ロードサイド・クロス

制作 : 池田 真紀子 
  • 文藝春秋
3.81
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本棚登録 : 699
レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163297200

感想・レビュー・書評

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  • 「ふぅ、おなか一杯馳走様」という感じでした。内容、スピード感、迫力、どれをとっても流石の一言。ニューキャラの登場で、今後どうなるか楽しみです。

  • キャサリン・ダンス カリフォルニア州捜査局捜査官、キネシクス(会話中の相手の何気ない動きや表情、言葉の反応を観察分析)の専門家 165cm 30代
    12歳と10歳の子どもの母で交通事故で亡くなった夫はFBI捜査官だった。

    キャサリン・ダンスシリーズ2作品目。前回の『スリーピング・ドール』から半月後の6月25日月曜日、パトロール警官が勤務明けにハイウェイの路肩に十字架(ロードサイド・クロス)と薔薇の花束が供えてあるのを見かける。翌火曜日日付けが変わった時刻に一人の少女が拉致され自分の車のトランクに押し込まれたまま海岸の波打ち際に放置され、少女自身が一番恐ろしいと感じる方法で殺害されようとしている。
    それを発端として路肩に十字架が発見されるごとに事件が起きる。
    被害者となった少女たちはネット《チルトンレポート》のブログで一人の少年をこき下ろしたために仕返しされたのか。問題のその少年が消え、事件は更に増える。
    前回同様「AからBへ、跳んでXへ・・・」キャサリン・ダンスの思考は跳躍し、例のごとく金曜日に事件は解決をみるのでした(めでたし めでたし)。

    リンカーン・ライムシリーズに比べ緊迫感に多少欠ける気もしますが、今回は作中にURLがいくつも出てきて本を読みながら実際にその問題となるブログなども見られるようです。残念ながらそのアドレスを開いてみても、英語を解しない私には理解できず、PCのLive Searchで翻訳してみても意味がさっぱりくみ取れません。これはとても残念なことです。そのうちこのブログを翻訳してネット上に発信してくれる親切な方が現れるのを待つしかないようです。

    「ネット上に発信した言葉は永遠に消えることはない。サーバー上に残る、永遠に。五年後十年後二十年後に誰かがひょんなことから目にするかもしれない。」(作中より) 

    気をつけましょう、こうやって感想を発信している今をも含め。

  • キャサリン・ダンスシリーズの2作目。
    ネット上で交通事故を犯した少年を批判した人達が襲われる。犯人は失踪した少年なのか…
    今作も素晴らしいどんでん返しぶりで、後半は一気に読んでしまいました。
    また、本筋の事件以外にも様々な展開があって盛り沢山な内容でした。
    ただ、個人的にはキネシクスの活躍する場面が少ないように感じました。
    前作がまさにキネシクスを全面に押し出していただけに余計気になったのかもしれません。
    贅沢な不満ですが(笑)

  • <キャサリン・ダンス>シリーズの2作目。


    数独が好きだ。3×3のブロックに区切られた 9×9 の正方形の枠内に1〜9までの数字を入れるパズルだ。そのマスにはその数字しか入らない、というところを見つけ、一つひとつ解いていくのがなんとも楽しい。

    ジェフリー・ディーヴァーの描く捜査官たちの活躍を読んでいると、いつもこの数独を解く感覚を思い出す。一歩一歩犯人に迫っていく過程が、数独のマスを一つひとつ埋めていく作業と重なる。どちらも証拠や論理のもとに導き出していくところがいい。

    ミステリ小説では、途中で「犯人がわかった」と得意になる読者もいるが、ミステリの場合重要なのはこの証拠や論理をもとにした推理と謎解きだ。
    「犯人はAだ!」だけではダメ。「なぜAが犯人なのか」という根拠を文中から拾い出した上で指摘してはじめて「わかった」といえるのだと思っている。
    根拠もなく勘であてたところでどれほどの意味があるだろう。
    数独のマスを勘で埋めるようなことはしないのと同様、ミステリ小説の犯人を勘やあてずっぽうで当てたとしても、それでは本当の快楽は得られない。

    とはいっても本書はエンタメ作品。ミステリというよりも心躍らせてワクワクしながら読む娯楽的な作品だと思う。ディーヴァーの<リンカーン・ライム>シリーズと同様、人気シリーズになるかもしれない。
    ただ、今回のダンスの捜査にはちょっとキレがなかったのが残念。

    それでもネット世界の怖い側面をわかりやすく知ることができた。ネット上である問題について語ること。肯定も否定もすることなく、ただ疑問符だけを残して。それはかなりの危険を呼ぶかもしれないと。それをこういう物語の形で知ったわけだが、恐ろしいものだと痛感した。

