- 本 ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163295701
感想・レビュー・書評
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史実とはかなり違うのかもしれませんね。
感情移入できるかどうかは、別の話なのでしょうね。
創作ならお常さんのその後も書いていただきたいです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幕臣の娘、広瀬常が薩摩藩士の森有礼と結婚し、幕末から明治に向けて、不平等条約の解消に取り組もうとした物語。姑との葛藤や、欧州や清国から下に見られる差別に負けず、必死に学んで取り組む姿に感動する
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2016.6.27
文明開化にともなって、徳川の家臣だったお常が自分の信じた道を切り開いて行こうとするお話
しかし政治的策略や個人の野望や世界の渦に巻き込まれ 失望し生きる意欲も無くしていく
でも、そこでほんの一筋の光を見つけて立ち上がってゆくお常さんの芯の強さ!
感動ものでした! -
明治の時代に生まれた主人公が、選ばれるべくして選ばれ、日本外交の顔となっていくのだが、女性であるが故の時代の偏見、アジア人であるが故の海外での辛苦が、主人公の凛とした強さを際立たせる。
これほどに理想をなくさずに自分の人生を歩める人は現代にいるだろうか。まさに時代が生んだ、信念のある女性である。 -
薩摩藩士から外交官になった森有礼の妻お常の物語。
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初代文部大臣・森有礼。
福澤諭吉らと明六雑誌を起こし、英語を公用語にと唱えた人物。
少々行きすぎの感はあるけれど、学制を整えて功績、
国民皆学の精神は、今も評価されている。
でも、外交官時代はどう????
全然知らない……
でも、夫人との契約結婚は知っている。
本書は、その妻・広瀬常をヒロインに、明治初期の夫妻の不平等条約改正のための夫妻の努力を描く。
結果として、その努力は報われず、夫妻も離婚をするのだけれど……
森が文部大臣として活躍するのはその後のこと。
もちろん、夫の陰で、外交努力を惜しまなかった妻の存在など全く知らなかった。
女子教育が良妻賢母へと突き進んでいく以前の、自由な本当の意味での女子教育を受けた女性だったのだろう。
広瀬常といえば、美貌で知られ、失恋したお雇い外国人ライマンが「一生妻を娶らない」と言わしめた女性だ。
しかも、旗本の娘……
黒田清隆夫人・清や大山巌夫人・捨松のように、この時代、いわゆる官軍と敗者の令嬢との結婚はよくあることだったのだろうか。
物語の中で、「薩摩の男と踏み台にして駆け上がって見せる」そんな気持ちがあったのかもしれない。
そういえば、捨松は津田梅子と共にアメリカへ渡った少女の一人であることも面白い。
小説としては、意外と知られていない、でも、物語としては確実に絵になるヒロインを据えたこと、その材料選びがうまい。
そこに勝者である薩摩藩士の森の不器用さとズルさを掛け合わせたことが絶妙だと思う。
個人的には、佐幕派の私。
父の友人である老・幕臣の薩摩批判に、よくぞおっしゃってくださったと快哉を叫んだ。 -
女性のしなやかさや、粘り強さには同性としても凄いと思わせられる所が多々ある。当時の日本はまだまだ男社会であっただろうし、女性がいまほど生き易い環境で無かった筈。
その中でも、自分を持ち力強く生き抜くという美しさを感じた作品。 -
読んでいてすごく戦闘的になった。
ウィキペディアで常さんを引いたが載っていなかった。
こぶしの実を見てみたいと思う。
著者プロフィール
植松三十里の作品





