新版 劔岳 点の記

  • 文藝春秋 (2009年3月27日発売)
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163280608

感想・レビュー・書評

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  • 劔岳 点の記
    新田次郎(原作)、山本甲士(文)

    ∞----------------------∞

    登山をするわけでもないんだけど、山岳小説が好きです。

    新田次郎さんの小説を読みやすく書かれたものとあって、すごく読みやすかった。でも読み直すなら新田次郎さんの本でチャレンジしたい。

    今となっては空からも色々測れてしまうんだろうなと、なんだか寂しくなってしまうのだけど、自分の足で行って測量するってことは、前人未到だろうが行かなきゃ測れないという、命をかける仕事って多かったんだろうなと思う。

    柴崎さんももちろんすごいけど、やっぱり長次郎の案内無しでは絶対辿り着け無かっただろうな。途中、危うく先に頂上に着きそうだった。
    とはいえ、山の天気は変わりやすく、何度も登っては降りを繰り返す登山っていうのは、体力だけじゃなく根気もいる。

    ついつい頭で装備を今風に思い浮かべそうになってしまうけど、約120年前なので、嵐のときに寒さをしのぐものすら瑣末な感じ。
    機材も相当重いものだったろうし、自分たちで背負い運んで、測量しなければならないというのは、ただの登山ではない。

    軍の上司とか県庁のお偉方とか嫌な人も出てくるけど、誰が何を言おうと劔岳と同じようにそんなこと屁とも思わず、自分たちのやることを淡々とこなすだけの後半が、頂上登ってきた人の余裕かもしれないと思った。

    こういう人知を超えたことをする人たちって、体力、気力、忍耐力の他に、生命力とか運も持ってる人なんだろうなと思う。

    2025/04/03 読了

  • 映画借りて観るかな

  • 新田次郎さんの作品を、映画化の際にまとめ直したものなのでしょう。読みやすくなっています。
    命がけで劔岳山頂に登りますが、もう1000年くらいも前に修験者が登っていたという衝撃。丁寧に読むと、それほどびっくりすることでもなかったようです。
    それにしても、仕事は手堅いのに奥さん思いの柴崎、実直で働き者の長次郎など、魅力的な男たちにぐっときます。

  • 浅野忠信さんと香川照之さんが主演で、木村大作さん監督で映画化された作品のノベライズだよ。

    ただ、映画とは違って新田さんの原作に忠実になっていました。
    部下さんが独身設定だとかね。

    巻頭に劔岳周辺の地図が載っていたのが良かったです。
    映画だと地理的な関係性が正直言ってよくわからなかったからね。

    だけど、実際に立山連峰どころか山をあまり知らない人だと、文字だけではイメージしにくい部分があると思う。
    映画とセットで読むのが、やっぱり良いのではないか…と思いました。

    日本地図の空白を埋めるためという多くの人に役立つ作業とは言え、今まで誰も登頂したことがない(とされていた)劔岳の山頂に三角点を設置するだなんて、大変なお仕事があるんだなぁ~。

    世の中には気づかないうちに誰かのお世話になっていることがあるのだなって思いました。
    らじも人の役に立つお仕事に就きたいなぁ…。

  • 10年ぐらい前に新田次郎の原作を読んでいたのですが新版は大分読みやすかったです。山岳小説としてはもっとディープだと個人的には嬉しかったです。でも山岳小説の面白さは十分に楽しめました。

  • 未踏の霊峰「剱岳」に三角点を設置する測量官と、設置を助ける長次郎、鶴次郎、金作らの物語。
    山岳会よりも早く登頂を。。。との切迫した状況の中、黙々と本来の三角点の設置を進めていく。
    紆余曲折の登山ルートの試みの末、ようやく「剱岳」への登頂を成功した時に発見されたこと。
    ライバルだった山岳会。実はもっと純粋な気持ちを持った人々だったのでは?との気持ち。

    読後の後味の良さが続いてます。

  • 新田次郎の原作を再小説化した本。
    原作よりもかなり取っ付きやすそうだったので読んでみたのですがかなりあっさりとした感じで読みやすかったけれど山岳小説としては重厚さが物足りなく感じてしまいました。

    信仰が現代よりも生活に根差していた頃に仕事とは言え禁足地である剣岳に登るための地元への根回し等々の大変さ、測量に必要な機具を持っての険しい登山は文章で読む以上に過酷だったのだろうな、と思います。
    自分が現在普通に使っている地図も先人の方々の苦労の上に出来あがっているのでしょうね。

  • 予想に反し、エラくあっさりと読み終わってしまった。またエラく読みやすかったな・・・と。他の方のレビューを読むと原作が有るのねと。内容の割に骨太さが感じられなかったが、先人達の剣岳登頂に対する思いと苦労が垣間見れたかな。ただ全般的に危機感を感じられなかったのは痛いかなぁ。

  • 2012.9.22読了。原作は難しそう。柴崎かっこよすぎる。昔の装備で登ったとおもうと、すごいことだな。

  • 次は原作も読むべきか?

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著者プロフィール

新田 次郎(にった・じろう):1912-80年。長野県上諏訪生まれ。旧制諏訪中学校、無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、1932年、中央気象台(現気象庁)に入庁。1935年、電機学校卒業。富士山気象レーダー(1965年運用開始)の建設責任者を務めたことで知られる。1956年『強力伝』で、第34回直木賞受賞。1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。

「2024年 『火の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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