女占い十二か月 春告鳥

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 92
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163291604

作品紹介・あらすじ

江戸時代、実際に売られていた占い本から想を得て、一月から十二月まで、その月に生まれた女の人生を描いた傑作時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代に書かれた、生まれ年や、生まれ月にちなんだ、占い本「女用知恵鑑宝織」を元に、1月から12月までの生まれ月の女の人生を、江戸情緒たっぷりに書かれた、短編集。

    先ず、自分の誕生月から、読んでみた。
    10月生まれは…
    『前世にて殺生をしたる報いにて、父母兄弟に早く離るるか、子に縁なかるべし。ただ、貧なる一門にたびたび合力したるゆえ、衣食の縁あり。神仏を信じ、夫の親類を親しくして良し』

    えっと・・・

  • 杉本章子さんの時代小説『春告鳥ー女占い十二ヶ月』を読了。帯に『江戸時代、実際に売られていた占い本から想を得て、一月から12月まで、その月に生まれた女の人生を描いた傑作時代小説』と書いてあったが、時代考証がしっかりされている感じで、かつ人の営み・諍い・悩みの数々は何百年たってもたいした変わりがない物だという事を見事に感じさせてくれる12の物語が集められた作品だ。占いは話の始まりや締めへのきっかけとして使われているだけなので売占い云々に興味のある方には拍子抜けの内容だろうが、力強く生き抜いて行く江戸の女性達が素敵に描かれていて明るい花比ばかりではないのに読後感は以外にすっきりだ。
    そんなどこかであった事のあるような一途で健気な女性田達のお話を読むBGMに選んだのはユーミンのベストアルバム”
    日本の恋とユーミンと”。昭和の名曲も多く収められているが古さを感じない。未だにドキッとさせてくれる曲も多いなあ。根岸のドルフィンから下ったところに住んでいたのも思い出した。https://www.youtube.com/watch?v=K05kwmqOXmY

  • 読みやすいので、さくさくと読み終える。
    でも、話の内容は、どちらかというとかなしいお話し。

  • 「女用知恵鏡宝織」とやらは実在すんのかな。生まれ月十二に分類されてて、短編もちょうど十二編。あたしの生まれの七月の「ト一のおれん」の話がいちばんすきだった。占いは、ぜんぜん信じるほうじゃあないんだけど。おもうようにいかない人生は、いまもむかしも一緒だよなあ。「一文獅子」「冬青(そよご)」「春告鳥」「空木(うつぎ)」「つばめ魚」「あした天気に」「ト一のおれん」「秋鯖」「ごんぱち」「夕しぐれ」「お玉」「万祝(まいわい)」 あした天気に、のお紺も、1編の長編にできそうだよねえ。「ごんぱち」のラストもすきだなあ。杉本さんが描く吉原の女のプライドと情みたいなのってリアリティがあって好きなんだあ。女の幸せってさあ、なにもかも持っているより、いろいろ足りなくて不満も不安もあるけど、たったひとつ、大事なものを持ってるかどうかってとこで決まるんだよなあと、しみじみ。

  • 本の帯に「女の吉凶をズバリ。江戸の占い本が巻き起こす12人の泣き笑い」 「江戸時代、実際に売られていた占い本から想を得て、一月から12月まで、その月に生まれた女の人生を描いた傑作時代小説」と書いてある。
     「女用知恵鑑宝織」という占い本は1月から12月まで、その月に生まれた女の性質や吉凶が書いてあるという。 ある者は嫁ぐ前に祖母から、ある者は廓の中で出入りの貸本屋から薦められ自分の誕生月を読んだらしい。
    相変らず江戸時代の事を書かせたら時代考証、登場人物が素晴らしい。

  • 私が時代小説を好むのは、リアルな生々しさがないからだな。ファンタジー的な楽しみ方。なのでハッピーエンドが好き。この作品はちょっと苦い終わりもあったけど楽しめました。

  • 睦月、如月、弥生、卯月・・・旧暦の呼び名はなんと季節感あふれて素敵なのでしょう。
    タイトルから想像できる通り、江戸もので女性の行き方を12人分オムニバスに語られています。軸に走るのが占い。
    なかには、《前世にて牛を殺したる罪にて・・・》などのオゾマシイ月もありましたが、私の卯月は、なかなかいいです。
    《前世にて慈悲心ありて、貧たる者に食べ物着る物を与え、老いたる人を敬いしゆえ天より財宝を賜り、良き夫を持つべし。しかれども此の世にて、夫おや姑に逆らうこころあらばよろしからず》
    気分もよく一気に読めたので☆五つです。

  • 杉本さんの本にはめずらしく(?)かわいらしい表紙だな〜しかも 女子が好きそうな占いだしこれはいつもと違う層の人も手を伸ばすかもなーんて いらぬことを考えてしまいました内容としては 愛憎モノも多いのにいつもカラリとした印象読後に 心の中がちょっぴりホワ〜っとしたりしてあと 今私たちが普通に使うことはあまりない言葉なんかも(道具の名前とか)変に説明しないでサラリと書いてあるのも気持ちがいい

  • まず表紙の絵が面白い 12ヶ月分どっぷり江戸時代の雰囲気 ストーリーを追いすぎると江戸言葉にひっかかる 一言一言江戸を楽しむ余裕で読むといい 充分に取材されていて感心する 女性の占い好き 雑誌などの占いに熱中する現代と通じるものあり

  • とても細やか。

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著者プロフィール

すぎもと・あきこ
1953年、福岡県八女市生まれ。ノートルダム清心女子大学国文学科卒業後、金城学院大学大学院修士課程修了。江戸文学を学ぶ。1980年「男の奇跡」で歴史文学賞佳作入選、作家デビューを果たす。1989年「東京新大橋雨中図」で直木賞受賞。2002年『おすずーー信太郎人情始末帖』で中山義秀文学賞を受賞。近著に『起き姫 口入れ屋のおんな』など。本作は「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ4作目の完結編となる。

「2016年 『カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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