- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163294902
感想・レビュー・書評
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これまで「なんとなく」が重なって、佐藤多佳子さんの本をなかなか読まないでいた結果、なにやら敬遠気味になってしまっていたのだけど、とうとう手に取ってみたのがこちらの一冊。「なんとなく」の敬遠期間が長くなり過ぎた『一瞬の風になれ』はつい避けてしまった。
いや、しかし、なんということでしょう…私の好みであるところの「音楽系青春モノ」じゃないですか!(タイトルで分からなかったのか)
うん、これはいい。しかも4編入ってて全てそれ。
「第二音楽室」は鼓笛隊ピアニカ組(落ちこぼれ組)の小学生たち。
「デュエット」は音楽の授業で男女ペアを作ることになり、そわそわする中学生女子。
「FOUR」は卒業式のためにリコーダーのアンサンブルをやることになった中学生の男女4人組。
「裸樹」は中学時代にふとしたことからいじめられて、自分を変えようとするがなかなか上手くいかない軽音部の女子高校生。
どこかひりひり痛んで、でも音楽が奏でられた瞬間はその美しさと楽しさがすべてを輝かせてくれるような、素敵な「音楽系青春モノ」でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐藤さんの本を読んでいて、いつも残念だったのは
運動音痴の私が感じたことのない、走っているときの感覚がわからないこと。
それが、今回は「音楽」というキーワードがあり、かなり身近に感じた。
短編のどれもが自分の記憶に重なるような温かさがあって
心が震えるようだった。
自分もそこにいたような、懐かしいような。
「FOUR」の千秋の甘酸っぱさも心に響いたけど
私はやっぱり鈴花だろうな。。。なんて。
中でも「裸樹」は泣けてきた。
ヒリヒリするような痛み、突き動かされるような音楽。
ギターのことはさっぱりだけど、一番心に残った。 -
読んで良かった。泣いた。
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久しぶりに佐藤さんの作品を読みました。
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学年で6人だけ鼓笛隊に選ばれなかった小学生、合唱の試験を受けるために男女ペアを組むことになった中学生など、「音楽」を中心に紡がれる4つの短編集。
どの作品も学生が主人公であり、校内での人間模様や恋模様、秘めた思いや悩みが優しく、甘酸っぱく描かれている。際立つキャラクターは居ないけれど、出来事を通してそれぞれが前向きに、そして確実に1歩前に踏み出している姿が見て取れて微笑ましい。優しい気持ちにさせてもらえる1冊。 -
思っていたよりもおもしろかった!
一番は「FOUR」かな。
千秋にすごく共感できるとこがたくさんあった
最後に気持ち伝えてたからえらいと思う
でも最後の西澤…(笑)
あと中原が辞めちゃうの知ってあたしまですごく切なくなった。 -
ちょっとふわっとしてる。現実味があんまりないのは自分と似てないから、かなぁ。さらさらっと流れていく感じ。
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デュエットの話が好き。
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結論から言うと、聖夜の方が好みでした。。
が、音楽にまつわる短編集でそこそこ面白かったです。
なんだろう、掘り下げるテーマが聖夜の方がしっくりきたのかな。
この中では、デュエットとFOURが甘酸っぱくて可愛かったです。(そこは求めてなかったけれど)