- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163291109
感想・レビュー・書評
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ニューヨーク、東京、パリの三つの都市で開催されるシティ・マラソンを題材にした中編小説集。
スポーツメーカーのアシックスのキャンペーンのために書き下ろされた作品をまとめたものだそうだ。
三浦しをんさん、あさのあつこさん、近藤史恵さん。
それぞれに競技スポーツを題材に傑作をものしている作家さん揃いの贅沢な作品集だ。
三作品とも、ハズレ無し。
歩く、走る。
それは当然、自分の力だけで前に進むことで、それを休みながらでも続けることでしか、さらにその先には辿り着けないわけで。
42.195キロという長い距離の先を目指す競技に、ついつい生きることそのものを重ねずにはいられない。
けれどその一方で、本格的な競技マラソンではなく、さまざまな人々が加わるシティ・マラソンならではの軽やかさで、前へ進み続けたその先には、きっと何かが待っていると伝えてくれる。
絶望的に運動神経の悪い私でも、もしかしてちょっとだけ走ってみたら、もしかしたら気持ちよくなれるのかも…?などと妄想してしまう爽やかさだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アシックスが企画したキャンペーン企画のために、3人の作家さんが書き下ろした作品。3人とも私の好きな作家さんだから、「こんなおいしい作品があるなんてー!!」と喜び勇んで一気読みしました。
ニューヨーク、東京、パリで開催されるシティマラソンに参加する3人の日本人男女。3人ともかつてはスポーツの世界にその身を投じ、そして現在はスポーツの世界からその身を引く立場。
広和は、会社の社長から無理やりニューヨークシティマラソンに出場するよう言われ、学生時代には知ることのなかった走る喜びを見出す。悠斗は、かつて自分の控えの選手だった同級生の湊が、8年ぶりにランナーとして東京マラソンを走ると連絡を受け、かつてのわだかまりを捨てて湊をサポートする決意をする。夕は、バレエに見切りをつけ、フランスに語学留学をする。そこでパリマラソンに参加し、バレエを通して味わっていた幸福に思い至る。
シティマラソンって、どこも盛況で、参加するのにも、ものすごい倍率を突破しないといけなくて、なんでみんなそこまでして走るんだろう?って、疑問だった。
走るという行為は、人間の欲求そのもので、走ることを通して人間は幸福を感じ、走るという行為と、その後にある達成感を感じたくて走るんだ、と3人の作家さんは書いている。なるほど。
かく言う私も、42.195kmを走った経験がある。たしかに、走るという行為には、魔力が潜んでいると思う。あんなにつらくて、泣きそうなほど苦しい行為のはずなのに、体の傷が癒えるとまた走りたくなる。
人は、自由のために、幸福のために、祈りのために、走るという行為を通じて手に入れられる多くのもののために、これからも走り続けるんだろう。
そんな私やあなたや多くの人たちのことを、心の底から愛おしく感じた。-
「那覇マラソンです。」
思わず「エっ暑くない?」と思ったのですが、ホノルルとかでも開催されるし、オリンピックは寒い季節じゃないですものね(物...「那覇マラソンです。」
思わず「エっ暑くない?」と思ったのですが、ホノルルとかでも開催されるし、オリンピックは寒い季節じゃないですものね(物知らずなので)。。。
綺麗な風景の中を走れたら気分が良いでしょうね!
えっと、実は「シティ・マラソンズ」文庫購入のご報告でした、、、2013/03/08 -
にゃんこさん>>那覇マラソンは、真冬にあります。でも、沖縄だし、ちょうどよさそうですよね。
対して、東京マラソンは、真冬の2月・・・アレは寒...にゃんこさん>>那覇マラソンは、真冬にあります。でも、沖縄だし、ちょうどよさそうですよね。
対して、東京マラソンは、真冬の2月・・・アレは寒そう・・・
文庫購入、おめでとうございます!!2013/03/08 -
「東京マラソンは、真冬の2月」
ニュースで見ましたが、熱気が凄いですね!あの格好で大丈夫なんですから凄いです。
ayakoo80000さん...「東京マラソンは、真冬の2月」
ニュースで見ましたが、熱気が凄いですね!あの格好で大丈夫なんですから凄いです。
ayakoo80000さんは、「那覇マラソン」に参加出来たら良いですね、私は此方を鑑賞?しようかな「走った人に、ご褒美を。スイーツマラソン」
http://www.sweets-marathon.jp/2013/03/12
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東京マラソンの倍率が5倍だったというエピソードが時代を感じさせる。大会が軒並み中止になるこんな時期だからこそ、こういう気持ちを忘れずに楽しく走りたい。爽快な読後感。
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三浦しをんさん、あさのあつこさん、近藤史恵さん。この三人ならハズレようがない。
