タイニーストーリーズ

  • 文藝春秋 (2010年10月29日発売)
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  • 本 ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163296906

感想・レビュー・書評

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  • 「放課後の音符」を読んで山田詠美おもろ〜〜〜!と、彼女の作品を読み漁り始めた私です

    これは表紙が洋書みたいで素敵だったのでジャケ借り!
    いや〜やっぱ山田詠美素敵だよな…!
    何が?って言われると感性やセンスと言われる部分かな

    知識と知性は違う 知性はこちらに伝わってこないで右ストレートをくらい、年の差に意味がなくなる瞬間が恋の醍醐味に感嘆し、催涙雨(さいるいう:7月の雨。年に一度の逢瀬なのに叶わない織姫と彦星の涙の雨)のくだりにうっとりした

    次は「ぼくは勉強ができない」を読むぞ〜♪

  • 死んだ母の遺品に「パパ」という言葉が使われ物議をかもす
    「マーヴィン・ゲイが死んだ日」
    人間や犬に辟易していた電信柱がさくら草に恋をする
    「電信柱さん」
    アルコール中毒治療のため入院中の夫を見舞う
    「催涙雨」
    日本を離れるアメリカ人兵士と慣れない横浜で落ち合う
    「GIと遊んだ話(一)」
    普通の不幸な主婦が百歳に向けて目標を立て生き生きしだす
    「百年生になったら」
    幼い頃から王女様と小間使いのような関係を続けている
    「宿木」
    大ファンである女流作家に声をかけられ有頂天になる
    「モンブラン、ブルーブラック」
    酔うとヴェトナム戦争の武勇伝を話し出す老兵と踊る
    「GIと遊んだ話(二)」
    優秀で要領のいい兄と自分、ホームレスを比較する
    「微分積分」
    ドラマティックな恋愛を演出するためお互いの裕福さを隠して不倫をする
    「ガラスはわれるものです」
    思いやりをもつためにお金を稼ぎまくる
    「LOVE 4 SALE」
    知性があると思って結婚した男はただの本好きだった
    「紙魚的一生」
    親友と兵士と一緒にキャンプ富士に忍び込む
    「GIと遊んだ話(三)」
    パン屋の兄弟の兄に完璧に征服されたいと願うようになる
    「ブーランジェリー」
    猫好きのおじいさんの家に通ううちに介護士のお兄さんに恋をする
    「にゃんにゃじじい」
    父とは違い人前で泣かない男に育て上げられ、母の死後涙が尿となる
    「涙腺転換」
    下の階に住む夫の浮気が原因の夫婦喧嘩にうんざりする
    「GIと遊んだ話(四)」
    大学講師をしながら定年後の年上の男と不倫を楽しむ
    「クリトリスにバターを」
    大学教師の彼女からマリファナを教わる
    「420、加えてライトバルブの覚え書き」
    小学校の頃いじめられていた女に復讐をするべく近付く
    「予習復讐」
    離婚の決意をしたとき、浮気して別居していた夫が戻ってきた
    「GIと遊んだ話(五)」
    装画:3rdeye 装丁:野中美雪

    前向きになれるのかと思いきや最後に落とされる「百年生になったら」、
    大好きな女流作家に自分の経験を盗まれる
    「モンブラン、ブルーブラック」、
    大人と子供の境にいる少女の気持ちが描かれる「にゃんにゃじじい」
    が好きでした。
    「電信柱さん」「紙魚的生活」「涙腺転換」は
    ファンタジックな感じがして少し意外。

    GIシリーズは得意分野なのだと思いますがあまり好みではありませんでした。

  • 短編集なので 読みやすい。どの話しもホロっときた

  • エイミーのタイニーストリーズ(山田詠美さんの短編集)。

    黒人のアメリカ兵とのイチャつく話や、唐突に男性器を咥える話はよく山田詠美さんワールドだな、と感じた。既視感すらあった。

    「百歳の老婆になったら殺人!薬物乱用!放火だってしてやるんだ!だから百歳まで健康でいるんだ!」と意気込む主婦の話『百年生になったら』と、幼い頃から勉強もできて女の子からもモテモテで両親から期待されまくっている兄を、頭のなかで駅のホームレスに置き換える弟の話『微分積分』が読んでいてワクワクした。

    いつも通りの顔で普段通りの生活をしながら、心のなかで悪魔を育ててる人の話が好きなのかもしれない。
    ラブアフェアだのファックだのと言っている話は苦手なのかもしれない。

  • 祈るべき神なんか、私にはいない。でも、これから見つける、と告げて、安心させようとした。以後、神を見つけるべく、私の心は奔走した。そして、途方に暮れた。そんなもの、どこにもいやしないのだ。
    (P.333)

  • 124:いろいろなテイストの短編集。雰囲気もテーマもそれぞれ違うのに、どの作品にも山田詠美らしさがあって素敵。通勤電車で読むにはちょっと抵抗を感じる作品もありましたが、どれも「濃い」作品ばかり。まさに、山田文学!と一人で納得してしまいました。「電信柱さん」「催涙雨」「予習復讐」が好き。

  • 山田詠美小説のアソートボックスでいろいろなテイストの作品が読める。あれこれ読むとやはり「GIと遊んだ話」のようなブラザーとの恋愛ものが私は好きだな。

  • エイミーの超短編たちの詰め合わせ。米兵ってGI(government issue 官給品)って呼ぶのね。どの作品もひねりすぎてる気がするけど、山田詠美だと許せるのはなんでだろう。『電信柱さん』『420、加えてライトバルブの覚え書き』が良かった。

  • 少し色っぽい短篇が12.連作めいた「GIと遊んだ話」では米軍の兵隊の実態が日本人の女の目で見えるところが面白かった.特に驚いた話は「催涙雨」.エンドの”赤ちゃんヤモリ”が特異だった.

  • 短編集なんですが、どれもこれも面白い。

    特に面白かったのは、さえない主婦が、パート先で出会った万引き犯の老婆に影響を受けて、100歳になったらしたい事を、考える物語。

    しかも、そのしたい事は大体犯罪。
    若い男をレイプするという目標の為に「今から老けてらんない」とジム通いを始め、自分が変わると周りも変わって色んなことが上手くいく話。

    私は100歳までには死にたいけど、こんな目標を持つのもいいな。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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