海遊記 義浄西征伝

  • 文藝春秋 (2011年9月22日発売)
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  • 本 ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163299105

感想・レビュー・書評

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  • トッテモ面白い海洋冒険譚でした。さしずめ海洋版西遊記です。
    時代は7世紀中頃、唐の時代、幼き頃に貧しい家の口減らしに岩窟寺にだされ二人の無名ながら崇高な師傅により仏の道に導かれ育った幼名 文明、出家後は『義浄』のファンタジー西征伝です。
    天竺(インド)へ渡り仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵に憧れ学びを求めますが、取り巻きの高層からはけんもほろろに相手にはされず。
    その後、共に天竺への西征を誓った僧侶たち、心弱き者達はいとも容易く脱落していきますが巌のような心を持つ『義浄』、仏は正しき者を導くようです。
    ならばと頑強な意志とド根性、胆力て釈尊へのあくなき一念を携え仏と法を学び正しき戒めと律を求めるべく修行を積みながら弟子の善行を伴い海路で天竺(インド)に向かいます。
    波斯(ペルシャ)商船を操る海の男たちに魅入られ心強い仲間を得て共に海賊や執着霊、狂気の妖術使いに『仏・法・戒・律』をもって立ち向かいます。
    肝を狙われる波乱の旅は三蔵法師と同じですが違いはその風貌です。
    鬼瓦のような岩窟僧『義浄』の姿は精悍であり滑稽でありながらも心正しき僧侶、その愚直な姿は愛おしささえ感じさせてくれる新西遊記でした。

    読後感=それでも目指すか・・天竺へ

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    • books-popdoさん
      はじめまして。
      POP堂書店というサイトを開いた栗原龍二といいます。
      POP堂書店は、書店とは名乗っていますが本は一冊も売っていません。
      そ...
      はじめまして。
      POP堂書店というサイトを開いた栗原龍二といいます。
      POP堂書店は、書店とは名乗っていますが本は一冊も売っていません。
      そもそも営利事業ですらありません。
      読者が自分のおすすめ本のPOPを作って貼る場所です。
      POP堂書店を訪れた人は、街の書店でPOPを見て本を手に取るように、POPをクリックしてPOP作者のページを訪れます。
      いろんな人のオススメ本が、パッとひと目で選べる場所を作ろうと思って開いたサイトなのです。
      ただ、開いたばかりのサイトなのでPOPを置いているのは私が作った分が半分以上という状況。
      もしよろしかったらtetsu555様にもオススメ本のPOPを作って頂けないかというご提案です。
      まだ全然訪れる人も少ない状況ですが、POPが揃ってきたら本格的に(と言っても素人作業なので知れていますが)広報活動を始めようと思っていますので、新規読者獲得の一助になれると思います。
      唐突な申し出で、戸惑われたかと思いますが、ぜひ一度POP堂書店を見てご検討下さい。

      では、最期まで読んで頂き誠にありがとうございます。
      POP堂書店 栗原龍二
      http://www.popdo.net/index.html
      2012/07/05
  • 初めての仁木作品。僕僕先生を読んでみたくなりました。中華から東南アジアを盛り込んだ展開は、興味深く、因縁と輪廻の邂逅、初志貫徹の精神、そんな所が面白かったです。

  • 仏の姿を求める 一途さ。
    周囲の愛を受け入れる 度量。
    私も こんな風に生きたいなぁ。

  •  唐の国、斉州は済陽城郊外に六人兄弟のうちの四番目として生まれた義浄は、貧しい暮らしもあって幼いうちに寺に出された。
     義浄は悟りを得ること、その一点だけを目的に、西域を旅し玄奘三蔵がいるという都の大慈恩寺に入り込むが、その出自ゆえ頑なに拒否される。

     義浄は、仏法が唐で正しく行われていないと嘆き、かつて玄奘三蔵が学んだ天竺で真の悟りを開きたいと、南方の海路で天竺に向かうが……。

     唐代の中国を舞台にしたスケールの大きな旅物語です。眼光鋭く、異形の僧である義浄が様々な困難に向かいながら天竺を目指して旅する冒険譚です。ドキドキ、ハラハラします。西遊記的な物語ですが、またテイストが違うような。

  • テンポ良く進んでいって、面白かったー!

  • 僧 義浄が天竺を目指す冒険話し。

    前半は仏の話。難しく(飽きて?)読むのを断念しそうでした。
    後半はペルシャ船に乗せてもらい色々な事件が!!あって楽しくなる。

  • 義浄のように強い想いを持てたらとおもう
    でも、強い想いは時に人を頑なにする
    天竺への道中、義浄は更に成長する
    お釈迦様の教えとは

    どこの世界も
    閉ざされる
    権力・金
    得たものを皆手放そうとはしない
    皆の幸せを願うのは夢なのだろうか

  • 読み始めは面白かった。
    のだけれども。
    だんだん微妙に。
    発想と、序盤の勢いがすごく良かっただけに勿体なや…。

  • 異相で頑固な義浄が既存の仏教の在り方に疑問を持って天竺行きを目指す物語。
    すべてにおいて四角四面で融通の利かない主人公が海上で様々な人や出来事と出会って少しずつ心が柔らかくなっていくところが読んでいて楽しかった。
    ただ、信仰への情熱とか仏の教えとか仏教に対する記述が通り一遍で物足りなかったことと主人公の魅力が脇役よりも無い感じがしてしまうので(船長のフェリドゥーンや海賊のキャラクターの方が印象が強い気が…)それが何だか残念。

  • 顔も厳つければ、心も頑固、というファンタジーの主人公としては今イチな義浄が、真の仏教を求めて天竺に向かう。

    侠気溢れる船乗りたちが魅力的だし、追いかけてくるちょっと間抜けな海賊たちも愛嬌があって良いと思うんだけど、ここのレビューを見るとちょっと評価が低めですね。

    私は最近の僕僕先生より面白かったと思うんですけどね。
    アクス・アクスは『先生の隠しごと』のラクスとちょっとキャラがカブッちゃったかな?
    多分、仁木さんの今の興味が、人々が本当に幸せに暮らせる国、という方向に向いているということなのでしょうね。

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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