路地裏ビルヂング

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 189
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163293400

感想・レビュー・書評

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  • 初読み作家。連作短編集。
    築50年にもなる「辻堂ビルヂング」には、無認可保育園、学習塾、不動産屋、健康食品販売、広告代理店が2F~6Fまで入居する。それぞれの会社(フロアー)の人物を中心に1章~5章まで進み、最終章では売り物がころころ変わる1階の料理店に焦点を当て、辻堂ビルヂング誕生の話を描く。
    ひょんなことから、他のフロアーの人たちとの交流が芽生えるが、利害関係のない人たちが自然に集う飲み屋はいいものだなと。料理店のガンジャのキャラクターが良かった。

  • 6階建てのオンボロビルには6つのテナントが入っている。どれも小さな会社で、働いている人はどこか満たされない気持ちで働く。そんな人達の連作短編集。限られた環境の中で、それぞれ目標や存在意義を見つけ出す主人公達の気持ちが伝わる作品でした。ちょっと哀愁を漂わせつつ、人情味あふれる温かさも残してくれるラストも良かったです。

  • オンボロ雑居ビルに入っているテナント従業員たちの悲喜こもごも。
    最終章は人情味あふれるお話しで良いですね。

  • 雑居ビルのいろいろな店子たち。
    みなそれぞれ事情を抱え、文句を言いつつも逞しく生きている様子が清々しかったです。

    厚い人情味溢れるストーリーではありませんが、そこがまた現代社会らしく感じられた、さらりと乾いた人間味溢れる優しいストーリーでした。

  • 前々から気になっていて、初めて今回この作家さんの本を読んだけど、素敵だった。
    雑居ビルの店子のそれぞれのお話。健康食品会社、無認可保育園、不動産、広告会社、塾、飲食店、とバラエティーに富んださまざまな職種の人たちの喧嘩や立ち話、飲み、合コン。
    色んなかかわり合いがなんともいい。
    軽くもなく、重くもないのに、ちゃんとあったかい。
    人物描写が、いいなあ。
    他人だった人たちがだんだんいがみあいながら仲良くなっていく様子もいいし、それぞれの家族や友人との色んな確執に向き合っていく様子もいい。
    またこの作家さんの本、読もう。

  • 「仕事」って何?よい人ばかりではないが、みんなある種の潔さが感じられて心地よい。「がんじゃ」の合いの手がいい

  • 古い雑居ビルに入る店子さんちの連作短編

    それぞれにドラマがあり

    ほのぼのと暖かいお話です



    お話が変わるごとに業態が変わる

    一階の飲食店もいい味



    印象に残ったフレーズ

    「”面倒くさい”が口癖の人は、同時に”退屈だ”も口癖なんだよ」

  • 文句なしに面白かった。最後に舞台となった辻堂ビルヂングが解体されて物語も終わってしまうのがなんとも勿体無い。

  • 背表紙に見えていた顔がかわいかったので手に取った。こーゆーのクレイアニメってゆーんだっけ?とにかく表紙をみるとなんだか楽しそう。わいわいがやがやアットホームものかと思いきや一話目でキビシイ現実で、あー失敗した〜、読むのやめようかな、とも思ったんだが、でももう少し、と読み続けてると意外とよくて最後のお話まで読み切ってしまった。結構切実っぽかったりどーしよーもなかったりするんだけど、それでもなんてゆーかほのかにあたたかい感じでよかった。エンピツ先生にはがんばってほしいなあ。どっちにも、ね。面倒くさいが口癖の人は退屈だ、も口癖なんだよ、にちょっとぐさっときたなー。気持ちわかるわー。自分からは動かないくせに、周りが変わることを期待してるんだよな。あーもうどーしよーもない。風穴あけてやるってぐらいの気概私も欲しいよ。たとえ少々から回ってもでも前に確かにすすんでるんだもんなあ。でも居残りコースケぐらいの位置が私は好きかな。いろんな人が交わるところでそこにいるってなんか素敵。居残り佐平次はだまされる馬さんがなんかちょっと気の毒に思っちゃう。だます方よりだまされる側に立っちゃうんだよなあ。だからずっとそこにいていいという言葉ひとつ大切に抱えてきたコースケさんの気持ち、分かるわあ。あ、あとお嬢さん、あの人道祖神の神様かなんかかと思ってたんだけど結局オーナーだったってのが面白かった。あはは、ファンタジーじゃなかったなあ。

  • 怪しげな健康食品会社に無認可保育園に学習塾、不動産屋分室デザイン事務所。
    オンボロ雑居ビル、その名も「辻堂ビルヂング」には雑多な会社がテナントとして入居してます。
    そんな店子たちのドラマを描いた連作短編集。
    ハートウォーミングで元気をくれる話はよかったんですがこのジャンルはどうしても山本幸久さんが僕の頭の中では浮かんできてしまう。
    悪くない作品だっただけにちょっと残念でした。

著者プロフィール

1969年、岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で第8回小説新潮長編新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『イレギュラー』『厭世フレーバー』『タチコギ』『公園で逢いましょう』『JUNK』などがある。

「2017年 『泥棒役者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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