に読了。ホッコリ、スッキリ。

  • 子供の頃
    映画館では、2本上映は当たり前だったな
    DVDなんてなかったんだった

    シチリアの海の風景から始まる映画で納得です!

  • 賭け麻雀と映画好きなダメ親父。失業した娘が映画雑誌のライターとなり、親父の映画ブログが人気になる。英語サイトが作られ、英語化されたブログに論戦相手が現れ、世界的な評判になる。シネコン相手に名画座は生き残れるか。

    映画を作る人の話かと思っていたのですが、映画を見る人の話でした。有名な名作がたくさん出てきて楽しい。みんな一途ないい人ばかりで、安心して読めました。

  • 映画好きが生んだ友情の話、映画ってやはりスクリーンで観るのとDVDで観るのは感動の大きさが違いますよね!
    最近、映画館で観ていないなぁ!

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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