- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163279909
感想・レビュー・書評
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【一行目】
初めから意図したことではなかった。
【内容】
・短編集。主に男女の間で発生する微かなこころのゆらぎを淡々と描く作品が多い。
・「初詣で」初詣でで昔恋人未満だった女性と偶然出会うと彼女は《それが抱負。“ねば”、“べき”を捨てたの》p.15と言う。
・「紅の恐怖」洗面所で口紅を貸してくれと頼まれたが断った女の感じるそこはかとない恐怖。
・「大きな夢」仕事で知り合った女性からもらった「グラン・レーヴ」というお香はとても大きな夢を見せる。
・「佐保姫伝説」人知れず美しく桜が咲く場所で出会った女は春をもたらす女神か?
・「ちょっと変身」自分とそっくりな男が常連客にいるという店にいってみたら本当にいた。
・「象は鼻が長い」昔つきあっていた女のウソを見抜くリトマス試験紙は。
・「恨まないのがルール」恋愛では恨まないのがルールと言いつつ?
・「海を見に行く」つき合ってる女性が海が山ほど見えるところに行きたいというので佐渡に行くことになった。
・「赤い丸の秘密」赤い丸のついた場所に行くと再会できるわと女は言った。
「五色の旗」父が亡くなったときやってきた父の愛人と母。
「やきとりと電話機」かつて知っていた一流の人と呼べる女性の男の好みは。
「カーテンコール」昔アルバイトで勤めた銀座のクラブで知り合った先輩ホステスは女優志望でカーテンコールが好きな人だった。
【感想】
・これと言って大きなできごとはないのだけど読ませてくれるなあという感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2014-12-06)
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久々の阿刀田さん。
懐かしくて、嬉しくなる。
この短編集は、ブラックなところはなく、ちょっと
不思議でノスタルジックなお話たち。
阿刀田さんは、日常の隣りの落とし穴のようなお話も
大好きなので、次は、そういうのを期待。 -
上品な感じの短編集。
誰しも心に残っている甘い思い出、女性より男性のほうが甘いのかな(#^.^#)
でもミルクティーにシナモンを落としたような、夕暮れ時にあう小説がたくさん詰まっていました(^○^) -
中年男性の白昼夢のような12の短編が収録されている。読みながら肩の力が抜けてしまう。本書のタイトルにもなっている「佐保姫伝説」は、子供のころに里山で道に迷って見た桜の花が咲く風景を60代になった男があいまいな記憶を頼りに訪ねるうちに、春の女神、佐保姫がすぐ近くにいることを感じるという物語。
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春の佐保姫、秋は龍田姫とよくいわれる。そーいえばどーしてだったか、と調べたところ五行思想と山の名からきているらしい。なるほどそうだったか。姫、というのがいいよな、綺麗で。とゆーわけで名前につられて読んでみた。短編集だった。佐保姫伝説はそのうちのひとつ。結構よかった。いろいろ経験してきた人たち。わりと平凡にいきてきた中でちょっと自分にとって特別な人、場所、経験。そんなものたちのおはなし。なんというかそーゆー感じはちょっとわかる。自分にとって特別な瞬間、特別な人。まあ相手にとっては何気ない一言だったりすることが忘れられないこととかってあるよな。万年筆の話がすき。私はなにもなくてもゆらゆら生きてるけどねー。ねば、べきは多すぎて、ときにそうした方がいい気もするし、ときに絶対したくないとも思うし。難しいなあ。どうして好きなことだけして生きていけないのかしら。
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おとこのひとのセンチメンタリズム満載の短編12編。
あー、やっぱりアタシ、この手の話だめだ。受け付けられない。
阿刀田さんらしいブラックユーモアに期待していたのだけれど、これはそういったお話ではありませんでした、残念。
最初から求めるものが違ったのでしょうがないですね。
もしかしたら、中高年の男性には「うんうんわかる!」って所があるのかも。 -
追想の中の女はいつも春の宵のように艶かしい。漣だつ心をもて余す大人へのメルヘン集。
著者プロフィール
阿刀田高の作品





