小さいおうち

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 669
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163292304

作品紹介・あらすじ

赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。

感想・レビュー・書評

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  • いちばん頭の悪い女中は、くべてはいけないものを火にくべる女中。
    並みの女中は、くべておきなさいと言われたものを火にくべる女中。
    優れた女中は、主人が心の弱さから火にくべかねているものを、
    何も言わなくても自分の判断で火にくべて、そして叱られたら、
    わたしが悪うございました、と言う女中。

    最初に奉公した家で小説家の小中先生に教わった、女中としての心得を忠実に守り
    大切な奥様の秘密を、火にくべるかわりにそっと仕舞い込み、
    そのせいで奥様と疎遠になっても、後悔も罪も一身に引き受けて生きたタキ。
    その覚悟が、あまりにけなげで美しくて。

    歴史の授業では、戦争に向かう陰鬱な時代と教え込まれた昭和初期を
    オリンピックや万博への期待が高まる時代として
    明るく生き生きと描いているのが新鮮で、うきうきと読み進めた前半。
    読み終えた時、あの心躍るような明るさは、田舎から出てきた少女のタキが
    夏の午後、白地に青い水玉模様のワンピースで飛び出してきた時子奥様を
    眩しい光のように目に焼き付けた日から、世界のすべてを
    奥様という光を通して見ていたからだったのだ、と気づくのです。

    生まれた時から過ごした実家でも、リタイアして悠々自適で過ごす家でもなく
    たった2畳の階段奥の自室をいとおしみ、奥様とぼっちゃんのためかいがいしく働いた
    あの赤い屋根に白いポーチの小さいおうちだけが、タキの心の家。

    そして、タキから奥様へと向けられた想いは
    奥様の親友、睦子が抱いていた狂おしいほどの恋とも、
    愛とも、献身とも、忠節ともどこか違って
    たったひとつの光を眩しく仰ぎ見て、その明るさを翳らせるあらゆるものから
    身を挺して守ろうとするような敬虔さを湛えていて、切なくなります。

    タキ自身も掴みかねていたそんな想いを
    奥様に恋していた板倉だけが静かに理解し、描いた絵が
    小さな窓の中から、女性がふたり、手を繋いで外を眺めている
    この本の愛らしい表紙だったのだと知ったとき、また新たな感動がこみ上げて。。。

    心にしみる、忘れられない物語です。

    • まろんさん
      kwosaさん☆

      ずっと気になっていたくせになかなか手に取れなかったこの本を
      読むことができたのは、kwosaさんの魅力的なレビューのおか...
      kwosaさん☆

      ずっと気になっていたくせになかなか手に取れなかったこの本を
      読むことができたのは、kwosaさんの魅力的なレビューのおかげです。
      ほんとうにありがとうございました!

      赤い屋根の小さいおうちで、あんなにも明るく生き生きと暮らしていたタキの姿を
      本の中でずっと追いかけてきた人たちには
      タキの奥様への想いを、単なる恋愛感情として片付けてほしくないなぁ、と思ってしまって。
      kwosaさんがそう!と言ってくださったこと、とてもとてもうれしいです。
      タキの想いごと、抱きしめたくなるような物語でしたね!

      kwosaさんお薦めの本は、全面的に信頼しておりますので、
      また素敵な本をぜひぜひ教えてくださいね(*'-')フフ♪
      2013/01/16
    • まろんさん
      vilureefさん☆

      いつまでも余韻の残る、すばらしいお話でした。
      vilureefさんもお好きだと知って、ますますうれしくなりました♪...
      vilureefさん☆

      いつまでも余韻の残る、すばらしいお話でした。
      vilureefさんもお好きだと知って、ますますうれしくなりました♪

      タキが小さなおうちで明るくきびきびと働いているところは
      本当に働きものの妖精のようで、まさにおとぎ話みたいでしたね。
      またもや不勉強さを晒すようではずかしいのですが
      私は中島京子さんも、この作品が初めてだったので
      ぜひ他の作品も読まなくちゃ!と張り切っているところです。
      2013/01/16
    • まろんさん
      kuroayameさん☆

