- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163278001
感想・レビュー・書評
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中国の地…玉玲(ユイリン)は、50歳の美しき未亡人。
日本で暮らす娘の出産のために日本へ。そこで、娘に日本人との再婚を進められる。中国には、玉玲の帰りを待つ恋人が…。
言葉の分からない異国で、ただただ戸惑う玉玲。そんな中、娘から日本人との再婚を進められる…。
私が認識していた、中国の家族の絆がちょっと狂った。
中国や韓国というのは、家族第一主義!
家族の幸せを願う気持ちが、ことさら強い国民だと思っていたのだけれど…。
娘の言い分が、どうにも理解し難い。
それが、中国人なりの母への愛情とはどうしてもとらえることができない。
身勝手すぎて、イラッとする。
自分は中国人男性と結婚しているにもかかわらず、誰でもいいから、お金のある日本人(例え寝たきりでも!)と結婚して、日本の永住権を得て、自分の子どもを見てほしい。
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逆に、異国の地で揺れる王玲の気持ちは、よく伝わってきます。
2016.04.30
今年の14冊目詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3
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中国から来た主人公。そこからの展開があるのかと読み進めても結局進展せず。
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結局 どうなっちゃうんでしょうか。
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読むほどにすきになる揚逸さんの小説。
今回は暑い季節に似つかわしいどアップの金魚の
写真が表紙の本書に。
中国と日本の生活の対比が私にはめずらしく、揚さんの
日本語がこなれているせいか、中国人が書いたというより
日本人っぽい気がした。
玉玲の「自分が今後、幸せに生きてゆくため」に、お見合い
して、最後、松本さんと教養をツマミにして一緒にお酒を飲む
シーンが玉玲の期待と共感できてよかった。 -
タイトルが気になり手に取って、写真の金魚に惹かれて読むことを決めました(蜷川さんの写真だったんですね)
日本人の自分からしてみたら外国人のここがおかしい!だけど、日本人以外の人が日本人を見たら、やっぱり当たり前に日本人って変だって思いますよね。中国では大学を出た女性は出産しても働くのが普通なのかな。そうだとしたら、いかに日本には大学が多くあって進学率が高く、でもだからこそ就職にあぶれる人が多いか……ってことかなぁ、と思いました。
玉玲はなんだか最初から最後までかわいそうだった。おとなしいというか、自分の意志を発言するのが苦手な分、周りが好き勝手言っちゃって振り回されて。珊々も本当に母親のことを思ってはいるんだろうけど、50歳過ぎて言葉のわからない異国で生活することって簡単じゃない。わたしは絶対嫌。珊々は旦那もいるし自分の意志だからいいだろうけど、玉玲に対して「とりあえず在留資格問題を解決しなきゃ」って言って適当な男と結婚するようにしてる辺り、自分に都合の良いことしか考えてないなぁ…と思ってしまった。玉玲さん、幸せになってくれ。とりあえず、スギノさんは癒やしだった。
初めて読む感じの話で面白かったけれど、文の途中でいきなり過去の話題になり、いきなり現在に戻ってくるので、え?いつの話?と何回かなってしまった。ちょっと中途半端に感じてしまいました。素敵な雰囲気の小説だっただけに残念。 -
中国の地方で暮している50代の玉玲。夫を亡くし、一人娘は日本で結婚している。いつの間にか昔なじみの無骨な周彬と同棲するようになったが、無骨なゆえに再婚には踏み切れずにいる。そんな玉玲は、料理屋で皿洗いと店の主人が繁盛の証として大事にしている金魚番を務めている。弱った金魚を捨てられず持ち帰って以来、その金魚を大宝と名付けて、一人暮しの慰めにしてきた。一人の食卓を、眠れぬ夜を共にしてきた大宝に対して玉玲は愛着を抱いている。
娘の出産を控えて、日本の娘夫婦のもとで3か月ばかり過ごすことになった玉玲は、娘が出産ギリギリまで仕事を続けるというのにあきれながらも、出産までを東京郊外のアパートで知り合いもなく過ごすことになる。同じアパートに住む女性と片言の会話を交わしたりしつつも無為な日々。そんな自分に、水槽で一匹過ごす大宝を重ねる。
人生が落ち着いた頃にふと感じる何とも言えないキモチ。障害をかき分けるかのように生きているように見える中国の女性でも同じのよう。 -
まずカバーが美しすぎる。鮮やかな緑に金魚の赤が映える。
芥川賞受賞から半年。前作の時が滲む朝やワンちゃんより読みやすく感じた。
確かに日本語に対する批判に感じる。
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