東慶寺花だより

  • 文藝春秋 (2010年11月26日発売)
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  • 本 ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163298009

感想・レビュー・書評

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  • 鎌倉の四季折々の美しさが……
    鎌倉の縁切寺・東慶寺の門前に3つある御用宿のひとつ柏屋に居候する見習番頭・中村信次郎23才の物語です。

    信次郎は、人柄が良く、江戸蔵前の町医者・西沢桂庵の代診が出来るまでに上達した見習医師であったが、滑稽(こっけい)本を一作「蚤蚊虱(のみかしらみ)の大合戦」を出したら、これがそこそこ当たり柏屋に逗留して執筆をしているが、どうしても2作目が書きあがらない。そんな時に、東慶寺へ夫と離縁したい女が駆け込んでくるのをお世話しているうちに、女達の内情に触れ心を動かして行く様子を15編の短編で綴ったものです。

    信次郎兄さんと慕う、可愛いく美しい柏屋の一人娘お美代7才がいい味を出して常に登場します。笑顔が出て心がなごみます。周りでは、将来の花嫁とはやし立てますがどうなるでしょう。と言うのも。この物語は、著者井上やすしが「オール読物」に連載したものを著者の死後に単行本にしたものですから、続編がでず残念です。
    御用宿とは、東慶寺に入る前に女たちの事情などについて調べるために設けられた宿屋です。
    所々に笑いを含んだ物語が楽しくて、途中で読むのを止めることが出来ませんでした。
    字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2021.08.30~09.04 6日間で読了。
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  • 東慶寺が駆け込み寺であるのは知っていたが、その仕組みは良く知らなかった。それが本著を読んでよく分かった。東慶寺に駆け込む女の人ひとりづつが1章となる短編集なのでとても読みやすい。この本が原作で以前映画化されたことも読後知る。大泉洋が主演の映画版も観てみたい。

  • 時代小説特有の取っ付きにくさはあるけれど、一話を読み終えたあたりから読み慣れて、とても面白かったです

    映画の原作となりましたが、脚本は各エピソードをうまく組み合わせてあるようです

    愛されキャラの信次郎さんを、大泉洋さんにしたのはうまいですね
    原作では映画ほどのヘタレではありませんが

    しかし、男がここまで意地汚く、女の芯がここまで強いものでしょうかね

  • 井上ひさしの遺作。

  • 短編集。縁切り寺について。

  • これが、映画の原作とは知らずに読み始めた。阿保ですね〜。ところで、原作の素晴らしさ、映画の脚本の良さをしみじみ感じました。井上ひさしって凄い作家です。縁切り寺をコミカルに表現出来て、楽しく仕上げるとは。

  • これだけのネタを短くまとめているのは凄い。ネタギレとかにならないのだろうか。かなり良かったです。

  • 大泉洋さん、戸田恵梨香さん、満島ひかりさんなどそうそうたるメンバーで映画化されたことから興味を持って。
    映画はまだ見てないのだけれど。

    舞台は一つの縁切り寺。
    女性が、このような方法でしか配偶者や家から逃げられなかった時代のこと。
    具体的に下駄を投げ入れれば、保護決定!みたいになる決まりとか、お金によって寺での処遇が変わってくることとか、興味深く読んだ。

  • 映画が面白かったので、原作も読んでみた。さすが井上ひさし。下ネタもサラッと流しつつ、人情味のあるコメディに仕上げている。映画は話を幾つか掛け合わせている感じ。おそめさんの話が好き。

  • 井上ひさし先生が執筆に11年かかったらしいです。

    どうりで、短編集なのに、なんだか長く感じました。

    短編をひとつかふたつ削っても良かったのかも。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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