      装幀がとても素敵で、見かけるとつい手に取りたくなってしまう本ですよね♪
      私も読もうか読むまいかずいぶん迷っていた...
      kuroayameさん☆

      装幀がとても素敵で、見かけるとつい手に取りたくなってしまう本ですよね♪
      私も読もうか読むまいかずいぶん迷っていたのですが
      ブクログ仲間さんのおかげで読む決心がついて、
      そして、読んでほんとうによかった、としみじみ思える本でした。
      図書館で、待たずに借りられるといいですね(*'-')フフ♪
      2013/01/16
  • 物語が二転三転するたびに、
    私の体は
    (え?え?なんでそうなる?)と、本に引きずられる様に
    のめり込んで行ったが、
    逆に精神の方は、
    少しずつ、少しずつ、離れて行った様に思う。

    と、言うのは

    物語の全てを見通そうとするには、
    距離をおくより他無かったから。

    登場人物への思い入れが深すぎて、
    近づき過ぎては、(全く何も見えなくなってしまう)と焦ったからだ。

    背景は昭和の初め頃。
    語り手のタキさんが、小学校を卒業後、
    女中奉公し始めた時代より始まる。

    そこで縁あって勤め始めた、一軒の『ちいさいお家』。
    そに住む家人と共に過ごした忘れられぬ日々の徒然がメインの話となるのだが、
    こんな風に端折って書いてしまうと、

    冒頭にてタキさんが
    「実は女中時代の話を執筆してみたいのだけれど…」
    と、編集者に申し出ても、
    「自分史みたいなものですか?」
    と、相手にもされなかった
    (確かに読みたい、と言う気持にはならないな。)
    話の一部分にしかならない気がするので、
    (これまで)に留めておこう、と思う。

    ただ、物語から、こーんなに遠く離れた所に佇んで、
    壮大なパノラマな景色に言葉を失ったままじゃあ、
    なんかもったいない気がするので、
    一言だけ記しておこう。

    思いのかなわぬ人生だった、と、
    悔いの残る事をしてしまった、と
    きっと誰もが
    ひとつやふたつ、抱える闇はあるだろう。

    その闇は恐ろしく、
    時に優秀で優しかったタキさんの心でさえ、壊してしまいかねない
    破壊力を秘めている。

    心とは、
    元々無い、ものなんだよ。

    と、聞いた事がある。

    でも、その無い心から逃れられないんだよ…

    どうしてかな?

    これまでずっと、謎であったのだが。

    苦しむタキさんを、
    苦しまなくてすむように、
    いつでも笑顔でいられるように。

    あたたかく、平和なおうちの中で、
    どうか怖い目にあわなくてすむように。

    と、願ってくれる、別の心があっただなんて!

    私が遠くから離れていないと、何も見えない気がする…
    と、感じたのは、
    この広すぎる人の心のせいだったのかな。

    ラストの章で、
    あのお二人が語り合ってるシーンが、とても印象的だった。

    • kwosaさん
      MOTOさん

      >私が遠くから離れていないと、何も見えない気がする…
      と、感じたのは、
      この広すぎる人の心のせいだったのかな。

      最終章『小...
      MOTOさん

      >私が遠くから離れていないと、何も見えない気がする…
      と、感じたのは、
      この広すぎる人の心のせいだったのかな。

      最終章『小さいおうち』の頁をめくった時の驚きと、なにかがこみあげてくる感覚がよみがえってきました。
      そしてふたたび表紙をみて「ああ」と声を漏らし胸が熱くなりました。
      2013/05/09
    • MOTOさん
      kwosaさんへ

      コメントありがとうございます!

      私は、奥さまの事をあれほど慕い、彼女が幸せになる事だけを願っていたタキさんが、大事なあ...
      kwosaさんへ

      コメントありがとうございます!