しおんさんは「 風が強く吹いている 」、あつこさんは「 バッテリー」、史恵さんは「 サクリファイス」。どれもスポーツを題材にした作品で高く評価されている。
それぞれがニューヨーク、東京、パリを舞台に描く。元々はアシックスが実施したキャンペーン用に書き下ろされたもの。42.195kmに挑むランナーとそれを取り巻く人々。
冬の体育の長距離走が大嫌いでなんとかインフルエンザに罹患しようと目論んでは失敗し、血の味を感じながら泣くなくグラウンドを走った私からすれば、信じられないくらい爽やかで楽しそうなランナーたち。
どれも良かったけど私はしをんさんの作品が一番好きかなぁ。-
booksさん、私もこれ、 読みました。ナイスコラボ!!な作品でしたね。
booksさん、一緒に42㌔、走りましょー。booksさん、私もこれ、 読みました。ナイスコラボ!!な作品でしたね。
booksさん、一緒に42㌔、走りましょー。2013/01/14 -
ayakoo80000さん
コメントありがとうございます♪
本当、さわやかなコラボでした(*' '*)
42㌔・・・・420㍍くらいで...ayakoo80000さん
コメントありがとうございます♪
本当、さわやかなコラボでした(*' '*)
42㌔・・・・420㍍くらいで勘弁してやってください(><)笑
なぜか連休明けに背中がバッキバキに凝っているhetareより。。。2013/01/15
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フルマラソンにまつわる3人の作家さんの作品集。
三浦しをん
「純白のライン」→ニューヨークシティマラソン
あさのあつこ
「フィニッシュ・ゲートから」→東京マラソン
近藤史恵
「金色の風」→パリマラソン
この3作品に出てくる主人公たちは、完走タイムが早い。。。と、いうのが、自分の感想(笑)
自分も、過去に3回、名古屋ウィメンズに出ているが、制限時間ギリギリゴールの遅遅ランナー。
だから、この3人は速いなーと思う。
自分は、半年前から準備を始めるくせに、3回ともに「もう出るのやめようかな。出走自体やめようかな」をマラソン一ヶ月前くらいからグチグチ言い出す。
でも、出てしまえば、途中で自主リタイヤなんてできない性格なので、頑張る。
出るまでは嫌だー!と思いつつ、ゴールをした後に感じるやり切った感がすごい好きで、またやりたいとか思っちゃうけど。
この作品の中で一番好きなのは、「純白のライン」かな。
人としての生命力を思い出させる感じがした。
コロナが収束したら、またフルマラソンにチャレンジしたいな。
そして、また、「出走やめようかな。。。」と、当日が近づくたびに、ぐちぐち言うのだろうが。。^^;
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マラソンって良いなぁと素直に共感。
NYマラソンのくだりでははコースを地図で確認し想いを馳せプチ旅行気分を味わったりも。
三浦しをんさんの紡ぎ出す物語も格別だった。
一緒になってコースを四苦八苦していた。
あさのあつこさんの東京マラソンもよかったが
なんといっても近藤史恵さんの描くおふらんすは圧巻。 挫折とともに見えてきた新しい生活がとても素敵でこれまたプチ旅行。
短編なのに充分すぎるほどに堪能できた作品でした。 -
三編どれも、それぞれの良さがあって
アシックスの企業イメージアップにつながってますなぁ。
好きなのはあさのあつこ「フィニッシュ・ゲートから」
一回挫折した人が、べつの立場で
本当に復活するって並大抵じゃない。
いろんなことがあっても、人はどうにか生きて行くのだ
どう生きて行くのかは自分次第。
三編はそれぞれの語り口で、
走ることは、
楽しいのだよ、面白いのだよ、
と、言っているよう。
でも、走らないけどね、私は。 -
それぞれにヒット作のある3人の作家の企画物。
挫折感やほろ苦さ、こだわりや希望…
いい感じです。
「純白のライン」
阿部広和は不動産会社に勤めている。
社長に呼び出されて、ニューヨークシティマラソンに参加するツアーに行かされることに。
社長の娘・真結が参加するのでそのお目付役だった。家庭的な会社で、若い広和は真結のおもり役もずいぶん務めたものだった。
もとは陸上部だった広和だが、ブランクは10年。
大学4年になって陸上の才能がないとやっと見切りを付けて、就職活動をし、面接で「努力の意味がわからなくなった」と本音を吐いた所、採用されたのだ。
「フィニッシュ・ゲートから」
南野悠斗はスポーツメーカーのシューズオーダーメイド部門に勤めている。
8年音信不通になっていた友人・冠城湊から東京マラソンに参加するという電話が入る。
中学高校と一緒に走っていたのだが、湊は控えの選手で、悠斗のほうが優秀だった。ところが焦りから疲労骨折を起こし…
「金色の風」
フランスに留学した香坂夕。
バレエ教室を経営する母の元、幼い頃からバレエに打ち込んできたが、1年前にやめた。
妹の朝美のほうがぬきんでた才能があり、朝美のハンブルグ留学が決まった後のことだった。
部屋の前の通りをランニングして通る女性アンナと知り合う。
金色の犬のベガと共に走っていたアンナ。
「あなたもバレエという芸術の一部なのよ」と…
著者プロフィール
三浦しをんの作品





