悪の教典 上

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4951
レビュー : 802
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163293806

感想・レビュー・書評

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  • 物語は教師の仮面を被ったシリアルキラー蓮見を視点ですすめられていく。冷徹で計算し尽くして殺人は行われていく・・・わけではなく、ほぼ行き当たりばったり。本人はうまく隠蔽したつもりではあるが、何か不都合があるとあまり意味なく犯行を行うので、読んでいる方は杜撰だなぁとしか思うしかない。同じ悪党を扱った福本伸行の『銀と金』で銀二が「憎いと思っても殺すな、殺す奴は世界が閉じていく」というセリフを言っていたがまさにその通り。物語クライマックスのあたりではもう意味がわからない。木を隠すには森の中ってそんなわけないだろが。木と人は違うのに・・・

  • 「ハスミーン」と明るい声をあげたのは蓮実教師が担任するクラスの生徒の一人。蓮実教師はその声を聞きながら、モリタートの旋律を口ずさむ・・

    おそらく、これほど怖い本は今まで読んだ事はありません。今、レビューを書く手が震えているほどです。あれほど嫌悪を抱いていた東野圭吾さんの【白夜行】に登場する雪穂でさえ、天使に見えるほどでした。それほどこの本に出てくるサイコキラーは人間の仮面をかぶった悪魔、という型道理の言葉では言い表せないほど人物。

    人と共鳴出来ないというのは、これほど恐ろしいことなのでしょうか。そして、この本に登場する悪魔と対極にいたのが憂美という少女。この悪魔が、唯一手をかけられなかった少女。彼女はどうしてこの悪魔の手にかからなかったのか?いや、どうしてこの悪魔は、この少女を手にかける事が出来なかったのか?少女は堂々と、その細い首を悪魔の手に差し出したというのに。

    その答えはいくつかあると思うのですが、一番教科書らしい答えは、悪魔が唯一好きになった少女だったから。しかし、愛という感情を持ち合わせていない悪魔は、それが愛と言う感情というものだという事も気が付かず、ひたすら力の入らない自分の両手を見つめるしかなかった・・皮肉な事に、ただ一人、そうなる事を一番望んだ彼女だったのに、それすら叶えられなかったのも悲劇だったと思います。

    それと、もう一つ私が考えた答えは、悪魔と天使は対極するものなので、磁石の同極同士を合わせた時のように目に見えない力で反発しあったのかも・・道徳な答えではありませんが、私はこっちの応えの方が、この本に似あうと思います。

    ああ・・それにしても私は今、猛烈に後悔しているのです。

    どうしてこんな恐ろしい本を読もう、なんて思ったのでしょう?

    前半だけでも十分怖かったのに、後半は更なる恐怖が待っている様子。でも、ここで止めるわけにはいかない。私もどうやらこの本を完読するのを立ち止まるポイント・オブ・ノー・リターンを通り過ぎてしまったようです・・。私の中のポイント・オブ・ノー・リターンは悪魔が、カラスを処刑した場面でした。

  • 分厚いがすぐ読めた。不気味な進行具合。かなりゆっくりな展開。100冊目。

  • 漫画『モンスター』を思い出した。
    上は、蓮実の不気味さがず~っと続いていて、この人は一体何が目的なんだろう?!と考えていた。

  • 一気に読んでしまった。
    下巻に突入したい気持ちと、怖いので間を空けるか思案中。
    怖いもの見たさが勝つかな。

  • 期待はずれ。ただ悪い殺人のはなしだった。中学生が読むのはどうかと思う内容。

  • もう飽き飽きした。

  • 以前から登録してあったのだけど、映画化されると聞いて文庫で購入。面白いかどうかは別にして読みやすい文章だと思う。そしてキャストの伊藤英明さんもイメージによくあっていると思う。

  • まともな教師が1人もいないw

    上下巻で結構分量がある割には内容が薄い。
    もっとこう、いつまでも読んでいたい、この世界から抜け出したく無いと思えるような重厚な話が好きな僕には少し物足りないように思えた。
    あと登場人物が多すぎて把握するのが大変。
    登場するたびに新しい人物だと思って軽く読むのが一番正解かもしれない。
    印象に残らないキャラクターが多く、あまり支障は無いと思うw

    ただ、上下巻通して一度も読む手を止めさせないのはさすがだなと思う。
    特に後半は時間も忘れて一気に読んでしまったw
    ああいう殺戮シーンこそがこの人の真骨頂なのだろう。

    サイコパスによる大量殺人の話なんで、好き嫌いは別れるのかなぁといった印象です。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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