花の鎖

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3398
レビュー : 581
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163299709

作品紹介・あらすじ

毎年届く謎の花束。差出人のイニシャルは「K」。女たちが紡ぐ感動のミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • たとえば、花。たとえば、月。たとえば、雪。


    たった一人の身内である祖母が入院し、自身も失業したばかりの梨花。
    憧れの人と結婚したばかりの美雪。
    イラスト講師をする傍ら、和菓子屋の看板娘もつとめるさっちゃんこと、紗月。

    母宛に毎年届く豪華な花束(3万円相当)。
    母の死後、その贈り主「K」の代理人から経済的援助を申し出られるもそのときは辞退した梨花だったが、祖母の願いを叶えるため、彼に借金を申し込むことに。母と「K」の関係は一体どういうものだったのか、、、

    接点のなさそうな3人をつなぐのは梅香堂のきんつば。

    途中で仕掛けには気づいたのですが、なんとも後味の悪い・・・
    それが湊さんの持ち味と言って良いんだろうけど。

    同じ地域に住み、同じ言語をしゃべり、読解力的にはもちろん話が通じるはずなんだけど、話の通じない人っていますよね。
    感性とか配慮とか常識とか分別とか、そういうものが根本的に違う・合わない人。
    そういう、人の嫌~な部分を抽出してキャラクターとして書き上げるところから湊さんの構想は始まるのかな。

    ・・・雪月花、昔、工藤静香さんが歌ってはりましたよね。。。今やキムタクの妻。。

  • 両親を事故で亡くし祖母と2人暮らしの梨花。設計士を目指す夫と暮らすものの、なかなか子供が出来ずに悩む美雪。大学時代に山岳部に所属し、イラストレーターの紗月。3人の女性の人生に「K」という人物が絡む。
    最初はよく分からなかったが途中で気がつき、なるほどなと納得。登場人物が丁寧に描かれていた。親子、恋人、夫婦などの「鎖」がよかった。
    テレビドラマで放送されたようだが、時代背景ですぐに分かってしまわなかったのだろうか?

  • 最後の方になって、やっと時系列を理解。
    なるほどそういうことかと。雪月花。
    ほとんどの登場人物がKさんのせいで、いろいろ疑心暗鬼になってしまうね。

  • 何かすごく感動しました。湊さんの作品の中で一番感動的でした。と言ってもまだ数冊しか読んでませんが・・。
    「花の鎖」まさにタイトル通りの作品ですね。花・雪・月が並行して書かれているのでわからなかったのですが、三世代の親子の話なんですね。最初は繋がりがなかった関係が次第に繋がっていく・・・・湊さん特有の展開にさすがだなと思います。
    先日よ読んだ「少女」もそうですが、こういう作風は大好きです。祖父母、両親、自分と深い繋がりを綴りながら、人の心の奥底まで表現されて、それが花の鎖と繋がっていく展開は凄いですね。
    しかも、人が殺されどうのこうのという陰惨なものではなく、ある意味、人との繋がりの中で起こった偶然を題材により深く心理を表現していく作品は面白いですよね。
    登場人物の心に潜む憎悪と、それを慰める花の鎖が何かすごく印象的です。コマクサ、りんどう、コスモス、色んな花が出てきます。それぞれがそれぞれの世代の花として繋がっていくのが本当に素晴らしいと思います。

  • 美雪、紗月、梨花の視点で物語が同時進行していく。

    1つの章で3人の話が出てくるので、
    それぞれ話の続きが気になって気になって、
    つながりを考えず読み進めてしまった。
    だから、つながりに気がついてから、途中読み返した。
    最初からゆっくりと丁寧に読み込めばもっと面白かったかも。

    雪月花


    (図書館)

  • 3人の女性のエピソードが交互に繰り返される展開に、最初戸惑った。

    全篇を通して散りばめられている花々と、和菓子の『きんつば』が
    かろうじて細い鎖になっている様であったが、
    鎖のからまりが全く見えない中盤までは、ぶつん、と一話が終わる度に
    イラッとして、
    (あの~、2話飛ばして、この話の続きを読みたいんですけどっ!!)

    …なんて、心のなかの司書さんにイライラをぶつけてみたり。^^;

    が、
    中盤を過ぎる辺りから少しずつほどけてくる鎖。

    その先がどこにつながっているのかが見え始めてくると…

    ひとり、いや二人か。
    救いようもない悲運を背負わされていた人物が
    物語の奥深くで眠っている事実に泣いた。

    相関図が少しややこしい。

    読み終えはしたが、読みきれた感じはないのが少し悔しい。
    (真実を知ったあとでも、読み返すのが惜しくない物語ではある。)

  • 3世代の女性の語りだと気づいたのは中盤あたりだろうか。「Kさがし」という趣向が面白く、一気に読んだ。時々人物が混同して誰のセリフなのかわからなくなる時もあったが、これも作者の計算のうちかもしれない。

    計算といえば、苗字、名前を微妙に明らかにしないところもその一つだ。キーワードは「K」。誰もが、梨花の探す「K」候補だ。

    そんなミステリーの要素と、花をめぐるつながりや美しさが相まって、さわやかな読後感だった。他小説にみられる作者独特のドロドロ感には才能を感じるが、私は本作のほうが好きだ。

  • いい作品でした。
    性格も境遇もまったく違う三人の女性が主人公。
    一見なんのつながりもなかった三人の物語が
    最後にはきれいに一つの花の鎖でつながれます。

    どんな時代に生まれても
    どんな環境に育っても
    優しく強く生きていく女性の姿は胸を打ちます。
    湊さんの作品にお馴染の『毒』は影をひそめていますが
    それでも充分読み応えのある作品でした。
    女性におすすめの一冊です。

  • 面白かった。一体どう繋がるんだろう?と気になってどんどん読み進めました。
    話がうまく進むように都合よく作られている部分もあるかな?という気もしましたが、それでもおもしろかったです。
    読み終えてみて、なんだか複雑な気持ちになりました。
    湊さんのお話は、悪者は最後に懲らしめられるものが多いというか、自業自得な終わり方が多いと思っていたので、ちょっと拍子抜けかな?
    もうちょっと厳しく締め括ってもよかったんじゃないかな?と思いました。

  • ドラマが放送されたので再読してみました(すみませんドラマは見ていません)一度読んでいるからこそ 落ち着いて読める話でしたが やはり展開は湊さんならでは。二つの異なる話を交互に描きながらも タイトル「花の鎖」とあるように 繋がっています。
    少しずつほどけていくように繋がっていく辺りは見事です。
    ただ・・タイトルにはふさわしくないけれど「きんつばと鎖」でもよかったくらいに読了後は「きんつば」が食べたくなります(笑)それもできたて、ではなく日にちが経って少し硬くなったものをフライパンで焦げ目をつけながら焼いた暖かいきんつばを・・

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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