少女外道

  • 文藝春秋 (2010年5月27日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163292403

感想・レビュー・書評

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  • どれも鳥肌が立った。
    特に『標本箱』。2007年〜2010年に、戦争の湿度と臭いを感じる話が生まれたのか。
    まだ読める本が沢山あることが幸せ。

  • amazonで購入
    公共図書館で途中まで読んでた本

    あいかわらず好みの文体、どこか儚げ

  • 言葉の使い方が美しい。

    この時代の東京ことば、すきです。



    生死って、息をしているかどうかってことじゃない。
    からだが生きてても死んでしまうような出来事もあるし、
    その逆もまたある。

  • 「開かせて…」を読んだ時翻訳本みたいで、読みにく感じたが、この本は同じ著者が書いたとは思えないくらい文章が美しくあるときは妖艶であるときはぞわっとする一言では言い表せない作品だった。
    この世とあの世の境を漂っているような不思議な魅力がある。

  • 香りたつような文章の美しさ、旨さには惚れ惚れとするが、各小説自体に関してはいつもの皆川博子で、目新しさはないように感じた。相変わらず、という言葉がふさわしいように思う。安定した筆致で構築される幻想世界を求めている人にとっては本書はまさに最良のものだろう。ただ、「蝶」とはまた別の雰囲気を求めていた自分にとっては、いささか物足りなかった。

  • 戦争期の少女たちの短編集。
    道を外れていく狂おしい偏愛。
    背き歪んだ先にある不幸。
    残された者の悲哀。
    残酷な戦争下で交わされる、ひとときの夢のような美しい言葉たちに魅了されてしまう。
    『標本箱』『有翼日輪』が好みだったが、特に『祝祭』のラストは息を呑む鮮やかさで、何度でも味わいたい。


  • 戦中戦後の、少年少女たちの日常。
    日常なんだけれど、踏み外してしまいそうな、あやうさ。戦争という環境が、あちらとこちらの境目を曖昧にしている。あちらにいってしまうときの、背徳感、エクスタシィ。
    それらは日常と繋がっている、と思えるとなんとなく安心する。あちら側を感じながら、いきていくこと。
    少女外道、というタイトルがもう全て。

  • 少女外道
    巻鶴トサカの一週間
    隠り沼の
    有翼日輪
    標本箱
    アンティゴネ
    祝祭

    読み始めには耽美的な文章と映りましたが、その実、とても読みやすく、手を止めることがありませんでした。
    舞台は戦中戦後が主で、当時の特殊な状況が描かれています。ただ、泥臭いということはなく、むしろ逆でしょう。
    上品かつフェティッシュな場面が所々にあり、どきりとさせられました。
    皆川さんの著作は、エッセイ的な『辺境図書館』を別にして初めてですが、読み続けていくと思います。

  • 7話からなる短編集。
    2017.6再読。

  • 世界観に入り込めず途中でリタイア。

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著者プロフィール

皆川 博子(みながわ・ひろこ):1930年旧朝鮮京城生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞受賞。86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。著書に『聖餐城』『海賊女王』『風配図 WIND ROSE』『天涯図書館』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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