田舎の紳士服店のモデルの妻

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 657
レビュー : 145
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163297101

感想・レビュー・書評

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  • うつ病の夫、まだ幼い二人の息子、主婦の梨々子。
    夫の田舎で暮らし始めた四人家族の10年間の話。

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    自分を悲劇のヒロインみたいに思っている梨々子さんがすこし哀れだったかな。他力本願すぎるとでもいえばいいのか。
    自分の夫がうつ病になった”せい”で田舎で暮らすことになってしまった、という態度はあまりにもひどくて、梨々子さんのそういうところがパートナーを追い込んだのではないかと思うと悲しくなった。
    家族みんなで幸せになろうとするのではなくて、パートナーが自分を幸せにするのが当たり前っていうふうに考えてたら何もうまくいかないと思う。初対面の人からも自分は笑顔を向けられる存在、と思い込めるその自信はどこからくるんだろう。
    都合のいいときだけ自分は自分、という具合に振る舞うのに、うつ病の夫に対しては「父親としてどうなの」と責めるような視線をぶつけるのはよくない。読むのがつらかった。

    田舎で10年暮らした梨々子さんがようやく色んなことに気づいてハッピーエンドになるわけだけど、何かを肯定するときに別の何かを否定する、というのを最後まで続けていてやっぱり変わってないじゃんと思った。
    人生に勝ちも負けもない。誰かと自分を比較する必要はない。

  • 自己評価の高い頭でっかちの主人公が、
    他のせいにして自分では何一つ行動しようとしないけど、
    不倫手前で気づいて見つめ直す話。
    ただの嫌な人間にしか見えない。

    それならそれでいいのにハッピーエンドに
    もっていくから釈然としない。
    鬱の設定、タイトル含めいまいち理解できなかった。

  • 宮下奈都さんの作品は好きなんだけど、これはイマイチはまらなかった。状況は何も変わってないのだけど、ハッピーエンド?なのだろうか。自分が子供を持ったらもっと梨々子の気持ちがわかるようになるのかなぁ。タイトルと内容もイマイチ合致していない気がする。2012/016

  • サラサラ読めたけど読後に何も残らないのはサラサラすぎるから?

    夫の病気も長男の才能も次男の発達障害(?)も、深く掘り下げられるわけでもなく最初から最後まで同じトーン。

    ただひたすらに主人公の心理描写。
    共感できないわけではないけど、長編なのにそれだけなのは、しんどい。

  • 結婚前に読んでたら違う気持ちで読めたのかな…。
    ごめんなさい、私はこの主人公嫌いなタイプの女性そのままでした…!
    この人は、50才になってもこのまま悩んでるんだろうなぁ…。

  • 子どもをもつ母親でないと共感することが難しい作品だと感じた。ただ流れとして、最初は田舎に住むことに抵抗を感じていた主人公が徐々にそこでの暮らしに慣れていく(もちろん、鬱に罹った旦那の回復、長男・次男の成長など家庭内の変化も大きい)というのは宮下さんの十八番(と僕が勝手に思っているのだけれど)の「成長」がテーマとして息づいている。読後感は良いのだけれど、一般的によく言われる(?)「女から母親になったときの気持ち」とか、女性特有の気持ちを残念ながら僕は汲み取ることができなかった。

    構成に少し茶々を入れると、なぜ2年刻みにしたのか。その理由がわからなかった。たいして拘るところではないのかもしれないけれどさ。あ、もう一つあった。次男の歩人(あると)の友達「きよち」、彼の存在が謎だった。いろいろ問題がある子だけれど、そんな彼にも友達がいるよということを示唆しているのか、だとしたらもう少し活躍させてもいいのになあとか思ったり。まあでも、この話の視点は主人公の梨々子だし、夫との関係だとか子育ての難しさだとかを描いているからそこは重要でないのかもなあ、なんか口出ししてすいませんて感じにもなるわけで。

    (グダグダになってきたので)つまり何が言いたいのかというと、世の中のお母さん(特に20後半から30後半の方)が読まれると「ああ、わかるわあこの気持ち!」と共感できるかと思うのです。

  • この著者は本当に合わない。この作品も非常に読みにくかった。
    途中で投げ出したいところをなんとかこらえて読み終わった。
    この主人公に感情移入できないし共感も全くできない。次男の発達障害も放りっぱなしの主人公。
    もうこの著者の作品は二度と読まない。

  • 夫のうつ病をきっかけに実家で田舎暮らしを始める。
    梨々子に移入できなくて
    イマイチ面白さがわからなかった・・。

  • 主人公に共感できず途中で投げ出しそうだった。

  • 東京に住むごく普通の専業主婦梨々子。
    会社の上司に紹介された、カッコよくて仕事も出来る夫と結婚し、幼稚園児と赤ちゃんの男の子2人のお母さんをしている。

    ある日夫が鬱病になったと訴え、北陸(たぶん福井)の実家に帰りたいと言い出す。
    田舎に帰る日を基点として、梨々子の誕生日を含む秋の季節の日々を2年ごとに10年間描いている。

    とにかく煮え切らない話。
    びっくりするくらい堂々巡り。

    田舎に連れてこられた自分を哀れんだり、東京のママ友たちを羨んだり劣等感にさいなまれたり、発達障害の気がある次男に振り回されたりする。
    そこから成長するかと思うとまったくそんなことはない。

    特に決定的に嫌な人や敵がいるわけではなく、むしろ梨々子自身が一番悪いやつじゃないかと思う。
    とにかく煮え切らない。
    少なくとも子供二人を理由に今の生活を守ることに専念する、という価値判断ならまだわかるけれど、そうでもないようだし。

    そして夫はといえば、結局10年経っても鬱は治らず、努力のかけらも見えない。
    最後まで梨々子をもやもやさせている。
    どこに魅力があるか私にはわからなかったし、梨々子が結局夫をどう思っているのか理解できなかった。
    なんだか救いようがない夫婦。

    そして、結局何が言いたかったのかわからない話…。
    日常なんてこんな色あせたものかもしれないけれど、それで終わったら物語の意味がなくないか。
    心がひりひりしだすにはパンチが足りない。

    とりあえず、こんな柔らかなイラストどおりのお話ではないです…。
    もやもや。

著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月映画化。『静かな雨』が2020年新春映画化が決まり、2019年6月6日文庫化される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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