      私は、奥さまの事をあれほど慕い、彼女が幸せになる事だけを願っていたタキさんが、大事なあの手紙を奥さまに渡さなかった事…。それは本当に奥さまの為になったのだろうか?
      と、晩年苦しんでいたのが、とてもつらくって…。

      でも、でも、
      読み終えて、表紙の絵をずっと見ていたら、
      後悔と哀しみで充満しきっていたタキさんの心は、
      更に大きな心で包まれていた。

      自分は内側しか見る事が出来ないけれど、
      だから、寂しいけれど、
      (そんな事はないんだよ)

      どっかから、声が聞こえた様な気までしましたよ♪
      私も表紙みるたび、感慨深いものが蘇ってきそうな大事な一冊になりました。













      2013/05/10
  • 赤い三角屋根の小さいおうち。女中のタキが、旦那様と時子奥様と恭一ぼっちゃんと暮らした幸せな日々の記憶。

    戦前〜戦後を振り返るタキの回想録には、戦争が本格化するまでの市民の大らかな暮らしぶりと妙な高揚、無事を疑わない鈍感さがあって、史実を知っている身からすればその鈍感さがもどかしいような、何とも言えない気分になった。

    でも実際最初からあの戦争に絶望を感じたり負けを覚悟していた人なんてほとんどいなかったのだろう…

    タキ自身に舞い込んだ縁談や、時子奥様の道ならぬ恋、恭一ぼっちゃんとセイちゃんの間に生まれる確執…どれもリアルで、作者の自叙伝かとすら思わされる。

    語り手がタキから健史へと移り、彼がイタクラ・ショージの軌跡を辿る先に意外な真実が秘められていて…

    急に物語の色が変わって見える。不思議な作品。

  • ノスタルジック、そしてメルヘンチック!
    小さい赤い屋根の可愛い洋館に女中として奉公したタキさんを通して描かれる昭和初期のお話。
    戦時中にもかかわらずそこに描かれる世界はまるでおとぎ話のよう。小さいおうちでは外部と隔たれられ楽しい日々が続いている。
    ブリキのおもちゃや洋食レストランの記述はまさに昭和。
    なんだか資生堂パーラーでカレーが食べたくなったな。タキさんを思いながら・・・。
    あー、なんでもっと早く読まなかったんだろう。文句なしに☆5つ。

    • kwosaさん
      vilureefさん

      フォローありがとうございます。

      中島京子さんの『小さいおうち』
      本当にいい本でしたね。
      vilureefさんのプロ...
      vilureefさん

      フォローありがとうございます。

      中島京子さんの『小さいおうち』
      本当にいい本でしたね。
      vilureefさんのプロフィール文の
      >時々出会う「この本に出会えてよかった!」と言う気持ちを味わうために読書を続けています。
      >残りの人生あと何冊本を読めるのだろうか。
      すごく共感します。

      本棚を拝見。
      宮下奈都さん、原田マハさん、三浦しをんさん。
      最近はまり始めた作家さんの未読の本がいっぱいでわくわくしています。
      いろいろ参考にさせて頂きます。
      これからもよろしくお願いします。
      2013/03/12
    • vilureefさん
      こんにちは!

      私、kwosaさんのレビューとっても好きで花丸もつけてたから既にフォローしてるかと勘違いしてました(^_^;)

      こ...
      こんにちは!

      私、kwosaさんのレビューとっても好きで花丸もつけてたから既にフォローしてるかと勘違いしてました(^_^;)

      この本、と~っても好きです。
      中島京子さんの文章上手いですよね。
      他にも中島作品お勧めあったら是非教えてください!

