花の鎖

著者 :
  • 文藝春秋
3.55
  • (199)
  • (598)
  • (596)
  • (111)
  • (23)
本棚登録 : 3996
感想 : 627
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163299709

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった。一体どう繋がるんだろう?と気になってどんどん読み進めました。
    話がうまく進むように都合よく作られている部分もあるかな?という気もしましたが、それでもおもしろかったです。
    読み終えてみて、なんだか複雑な気持ちになりました。
    湊さんのお話は、悪者は最後に懲らしめられるものが多いというか、自業自得な終わり方が多いと思っていたので、ちょっと拍子抜けかな?
    もうちょっと厳しく締め括ってもよかったんじゃないかな?と思いました。

  • ドラマが放送されたので再読してみました(すみませんドラマは見ていません)一度読んでいるからこそ 落ち着いて読める話でしたが やはり展開は湊さんならでは。二つの異なる話を交互に描きながらも タイトル「花の鎖」とあるように 繋がっています。
    少しずつほどけていくように繋がっていく辺りは見事です。
    ただ・・タイトルにはふさわしくないけれど「きんつばと鎖」でもよかったくらいに読了後は「きんつば」が食べたくなります(笑)それもできたて、ではなく日にちが経って少し硬くなったものをフライパンで焦げ目をつけながら焼いた暖かいきんつばを・・

  • 湊作品は『告白』以来2作目なので、あのなんとも重い読後感が再来するのではないかと構えて読みましたが、苦味はあったものの良い方に裏切られました。多視点で語られる多重構造はミステリータッチで、“鎖”と付いたタイトルから何らかの繋がりはあると想像できるも、なかなか全体像は掴めない手ごわさ。自分で人物相関図を書いたりして、面白かったです。美雪さんと和弥さんが雨降り渓谷へ行って「未明の月」に似た月の抜け殻について話すシーンが美しくて幸せそうで好きです。

  • 雪月花の一文字ずつを名前にもつ三人の女性の物語。

    最初に出てくる梨花は失業したばかりの女性。
    たった一人の身内である祖母が入院し、どうしてもお金が必要になった彼女は毎年豪華な花束を贈ってくる「K」という足ながおじさんに借金を請う手紙を出す。

    次に出てくる美雪は結婚したばかりの女性。
    意中の男性と結婚し幸せな美雪。
    彼女の夫はそれまで勤めていた会社を辞め、美雪の従姉妹が興した建築事務所に勤め始める。
    しかし、それは最初に思い描いたものとは違うものだった。

    最後の紗月は和菓子屋でバイトをしながらイラストの仕事をする女性。
    母親と二人暮らしの彼女のもとに、学生時代の友人、希美子から手紙が届く。
    再会した希美子は紗月に助けて欲しいとすがりつく。

    何故毎年豪華な花束が贈られてくるのか。
    贈り主は何なのか。
    そして三人の女性はどこでどうつながっているのか。
    読む内に徐々に見えてきます。

    これを読んで登山した際の一の鎖、二の鎖、三の鎖を思い出しました。
    一の鎖を掴んでいったん登ったら、後からどんどん人が登ってくるのでもう引き返せない。
    二の鎖、三の鎖と、前を向いて登るしかなくて・・・。

    それと同じようにこのお話も一つの出来事がつながっていて、前に前に時間が進んでいく。
    そしてその出来事がやがて自分に返ってきて・・・。
    自分がした事はいい事も悪い事も形を変えて、やがて自分に返ってくるんだな~とこの話を読んで思いました。

  • うーん、あまりこれといった出来事もなく話に変化がないのでちょっと読みづらかったです。
    話し手がつぎつぎと変わっていくので、切り替えがうまく出来なかった・・・。
    もう1回読んだ方がいいのかもしれない。

  • 湊かなえの作品にある毒が良い意味で抜けた感じ。悪意ある人の中にも葛藤がある。話の構成が中盤から溶けていく感じもGood。個人的には非常に面白かった。しかし、湊作品を初めて読む人に「告白」のような強い印象を残せるかは疑問。

    • ニコさん
      なるほど、この作品を持っているけど未読なんです。参考になりました
      なるほど、この作品を持っているけど未読なんです。参考になりました
      2013/05/16
  • 同じ町に住む3人の女性の物語、雪、月、花と名付けられた章がオムニバスでそれぞれ進んでいくので
    一気に読まないと頭の中がこんがらがった。
    ラストで3人の女性をつなぐのが「花の鎖」ってことなのかな。
    そして、花以上に「きんつば」が良く出てくるけど、
    私はきんつばについての件で3つの話のつながりに気付いた。

    つながり具合がだんだんわかってくる過程は面白いけど、
    序盤は淡々としていてなかなか長く感じたかな。
    散りばめられているエピソードは、病気とか、恨みとか、火曜サスペンスっぽいレトロな感じ。w
    でも読後感は悪くないです。

  • 花,雪,月...3人の女性と、花とKの存在が、鎖で繋がっていく話。
    今までの湊作品とはちと違う感じで期待したのだけれど。。。
    母や祖母というのが誰のことか、ゴチャゴチャしてしまって読みにくかった。
    好きになれる人物がいないし、終盤の展開は予想通りだった。

  • 湊かなえさんは、いろんな人の視点から一つの物語を作っていく作家さんで、このお話もそれに当てはまる。

    祖母がガンに侵されて、母に毎年大きな花束を送っていたKに、治療費を頼ることにした。はたしてKとは何者なのか?Kと母との間には、どのような関係があったのか?

    最初はバラバラのように思えた3つの話。だけど、それがだんだんとつながっていくのは読んでいて面白かったし、うまいなあと思った。

  • 物語のはじめ、雪、月、花の接点が何も解らず、退屈だった。その退屈な部分にもう少しユーモアやキャラクターの面白さがほしい。もう少しヒントを小出しにしないと、途中でいきなりネタばらしをされるので読者は置いてきぼりになってしまう。
    登場人物それぞれが好き勝手なことを言っていて、昼ドラや渡る世間・・・のようば印象だ。仕掛けが凝っているように見せかけて、内容がイマイチ。
    これだけ登場人物がいて共感できる人が一人もいない。

全627件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×