    もうひとつ良かったのは人と人との結びつきにおけるそれぞれの繊細な心の動きを描いていたところ。両親、友人、同僚、仕事を通して知り合った人、そして、容疑者。それぞれの人と人とが対峙したとき、揺れ動く心理の描写にはいろいろと考えさせられるところが多かった。

  • 長いが面白かった。気になる展開で読ませる。「ボーンコレクター」の人か。

  • まあ、よくもこんなにネタを仕込んだねという感じ。利害やイデオロギーの対立から、そのなかでの保身による行動まで、質の違った事件がやたら並行して起こり、それらが本筋に関係ありそうでなかったり、登場人物が必要以上に思わせぶりに描かれていたり、かと思えば唐突に現れた人物が物語の展開を大きく変えそうになったりするものだから、正直、気持ちが入りにくかった。得意のキネシクスが効果を発揮する見せ場もなく、逆にまどろっこしく感じてしまい、作者らしい緊張感の高いサスペンス色は全く色あせてしまった。ただ、キャサリンの三角関係的恋愛の行く末には興味を惹かれ、恋愛小説としておもしろく読めた。

  • 高校生4人の乗る車がガードレールのない道で、斜面に転落し二人が死亡するという事故が起きた。
    人気ブログが取り上げたこの事故の記事がきっかけで、「運転手」の少年に対するコメントが殺到した。次第に誹謗中傷はエスカレートし、ブログは炎上する。
    時を同じくして、ロードサイドに死を予告する十字架が発見される。
    狙われたのは、例のブログで『運転手」のを激しく中傷した女子高生たちだった。
    トラヴィス少年は孤独なオタクで、オンラインゲームのなかでは非常な殺し屋として有名だという...。
    これは、「運転手」の少年トラヴィスの仕返しなのか?


    今回は実は私、犯人が分かってしまった...。

    ディーヴァーなので、今回ももちろん「どんでん返し」があるのだけれど、これはちょっとどうなんだろう?
    前作までの完成度が高かったため、少し強引に結論づけたような気がしないでもない。

    今回一番著者が力を注いだのは、ネットという匿名社会の闇だろう。
    ネットの持つ最大特徴、匿名性は人間の本性をあらわにする。
    現実の社会では、ごく普通の人々がネットの匿名性の魔法のマントを羽織ると、信じられないくらいに他者に対して攻撃的になる。
    日本でも巨大掲示板などで時として炎上することがあるようだが、目の当たりにすると今更ながらに性悪説のほうが正しいのではないか思うほどだ。

  • ライム&サックスのスピンオフ作品。
    ダンス捜査官の第2弾。
    前回のスリーピングドールの続き。
    しかも、その時からあまり時間が経っていないときに
    起きた事件らしい。

    本作品ではわかりやすく
    複数の要素が出現し、それぞれ絡まりあう。
    ・ネットいじめが発端になった本作品のメイン事件
    ・スリーピングドールで大怪我を追った刑事ファン・ミラーの死は安楽死であったという事件
    ・スリーピングドールの本当に犯人との訴訟
    ・マイケルオニールの抱えているコンテナ事件

    いかんせんスリーピングドールの事件が
    かなり絡まっている。
    特にスリーピングドールの本当の犯人って???
    すっかり忘れている。
    カルト教団教祖のダニエル・ペルに協力していた女性が居たのは
    覚えているんだけど、訴訟事件に発展した犯人って???
    もう一度、スリーピングドールを読みたくなった。

    そして、ファンの死が安楽死で、しかもその犯人が…!
    そのことが関係して、ダンスと母との間に溝が生まれる。
    ダンスの母が子育てに自信を持ったときにその溝が埋まる。

    マイケルオニールの抱えていたコンテナ事件は、
    ファンの安楽死事件と深く関わっていたとわかるのは
    、最期の最期。
    結末が判れば、対した絡み具合ではないのだけど、
    読んでいた最中はコンテナ事件の詳細がわからず
    気になった、気になった。

  • いつも通り楽しく読めました。ドンデン返しは、いつもよりインパクトが少なく感じましたが。でも、母親との絡みはちょっと感動しました。新たな恋?は次回のお楽しみかな。

  • 来るぞ来るぞとわかっていても、物語に熱中するうちにやっぱり騙される。ザ・キング・オブ・大どんでん返しのディーヴァーだもの、お約束通りのおもしろさ。ウィキリークスや尖閣ビデオや警視庁の情報流出など、ネット社会に潜む危険を突くニュースが飛び交った2010年にぴったりの作品。

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