- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163289304
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ある日、突然に夫が失踪。そして、大学生の息子までも…毎日、夜には家に帰って来て、家族が揃うのが当たり前だと思ってた。でも、主人公のように、人に対する感情が、そのときどきの自分の都合で、まわりを振り回すようだと、ひとりぼっちになるのも、有り得ない話じゃないなぁ…と。今の自分を反省して、自分も変わらなきゃいけないなと思いました。
-
欠かさず読んでいる明野照葉さんの長編小説です。
どこにでもある様な一見平凡な3人家族 夫・妻・息子、傍から見ても幸せそうな家族に一体何が起こったのか… 。
他人事では無く、自分に置き換えて考えてもいつ何時起こりうるかも知れない出来事で身に積まされる部分もありました。
いつもながら人物描写も丁寧で最後まで展開が気になって飽きる事無く読み進めました。
明野さんの作品はやっぱり目が離せないです。 -
なんの理由も無く失踪した夫と、その夫を待ち続ける妻。
それぞれの立場から語られながら物語は進む。
なんの理由が無く失踪するのはともかく、葛藤が描かれず軽い。
待ち続ける妻もいまひとつその心情が分からない。
ひとり息子も何を考えているのか分からず、行動も軽い。
結末はご都合主義で軽い。 -
面白かったけど直也とは溝が埋まるとは思えないような気がした
-
思いのほか、最後はほっこりな感じで終わって、いつものドロドロしたのを期待してた私は、ちょっと拍子抜けしたかも^^;
でも直也はちゃんと立ち直るのか…?? -
家庭的にも社会的にも、外から見る限り何の問題もなく、表面的には幸せな家庭を持っている笠松瞭平がある日突然失踪した。
自宅にも戻らず会社も欠勤のまま何カ月かが過ぎ、妻である睦子は、しぶしぶ夫の依願退職の形をとった。
いったい夫はどうしたのだろう?
睦子の悩みと苦悩はいつまでも続き、残された一人息子もまたそんな家庭が嫌になったのか、一人暮らしを始めだした。
一方、「突然頭が真っ白になって」本来自分のいるべきところに戻れなくなった瞭平は、自由気ままなその日暮らしをしていた。どうしても家庭に戻れないのが、自分でも不思議に思いながら・・・。
そして2年・・・ある転機が訪れる。
50歳前のサラリーマンの心の闇を小説の題材にしたように想う。主人公は専業主婦の睦子だが、瞭平の目線で語られる章もあり、「ああ、50歳前のサラリーマンの心の中はこうなのか」と納得のいく場面も多々あった。それを表に出さないから、睦子にも何も伝わらなく、専業主婦のままのちょっと偏ったものの考え方に、息子もついていけなくなったのだろう。
自分一人で生きていかねばならないと悟った時、睦子は働きに出だした。そして、社会に触れ、今一度、社会人としての考え方を身につけるようになった。いつ愛しいひとが帰って来てもいいように・・・と。
ひたすら夫を待ち続ける睦子が健気に思える。
転機が訪れるきっかけになったのは、瞭平の実母が瞭平に預けた大事な鍵であった。最後の方で、瞭平と会ってこれまでの経緯を話しあったのも、彼の実姉である。なぜ、夫婦である睦子では解決できなかったのだろう。それだけ、妻の睦子に対して悪かったと思っていたから、できなかったのだろうか。
文章も読みやすく、ストーリー展開もハラハラで、面白く読めたが、
しっかりと成長した睦子に対して、瞭平がもう少し自分の口から事件のあらましを述べられるまでに、立ち直っていて欲しかった。