シティ・マラソンズ

  • 文藝春秋
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レビュー : 218
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163291109

感想・レビュー・書評

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  •  アシックスが企画したキャンペーン企画のために、3人の作家さんが書き下ろした作品。3人とも私の好きな作家さんだから、「こんなおいしい作品があるなんてー!!」と喜び勇んで一気読みしました。

     ニューヨーク、東京、パリで開催されるシティマラソンに参加する3人の日本人男女。3人ともかつてはスポーツの世界にその身を投じ、そして現在はスポーツの世界からその身を引く立場。
     広和は、会社の社長から無理やりニューヨークシティマラソンに出場するよう言われ、学生時代には知ることのなかった走る喜びを見出す。悠斗は、かつて自分の控えの選手だった同級生の湊が、8年ぶりにランナーとして東京マラソンを走ると連絡を受け、かつてのわだかまりを捨てて湊をサポートする決意をする。夕は、バレエに見切りをつけ、フランスに語学留学をする。そこでパリマラソンに参加し、バレエを通して味わっていた幸福に思い至る。

     シティマラソンって、どこも盛況で、参加するのにも、ものすごい倍率を突破しないといけなくて、なんでみんなそこまでして走るんだろう?って、疑問だった。
     走るという行為は、人間の欲求そのもので、走ることを通して人間は幸福を感じ、走るという行為と、その後にある達成感を感じたくて走るんだ、と3人の作家さんは書いている。なるほど。

     かく言う私も、42.195kmを走った経験がある。たしかに、走るという行為には、魔力が潜んでいると思う。あんなにつらくて、泣きそうなほど苦しい行為のはずなのに、体の傷が癒えるとまた走りたくなる。

     人は、自由のために、幸福のために、祈りのために、走るという行為を通じて手に入れられる多くのもののために、これからも走り続けるんだろう。
     そんな私やあなたや多くの人たちのことを、心の底から愛おしく感じた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「那覇マラソンです。」
      思わず「エっ暑くない?」と思ったのですが、ホノルルとかでも開催されるし、オリンピックは寒い季節じゃないですものね(物...
      「那覇マラソンです。」
      思わず「エっ暑くない?」と思ったのですが、ホノルルとかでも開催されるし、オリンピックは寒い季節じゃないですものね(物知らずなので)。。。
      綺麗な風景の中を走れたら気分が良いでしょうね!
      えっと、実は「シティ・マラソンズ」文庫購入のご報告でした、、、
      2013/03/08
    • HNGSKさん
      にゃんこさん>>那覇マラソンは、真冬にあります。でも、沖縄だし、ちょうどよさそうですよね。
      対して、東京マラソンは、真冬の2月・・・アレは寒...
      にゃんこさん>>那覇マラソンは、真冬にあります。でも、沖縄だし、ちょうどよさそうですよね。
      対して、東京マラソンは、真冬の2月・・・アレは寒そう・・・

      文庫購入、おめでとうございます!!
      2013/03/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「東京マラソンは、真冬の2月」
      ニュースで見ましたが、熱気が凄いですね!あの格好で大丈夫なんですから凄いです。
      ayakoo80000さん...
      「東京マラソンは、真冬の2月」
      ニュースで見ましたが、熱気が凄いですね!あの格好で大丈夫なんですから凄いです。
      ayakoo80000さんは、「那覇マラソン」に参加出来たら良いですね、私は此方を鑑賞?しようかな「走った人に、ご褒美を。スイーツマラソン」
      http://www.sweets-marathon.jp/
      2013/03/12
  • 三浦しをんさん、あさのあつこさん、近藤史恵さん。この三人ならハズレようがない。

    しおんさんは「 風が強く吹いている 」、あつこさんは「 バッテリー」、史恵さんは「 サクリファイス」。どれもスポーツを題材にした作品で高く評価されている。

    それぞれがニューヨーク、東京、パリを舞台に描く。元々はアシックスが実施したキャンペーン用に書き下ろされたもの。42.195kmに挑むランナーとそれを取り巻く人々。

