秋から、はじまる

  • 文藝春秋 (2009年10月12日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163285405

感想・レビュー・書評

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  • 誰より素敵、歳を取る毎に美しさを増す、憧れの叔母さん。
    リッちゃんが初めての恋をした…!

    仕事人間だったリッちゃんが恋だなんて。絶対おかしい、上手く行きっこない。
    相手の男について調べてみなくては…。お節介な姪が茶々を入れる大人の恋物語。
    何と言ったものか、姪っ子(25歳・求職中・彼氏有・性格悪)がマザコンならぬ叔母コン過ぎる。
    そして“若い女”の価値観を押し付けてくるのにうんざり辟易します。
    わたくし個人的に、この子と相性が悪いみたいで…だいぶイライラさせられました。

  • 主人公が甘ったれで性格悪い!でも、劣等感の固まりの
    ジュジュが自分と重なる部分もあったりで、いらっとしながらも読破。
    最後は感動して涙が止まらなかった。
    いい話だぁ~
    りっちゃんも、美樹ねえも、ジュジュの家族も。みんな魅力的。ジュジュにはイライラさせられることだらけだけど、人間味があって最後は可愛く思える。

  • 笑いあり、涙あり。
    りっちゃんがまたいいなぁ。私もこうすっきり!しっかり!していきたいもんだ。

  • じゅじゅが口に出す、年とってるのに恋愛なんて!
    っていう気持ち、わかる。
    目で追ってて、酷い暴言吐くなぁこの人。
    とか思いつつ、実際自分でも感じたことある気持ちだ。

    自分がうまく生きていないとき、
    先が見えないだけじゃなくて今たってる足場さえもぐらつく。
    そんなときは周りに優しくあれないし、
    自分を守って守って守りにはいってしまう。

    最終的には結婚というゴールに入ってしまってるけども、
    なんかそこは納得いかないけども。笑
    やるべきこと、とかやりたいことを見つけ出そうとしてるじゅじゅは
    すごくいいなーと思った。

  • 就職した会社が倒産、その後親のコネで勤めた会社では先輩OLたちのイジメに遭い退職、今は実家の歯科医で夜間受付を手伝うのと、独身である伯母の家事というバイトで暢気に過ごしている小仲樹里・25歳が主人公。
    その伯母である小仲律子・47歳は、26歳の時単身でヨーロッパへ仕入れに出かけ高級ストッキングの輸入卸会社を立ち上げ、今は零細といえども10人の社員を抱える社長。樹里から見ても、年を重ねるに連れ、ますますきれいな人だなと思う女性である。
    樹里とは、「リッちゃん」「ジュジュ」と呼び合う、気の置けない仲。
    その伯母が突然、「男の人を、好きになったようだ」と言い出して樹里はびっくり。そこから始まる、伯母と姪とのバタバタ・ストーリィ。

  • 装丁が素敵だったのでなんとなく手にとった。主人公の子供っぽさがあまり好きでなくて途中でやめようかと思ったが、りっちゃんや美樹子の言動が凛としていたので結局最後まで読んだ。とうきび売りのおばあさん、しげさんの言葉「前を向いて元気に挨拶、そして人よりちょっとだけ早く歩く。そして笑う。」がよかった。2010/1

  • 新刊の棚に発見。

    最初は、読んでて
    「主人公の性格、悪~・・・」
    って思っていやな気分になってたんだけど、
    読み進めるうちに、まわりは大人なひとたちばかりで主人公に注意もするし、あたたかく受け入れてもいるし、っていうところも見えてきて、
    主人公のコドモな部分とかも自分の中にもあるよなぁ。。って、親近感もじゃっかんわいてきたりもして。
    真っ向から否定する気にもならなくなってきて。
    途中でダウンしようかと思ってたお話だったけど、最後の最後には泣けてしまいました。
    結局は主人公や他の登場人物の人達にめっちゃ感情移入してたんかも。
    きれいごとだけじゃなくて、きっちりどろくささも入れ込んでくれている、人間味あふれる小説だったような気がします。
    今まで読んだ本のなかに、ありそうでなかった内容かも。

    よい意味でとても現実的。この本に出てくるカップルたちの恋愛模様とか。
    主人公の樹里と慎介のやりとりがすごい好き。
    最後、それぞれがどうなったか、っていうところも、びっくりしたけどうなづけた。
    北海道を舞台にひたむきに生きる女性達を描いている、という喜多さんの本を。また読んでみたいな。


    ☆気になったぶぶん
    ・「子持ちの主婦なんてあんなもんよ。気は悪くないし、つきあってて楽だからいいんだ。下手に気取った奥様にはなしを合わせるくらいなら、井口ママのほうがましだわ」(芳江さん)
    ・唯一、わたしが信じる法則は、「惚れたもん負け」である。
    ・わたしは、慎介が困惑した顔を見るのが好きなんだ。悪い趣味ではあるけどね。
    ・自分がいいものだと思ったら、それに見合う価格をつけろ、ってさ。
    ・きれいに憧れるのに、年齢は関係ないんだよ。ジュジュにはわかってもらえないか。
    ・見込みがなきゃ叱らないよ、って。頑張っていれば、誰かがみてくれる。
    ・リッちゃんのなにが汚らわしいの。いくつまでなら恋愛していいのよ。それに、人を好きになったら、だれだってみっともないことのひとつやふたつはあるもんだわ。
    ・わたしは樹里も芳江も、フェアじゃないと思っている。レースに参加しないくせに、一等でゴールした人間を羨むでしょ。そして、あの人たちは特別だから、勝気だから、って自分が努力しない言い訳にしてるのよ」
    「頑張ってスタートラインに立って、競争しようとしてる人の足を引っ張るのはやめることね」
    ・職場でいやなことがあっても、生活が大変でも、笑うわたしがいたから頑張れたのだ、とリッちゃんは言った。
    ・「あんたはあんたのままでいいよ。慎介くんが樹里を好きなのも、樹里が素直で飾らないからだよ。これからは慎介くんのいちばんの味方ていてあげなさい」

  •  会社経営者で何事にもひたむきな伯母リッちゃんが、47歳にして初めて恋に落ち、姪である私はあの手この手でリッちゃんの恋が成就するよう応援する。
     この主人公の姪・樹里が大人になりきれない甘えん坊で、応援しているはずの律子の恋愛に嫉妬したり、取り柄のない自分と比べて卑屈になったり、恋人との距離に悩んだりと忙しい。
     秋から年末年始にかけての札幌を舞台にした恋愛ストーリーだが、最後にはちゃんと(想定外だが)春が来て、めでたしめでたし。

  • 「食道かたつむり」と同じ装丁家さんだから、そのたたずまいに、小川糸さんとのような出会いを期待して手に取った本。私はこの主人公が好きになれないから、やや辛いポイントかも。次作に期待したい作家さんではあります。

  • 文体も時々クスってさせるところも好きな感じです。
    だったらなぜ★★かというと、主人公の樹里の甘ったれ具合が鼻についたってことでしょうか。ラストでいきなりしっかりするのもついていけなかった。

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