      ブクログ仲間さんのレビューを読んでいると、読みたい本がどんどん増えてしまって前々から読みたいと思っていた大御所の小説などが後回しになってしまった困ります。
      私はいつになったら大江健三郎を読めるのだろうか・・・(笑)

      今後ともよろしくお願いします(^_-)-☆
      2013/03/12
  • 14の頃から女中奉公に出たタキの追想記の態で物語は進む。特別華美で裕福というわけではないけれど、品の良い赤い屋根の小さいおうちに住む平井の奥様に遣えるタキ。女優のように美人でおしゃれな時子奥様に惹かれ、生涯ここに遣えたいとまで思うタキ。そんなタキが見た小さいおうちの中の大きな事件、戦局の移り変わりや市井の空気。

    合間合間にタキのノートを読んで口を挟んでくる孫がいる。孫は言う。「事変」とかじゃなくてこれは戦争でしょ?そういう言葉でごまかさないで、とかなんとか。
    でも戦争という言葉で思い浮かぶ光景はなんとも大雑把に悲惨なものだと思う。きっと当時の市井の人間の感覚だと、事件とか事変とか、そういう言葉が適切だったのだろう。私はそういう細かな言葉の棲み分けをごまかしだとかは思わなけど、そういうタキ世代と孫世代の感覚の違いや年表には乗らない市民生活の息遣いも巧みに描かれている。小さいおうちの、たったひと家族のことを描いているだけなのに、実際に見たことはないけれど、ああこれが当時の東京だったのだろうな、とすんなりと腑に落ちる、そういう穏やかな空気に満たされた小説。

  • バージニア・リー・バートンのちいさいおうちもノスタルジックで物悲しい絵本でしたが、
    こちらの小さいおうちも郷愁を感じる切ないお話。
    まだどちらかというと若い世代なので
    タキおばあちゃんのお言葉に苦笑してしまうこともあったけど
    真摯な姿勢や奥に持ってる激しさに思わず背筋が伸びるような気がしました。

    引き込まれてしまうのはどうしてだろうな。
    ただ日記のように小さなおうちとそこに住む人たちのエピソードをつらつら書き綴っているだけなのに。
    タキちゃんが、ある種の頭の良さを持っている女中さんだからなのか。
    と思っていたら、最終章を読んでそういうことなのかぁとさらにじわーときました。
    「聖なるもの/守られたもの」を描いたラブストーリーなんだね。せつない。

    小さいおうちの紙芝居がすごく素敵。ありありと目に浮かぶんだけど。
    それもこの本のすごいところですね。

    戦前戦中の作品ていろいろあるけど、戦争を描いていないのってはじめて読みました。
    健史の現代感覚がいい対比になっていて、そういう意味でもおもしろかったです。

    • まろんさん
      ぎゅうっと抱きしめたくなるような物語ですよね。

      タキさんが存命中は、面とむかって手厳しいことばかり言っていた健史が
      亡くなったあと、タキさ...
      ぎゅうっと抱きしめたくなるような物語ですよね。

      タキさんが存命中は、面とむかって手厳しいことばかり言っていた健史が
      亡くなったあと、タキさんの足跡を丁寧に辿ってくれているのも
      なんだかとてもうれしくて、心が温まりました。
      2013/01/23
    • tiaraさん
      愛情というか憧れというか、タキさんの思いが詰まっていますよね。
      健史くんもなんだかんだ思いやりがあって、よかったですね。
      まろんさんの素敵レ...
      愛情というか憧れというか、タキさんの思いが詰まっていますよね。
      健史くんもなんだかんだ思いやりがあって、よかったですね。
      まろんさんの素敵レビューを読んでまた感動しました。
      2013/01/23
  • 初読

    おばあちゃん、と呼ばれるようになった元女中のタキさんの回顧録、
    という形で綴られる昭和の初めごろの物語。

    現在との場面も交差するが、タキの視点で語られているので、
    それゆえに浮かび上がってくる人物や心のやりとりや。
    私の好きな手法です。

    最終章で初めてタキ以外の人物の視点になり、
    そこに至るまでの様々なしかけが鮮やかに開き、
    ほうっと本を閉じ改めて表紙を見ると、そこに最後のしかけというには
    小さなものなのかもれない、でもじっと見入ってしまう絵があるのだった。