    冬の体育の長距離走が大嫌いでなんとかインフルエンザに罹患しようと目論んでは失敗し、血の味を感じながら泣くなくグラウンドを走った私からすれば、信じられないくらい爽やかで楽しそうなランナーたち。

    どれも良かったけど私はしをんさんの作品が一番好きかなぁ。

    • HNGSKさん
      booksさん、私もこれ、 読みました。ナイスコラボ!!な作品でしたね。
       booksさん、一緒に42㌔、走りましょー。
      booksさん、私もこれ、 読みました。ナイスコラボ!!な作品でしたね。
       booksさん、一緒に42㌔、走りましょー。
      2013/01/14
    • hetarebooksさん
      ayakoo80000さん
      コメントありがとうございます♪
      本当、さわやかなコラボでした(*' '*)
      42㌔・・・・420㍍くらいで...
      ayakoo80000さん
      コメントありがとうございます♪
      本当、さわやかなコラボでした(*' '*)
      42㌔・・・・420㍍くらいで勘弁してやってください(><)笑
      なぜか連休明けに背中がバッキバキに凝っているhetareより。。。
      2013/01/15
  • 3編しか入ってないけど、どれも素敵な話だった。
    ニューヨーク・東京・パリ。
    たくさんのランナーが参加するシティ・マラソンの中で、きっとそれぞれのドラマがある。

    装画 / 大久保 ナオ登
    装丁 / 関口 聖司
    初出 / 株式会社アシックス2008~2010年WEBサイト・モバイルサイト期間限定キャンペーン「マラソン三都物語~42.195km先の私に会いに行く~」のための書下ろし。

  • 三編どれも、それぞれの良さがあって
    アシックスの企業イメージアップにつながってますなぁ。

    好きなのはあさのあつこ「フィニッシュ・ゲートから」
    一回挫折した人が、べつの立場で
    本当に復活するって並大抵じゃない。
    いろんなことがあっても、人はどうにか生きて行くのだ
    どう生きて行くのかは自分次第。

    三編はそれぞれの語り口で、
    走ることは、
    楽しいのだよ、面白いのだよ、
    と、言っているよう。

    でも、走らないけどね、私は。

  • 収録の3作に共通しているのは、主人公が挫折を抱えていること。挫折で受けた傷がシティマラソンを介して癒されていく。42.195kmを走るとなれば当然苦しい。ランナーは、その苦しみを吹き飛ばす何かがゴールにあると期待して走る。その何かとはゴールだけではなく、それまでの過程にもあるということが作品を通じてよくわかる。特に3作目の主人公がパリマラソン本番の序盤で「走ることは祈りに似ている。身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、体を透明にして、祈る」と感じていることに、1番共感を覚えた。どの作品も走り終えた後のようなさわやかさを残した。

  • FBで知り、気になってすぐに読みました。
    この本、注意!です。通勤で読んでて、面白くて地下鉄乗り過ぎました。ホントです(苦笑)


    3人の著者が、マラソンを題材に書いていますが一貫して、「走るのが楽しい。気持ちいい」と言うこと。
    この本を作るに当たり、スポーツメーカーが関わってるとか。ちょっとズルイよね。

    簡単に言うと・・・短編集で分かりやすい内容なので、書くとネタバレ確実!

    不覚にも、あさのさんの「フィニッシュ・ゲートから」で潤っと来ました。

    近藤さんの「金色の風」にある、『身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、身体を透明にして、・・・』と言う言葉に震えた。乗れてる時の感覚ですね。

    2010年10月発売の本書、読んで影響され海外へ走りに行った人も居るんだろうな。


    履き心地のイイシューズを買って、走りたくなる。
    見事に思惑に乗せられる1冊です。

    • ohsuiさん
      なんとも魅力的な作者さんたちが集まってますね、、気になります!
      なんとも魅力的な作者さんたちが集まってますね、、気になります!
      2012/08/09
  • それぞれにヒット作のある3人の作家の企画物。
    挫折感やほろ苦さ、こだわりや希望…
    いい感じです。

