ボーダー ヒートアイランド4

  • 文藝春秋 (2010年4月26日発売)
3.75
  • (45)
  • (70)
  • (60)
  • (10)
  • (4)
本棚登録 : 402
感想 : 69
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784163291505

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヒートアイランドシリーズ最終章。読むのが数年ぶりだったので、桃柿コンビとアキのことは覚えていたものの、本作の主人公の一人であるカオルのことは読んでもあまり思い出しませんでしたが、完結してしまった(と思っていた)作品の後日譚を読むのは格別の楽しさがありました。暴力描写は垣根作品ならではでまぁまぁきついものの、カラッとしていてクールな作風なのもとてもいいです。恰好悪くて恰好良くて覚悟があって腹が座っている良い感じの男性の登場人物たちに比べると、女性たちの在り様が残念なのですが、それはシリーズの前提というか世界観がこうなので仕方がないかもしれません。情報化社会でシノギを削っていかねばならない現代のヤクザの事情みたいなものも垣間見られたり。合法か違法かということは絶対ではなく、あくまでひとつの物差しであり、とりあえずこういうルールにしときましょうというある種の妥協の産物であるということを改めて思ったりしました。
    追記:ほかの方の感想を読んで、中西が『午前三時のルースター』に出てきた高校生と同一人物と知り、そうだったのか!と驚き、再読したくなりました。

  •  もっと暴れ回って欲しかったなというのが正直な感想。でも、解散後、全く登場していなかったカオルが出てきたり、『午前三時のルースター』で登場した少年、慎之介が東大生となって出てきたりと、ファンなら思わずニヤリとしてしまう内容。

     今回は、柿沢、桃井、アキはあくまでも脇役的存在。慎之介と、義理の妹、アキラ、それからカオルがメインとなる物語。犯罪小説というより、青春小説の要素が強くなっています。

     まだこの『ボーダー』を読んでいない人は、『午前三時のルースター』を先に読むことをおススメします。

    • chie0305さん
      ひとしさんは垣根涼介祭りですね!
      私は「ノエル」挫折したので道尾さんの感想をひとしさんに言えず…。でも、「鏡の花」はなかなか興味深かったで...
      ひとしさんは垣根涼介祭りですね!
      私は「ノエル」挫折したので道尾さんの感想をひとしさんに言えず…。でも、「鏡の花」はなかなか興味深かったです。こういう書き方もあるんだ~、って。ここ最近、高1の娘の成績があれで(汗)心安らかに読書出来ず、そのせいなのかどうか、最後まで読み切れない本が数冊ありました。ひとしさんの読みたいリストすごいですね。瀬尾さんの「あともう少し~」好きだったな。
      2017/09/08
    • chie0305さん
      人間力…。それも、あれれな感じですが。でも、ありがとうございます。ちょっと元気出たかも!
      人間力…。それも、あれれな感じですが。でも、ありがとうございます。ちょっと元気出たかも!
      2017/09/09
  • 第一作のヒートアイランドが戻ってきた!カオルちゃんは一体なにをやっていたのか。大学生になったカオルちゃんが同窓会パーティーをする話。プロが3人と、東大生2人と、その人たちに勘がいい、アタマがいいと言われる人たちが出てきちゃうわけなので、もはやよくわからない念押しが続く。そうゆうわけだ。わかるよな?。そう、だったのだ。指示語のオンパレードで、こちらもハッタリの頭の良さが求められる。ちょっと設定を贅沢に使いすぎな感じもするけど、第一作目が好きな方は、二作、三作すっとばしてもいいかもしれない。

  • 面白かった。
    彼らの原点に立ち返る物語。
    成長したように思えたアキと、柿沢たちのプロ意識の差。
    ゆれるアキに、はらはら。
    仕事ぶりに、いつもの痛快さが戻って、楽しかった。
    懐かしいカオルが登場。
    彼のその後を読めてうれしい。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-6240.html

  • 「ヒートアイランド」に登場したカオルのその後が描かれていたので、期待して読み始めました。しかし、中盤から今ひとつな展開になり、「午前3時のルースター」のネタバレもあって残念な作品でした。

  • シリーズものと知らずに読んだが、面白かった。昔雅がどうやって暴力団を壊滅させたのか興味がわいたので、前のも読もうと思った。

  • 昔の人気作品にすがっている感じが残念でした

  • せっかくのクライムノベルが台無し・・・

    ヒートアイランドシリーズ第四作。ストリートギャングから裏稼業に手を染める事になったアキとかつての仲間カオルが再開。せっかく前作前々作でいい感じのクライムノベルになってきたのにい、過去のぶり返しで作者特有のスピード感が失速、幼稚な話になってしまった。

    最終章で出てきたテーマ曲って映画版(残念ながら不発)の主題歌じゃん!その辺りでも安っぽくなってしまった。今回は柿原と桃井の活躍も少なかったので次回作に期待したい。この作者はクルマ好きなのだろう、相変わらずその辺りの描写は(本シリーズに限らず)力が入っていて引き込まれる。

  • 「ヒートアイランド」の後日談に「午前3時のルースター」の後日談をミックスした話。面白く無い事はないが、冷蔵庫の余り物でチャッチャと作りました、的なストーリー。

  • 渋谷のチーム「雅」を解散して3年。
    カオルは東大生となり、アキは裏金強奪のプロとしてそれぞれ別の道を歩み始めていた。
    ところが、ファイトパーティを模したイベントを見たという級友の話を聞き、カオルは愕然とする。
    あろうことか主催者は「雅」の名を騙っていたのだ。
    過去の発覚を恐れたカオルはアキに接触するが…。

    コンビ復活にわくわくする!!

全69件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

垣根涼介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×