    生活の描写や昭和の若奥様の上品で魅力的な様子
    坂の上の赤い屋根の小さな洋館の可愛らしさや
    秘めやかな名付けられないような淡い感情、
    読み終わるのが惜しくなるような、魅力的な物語でした。

  •  まさかこんな戦争あたりの時代の話だとは思っていなかった。
    主人公のおばあさんの回想のように進むストーリーは、
    彼女がそのころに綴っていたノートを甥っ子が読み、口をだすというやりとりがあり新鮮。

    • まろんさん
      私も甥っ子くんと同じように、戦争のころって
      ひたすらキナ臭く、暗い時代だったに違いないと一括りに考えていたので
      この本に描かれた戦争初期の明...
      私も甥っ子くんと同じように、戦争のころって
      ひたすらキナ臭く、暗い時代だったに違いないと一括りに考えていたので
      この本に描かれた戦争初期の明るさ、
      勝利を信じて疑わないうきうきした雰囲気に驚きました。
      戦争の後、ポーチの残骸だけという痛ましい姿になった、赤い屋根の家の前に
      立ち尽くしていたタキの胸の裡を思うと、せつないですよね。。。

      2013/02/25
    • macamiさん
      ☆まろんさん
      ストーリーについての予備知識なく読んだので
      その点でまずびっくりでした。
      他の中島作品とはちょっと感じが違うような気がします。...
      ☆まろんさん
      ストーリーについての予備知識なく読んだので
      その点でまずびっくりでした。
      他の中島作品とはちょっと感じが違うような気がします。
      タキの心情の描かれ方が素晴らしかったと思います。
      2013/03/01
  • まるで昔の絵本のような、可愛くってレトロな装丁。扉をひらいて読み進むと、それが、語り手の「タキちゃん」が生涯愛した、赤い屋根とステンドグラスの「小さなおうち」、そして、まだお嬢さんのような「奥様」のイメージを表したものだということがわかってくる。
    しかし中島京子じしんは、甘いどころか、とてつもなく巧い作家だ。郊外の新興ブルジョワ家庭をきりもりする女中の目を通して、歴史書からは想像のできない当時の人々の「気分」が浮かびあがる。「坊っちゃん」にあたえられるブリキの玩具や、「奥様」の仕立てる服、「タキちゃん」が家族につくる食事、睦子さんが引用する吉屋信子の文章など、細かい道具立てに、微妙な空気の変化を映しだす手腕は、見事といったらない。
    もちろん、「タキちゃん」の現代っ子の甥が批判するように、この「小さいおうち」のおとぎ話のような愛らしさは、外の恐るべき現実に背を向けているからにほかならない。でも作者の筆は、のしかかる現実の重みに縮みゆく世界を、甘い感傷も皮肉もなく、切実な愛情をもってまっすぐに描きだす。それは最終章であかされるように、ひとが生き延びるために、心の奥で大切に守りとおした最後の領域だったのだ。
    「小さいおうち」を圧しつぶすものの重みを知っているからこそ描ける、小さきものの愛しさ。巧くて素直な筆致に、深く共感する。
    それにしても、タキちゃんのつくるごはんの美味しそうなこと。こんど試してみようかな。

  • 再読。
    前に読んだ時は、先に見た映画の印象が強くてその基準で読んでしまったのだけど、読み返したら映画は全然別物だったんだなと思う。
    カズオ・イシグロを思わせる、語りの信頼できなさ。
    人は「現実」を障子に開いた穴から覗いているようなもので、見えていないこともたくさんある。
    それが読者にまで波及する。
    構成も鮮やか。
    読み終えてしばらく経っても、ずっと頭の中で場面が繰り返されている。
    私この本、大好き。

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著者プロフィール

中島京子(なかじま きょうこ)
1964年東京都生まれの作家。『FUTON』でデビュー。著書に『小さいおうち』(直木賞)、『かたづの!』(河合隼雄物語賞・柴田錬三郎賞)、『長いお別れ』(中央公論文芸賞)等。2019年5月15日、新刊『夢見る帝国図書館』を刊行。

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