- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163287904
感想・レビュー・書評
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僧侶の死を巡るあれこれ。この世界もドロドロしていると薄々知ってはいましたが、なかなか堕落も激しい結末。結局、僧侶とか仏に仕えるとか言いつつも自分が可愛いのは俗世間の一般人と変わりなく。もちろんそうじゃない方達もいらっしゃるのだろうけど、お話の世界だから…では済まないんだろうな、と思われ。正義感の強い、友達思いの賢了が少しずつ真実に迫る姿は、先の「一応の推定」と同じく、地道で丁寧で応援したくなりました。犯人が分かるその瞬間はややあっけないくらいでしたが、何となくの予想通りでした。
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一人の僧侶の溺死を発端に、京都に君臨する巨大宗派の闇が暴かれる。
宗教法人の組織構造が詳細に描かれており、興味深かった。結局、権力のある組織ってどこも同じ構造してるんだな、と再認識。特に宗教法人って、正直、外部の人間には見えない部分が多いだけに、描かれていたスキャンダルの内容もリアルに感じる。
ミステリとしては、サラッとこれで終わるかと思いきや、最後にどんでん返しがあって、それなりのものになっていたと思う。ただ、主人公の僧侶が明らかに不審に思える人間を信用してみたり、刑事も刑事で、容疑者に簡単に自殺されたり、いくら何でも浅慮過ぎるだろうと思える箇所がちょいちょいあって気になった。会話もちょっと硬いかな。京都弁のところは良かったけれど、それ以外の人間の会話が妙に説明的でテンポが悪いように感じたのが残念。 -
11月-3。3.0点。
仏教の宗派、権力争いとか、珍しいテーマ。
主人公の親友が事故死か殺害され、調査する。
真犯人は意外。
まあまあ。珍しいテーマだけど読みやすい。 -
京都が舞台だったので、父にお勧めされました。
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前作がおもしろかったので読んでみたけど…うーーん……でした。
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ミステリーとしては物足りない部分もあるが、現代日本の仏教界の問題点がよくわかる。
ラストを読んで、善入寺がどうなったのか気になった。
個人的には京都に住んでいたことがあるので、地理描写が楽しめた。
最近、地方都市が舞台で、街について書きこんだ作品が多いように感じる。 -
巨大宗派の闇を描く内幕モノ。閉鎖的な組織の内情は興味深く、ストーリーにも巧く絡ませてあるが若干物足りない。着眼点はいいのだが、起承転結のメリハリが弱いので地味な印象だけが残る。二時間サスペンスのような展開になったのも残念。前作もそうだが、目のつけ所は悪くないのだがら、もう少し全体を引き締めて山場を目立たせれば、清張のような社会派に化ける要素はあると思う。
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僧侶の溺死の真相と国宝級の仏像売却疑惑を親友の僧侶と刑事がそれぞれ解き明かしていく物語。巨大宗派の内幕など、さもありなんという感じだし、捜査の過程も地道でリアル。ただ、主人公が2人ともキャラが薄くて感情移入しにくかった。