    「純白のライン」
    阿部広和は不動産会社に勤めている。
    社長に呼び出されて、ニューヨークシティマラソンに参加するツアーに行かされることに。
    社長の娘・真結が参加するのでそのお目付役だった。家庭的な会社で、若い広和は真結のおもり役もずいぶん務めたものだった。
    もとは陸上部だった広和だが、ブランクは10年。
    大学4年になって陸上の才能がないとやっと見切りを付けて、就職活動をし、面接で「努力の意味がわからなくなった」と本音を吐いた所、採用されたのだ。

    「フィニッシュ・ゲートから」
    南野悠斗はスポーツメーカーのシューズオーダーメイド部門に勤めている。
    8年音信不通になっていた友人・冠城湊から東京マラソンに参加するという電話が入る。
    中学高校と一緒に走っていたのだが、湊は控えの選手で、悠斗のほうが優秀だった。ところが焦りから疲労骨折を起こし…

    「金色の風」
    フランスに留学した香坂夕。
    バレエ教室を経営する母の元、幼い頃からバレエに打ち込んできたが、1年前にやめた。
    妹の朝美のほうがぬきんでた才能があり、朝美のハンブルグ留学が決まった後のことだった。
    部屋の前の通りをランニングして通る女性アンナと知り合う。
    金色の犬のベガと共に走っていたアンナ。
    「あなたもバレエという芸術の一部なのよ」と…

  • 大好きな3人の女流作家が描くマラソンの短編集。

    ニューヨークシティーマラソン・東京マラソン・パリマラソンを舞台とした3作品が収められている。

    どの作品も、その国の空気やその大会独自の臨場感を細かに伝えてきてくれ、爽やか。。
    軽いジョグ程度で前進しない私には少し刺激になったなw。

    個人的には「金色の風」がとても好きだった。
    バレエを挫折した女の子が目的もないまま、パリに留学。
    乾いた気持ちで過ごす毎日。
    ある朝、軽やかに走るキレイなブロンドの女の子と傍らを嬉しそうに併走するゴールデンレトリバーに出会う。。
    挫折と家族との溝、すさんだ自分の心に対する葛藤などがブロンドの彼女と1匹そしてマラソンに出会ったことで次第にほどけてゆく、という内容。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「軽いジョグ程度で前進しない」
      充分素敵です。私は学生終了と共に身体を動かさなくなりました、唯一走るのは終電に間に合わない時、チョッとの距離...
      「軽いジョグ程度で前進しない」
      充分素敵です。私は学生終了と共に身体を動かさなくなりました、唯一走るのは終電に間に合わない時、チョッとの距離を歩くのは、電車遅延で乗り継ぎに間に合わなかった時に一駅分。。。
      また関係無い話を書いてしまった、、、
      この本は文庫になったので購入済み、近々?読む予定です。
      2013/03/06
    • jamさん
      おぉ~、この本懐かしい!
      ジョグはゆっくりペースなので、私も電車めがけて全速力とかしたらちょっとの距離で死にそうになりますよ~~w。
      しをん...
      おぉ~、この本懐かしい!
      ジョグはゆっくりペースなので、私も電車めがけて全速力とかしたらちょっとの距離で死にそうになりますよ~~w。
      しをんさんの作品の中ではかなり好きな本です♪
      心の中を爽やかな風が吹き抜けますよ。
      2013/03/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっとの距離で死にそうに」
      私もです。。。
      「心の中を爽やかな風が吹き抜けますよ。」
      読むのが愉しみ、、、
      ASICSさん(でなくても、...
      「ちょっとの距離で死にそうに」
      私もです。。。
      「心の中を爽やかな風が吹き抜けますよ。」
      読むのが愉しみ、、、
      ASICSさん(でなくても、企業さん)、また粋なサービスをして呉れないものでしょうかねぇ、、、
      2013/03/08
  • 「走る」

  • タイトルに『シティ・マラソン』とあるように都会で走ることをテーマにした短編小説のアンソロジーです。
    それぞれの著者の執筆特徴がでたお話でした。
    どの作品も最後には新しい風が吹くような爽やかさがあります。
    私はあさのあつこさんの作品が好みでした。

    なにかやりたいけど先送りになっている、というか後回しになっていることがある人が読むと背中を押してくれるような軽いスターターのようなお話三編でした。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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